めいすいの写真日記

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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女

2009-05-02 | 読書
 NHKが4月4日に放送した「週刊ブックレビュー」という番組を見ていたら、読書家といわれる児玉清さんが、この「ミレニアム1 ドラゴンタトゥーの女」を最近読み感銘を受けたミステリー小説といって紹介しており、この本を初めて知りました。

 スウェーデン人のジャーナリストだったスティーグ・ラーソンという人が書いた本で、スウェーデンでベストセラーになりました。3作からなるミレニアムシリーズは人口900万人のスウェーデンで290万部売れ、国民の7人に一人が読んだことになるとか。ということは幼児から老人まで含んでいることになるので、実際は2~3人に一人、単行本を読む気のある人ならばほとんどの人が読んだことになります。
 残念なことにスティーグ・ラーソンはこのシリーズ4作目を書いている途中に心臓発作で亡くなってしまいました。

 その後、800万部と全世界で読まれるようになりました。映画化が進行中で2009年中に公開されるようです。そうするともっと人気が出るかも知れません。
 スウェーデンといえば巨匠イングマール・ベルイマン監督の「野いちご」や「処女の泉」を思い出します。私には、何か繋がるものがあるように思えて来るのですが・・・。



 ミステリーということだったので、ミステリー小説の好きな私は、連休中にぜひ読んでみようと思っていました。一昨日に、まず上巻を買ったのですが、とても面白くて結局、昨日といっても夜遅く今日に入ってしまいましたが、読み切ってしまいました。

 月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。そんな彼の身元を大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが密かに調べていた。背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットの働きで、ヘンリックはミカエルが信頼に足る人物だと確信し、兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。ミカエルは依頼を受諾し、困難な調査を開始する。( 上巻 カバーより )

 ヴァンゲル一族の住む、陸地とひとつの橋でつながったへーデビー島が主たる舞台で、多くの人物が登場しますので、初めは登場人物の名前が書いてある栞やヴァンゲル家の家系図、へーデビー島の地図を見ながら読み進むことになります。上巻の半分位のこの部分まではちょっと読むに際しては我慢のしどころです。
 そして、人物描写が上手く、困難と思われた謎解きが少しずつ明らかになっていく過程で読者は物語の中に引き込まれていくことになります。

 第一の主人公ミカエルは、かなり年配なのに女性にもてすぎというきらいはありますが実直で好感が持てます。 
 一方、もう一人の主人公「ドラゴンタトゥーの女」リスベットは異様な風貌と過去があるのですが、文字を瞬時に画像として記憶できるなど超能力者で、あまりに事件の解決能力が高く、ちょっとフィクション性がありすぎるという感じがありました。 

 扱うテーマもスウェーデン経済、パソコンとネットワーク、福祉国家といわれるスウェーデンの暗い影の部分、性的暴力(DV)等と広く、描写も興味を引かれます。スウェーデン人の多くに支持されたということは、こうした状況が決してフィクションだけの世界でないということを意味しているのでしょう。
 「スウェーデンでは女性の46%が男性に暴力をふるわれた経験を持つ。」
 「スウェーデンでは女性の13%が、性的パートナー以外の人物から深刻な性的な暴行を受けた経験を有する。性的暴行を受けた女性のうち92%が、警察に被害届を出していない。」といった本文中のくだりは女性の権利が日本以上に高い国とされているだけに、驚きでした。

   PENTAX K20D + SIGMA 30mm F1.4 DCで撮影

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