めいすいの写真日記

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映画「山桜」

2021-09-02 | 映画

                                   2021/9/1 NHK BSシネマ

  藤沢周平の海坂藩を描いた短編小説を映画化した時代劇。
 家風に馴染めず、不幸な結婚生活を送っていた野江は、ある日、手塚弥一郎という武士に出会う。
 手塚は以前,縁談を申し込んだが、野江は会う前に断った相手だった。初めて会った手塚からの優しい言葉を支えに
 現在の夫、磯村との辛く苦しい生活をなんとか耐える野江。
 その後手塚は不合理な年貢に苦しむ農民を救うために自らを犠牲にして国を動かす事件を起こす。
 城内での刃傷ではあったが長期の投獄にとどまつた。野江は離縁し、藩主が江戸から帰り、
 手塚が許される日を手塚の母・志津と共に待ち続けるのであった。

【原作】藤沢周平
【監督】篠原哲雄
【出演】
  磯村野江・・・田中麗奈
  手塚弥一郎・・・東山紀之
  浦井七左衛門・・・篠田三郎
  浦井瑞江・・・檀ふみ
  手塚志津・・・富司純子
  諏訪平右衛門・・・村井国夫
【製作】日本、2008

 春咲きに実家に戻り、久しぶりに叔母の墓参りを済ませた野江。
 帰り道の丘の上にあった美しい山桜の花に手を伸ばすが届かない。

「手折って進ぜよう」その時、声をかけてきたのは、手塚弥一郎であった。
 別れ際に手塚は「今は、お幸せでござろうな」、「はい」と野江。
「案じておったが、それはなにより」と言い残して去って行く。

 3年ほど凶作が続き藩の財政が危うい時に乗じて、譜代の家柄の諏訪平右衛門は私腹を肥やしていた。
 また、取り巻きの多くがこの諏訪に取り入って儲ける算段をしていた。磯村もその一派であった。
 藩内のくすぶる不満や凶作で苦しい百姓の激しい申立も諏訪は握りつぶした。

 藩主が江戸詰めで留守の中、行き詰まる藩内の状況に手塚は、城中で諏訪平右衛門を襲い殺傷する。

 諏訪を切り捨てた手塚を「痴れ者」と罵った磯村に対し、野江は「言葉を慎みなさい」と言う。
 磯村は剣を野江に向ける。母親が止めに入るが。野江は磯村家を出て行くことになる。

 辛い磯村家の日々であったが下男の源吉は、畑仕事を野江に懇切丁寧に教えてくれた。源吉は別れを惜しみ
「お体を大切に」という。
 磯村家では内職もさせられて、裁縫を身につけることも出来た。生活力が付いたことにはなった。

一方、手塚は事件のあと、大目付の屋敷まで歩いて行く。申し開きは一切せず、長期の投獄という咎め
を受けることになる。

手塚の将来を祈り、「お百度参り」をする野江。

 手塚の留守宅を訪ねる野江。手塚の母親は温かく迎えてくれた、持っていった山桜の花は活けて
 床の間に飾ってくれた。

その頃、江戸詰めだった藩主が海坂藩に向かっていた。

【感想】古き日本の良さを伝える物語。静かに話は進むが1本芯の通った人達の生き方が感動的だった。
 浦井瑞江役は檀ふみは浦井家の品格が良く出ていたと思う。
 タイトルの黒幕の表示で、「難波田城址公園」と出て来た。これは埼玉県富士見市の公園。
 古い民家などが移築されている。隣の市にあるロケ地に使われたようで親しみが持てた。