こころの平和から社会の平和へ

水島広子の活動報告や日々思うことを述べさせていただきます。この内容はメールマガジンで配信しています。

アティテューディナル・ヒーリング・センターの誕生(9)

2006年07月19日 | アティテューディナル・ヒーリング(AH)
 アティテューディナル・ヒーリング・センターの誕生について、パッツィ・ロビンソンの翻訳の続きです。いよいよ今回が最終となります。長い間読んでいただきありがとうございました。全文は、私のホームページwww.mizu.cxの「アティテューディナル・ヒーリング」のところに掲載してあります。パッツィの「はじめに」とジェリー・ジャンポルスキー博士による「序文」も併せて掲載してありますので、ご関心のある方はどうぞご覧ください。

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私たちは公には子どものセンターとして知られていましたが、最初から大人のグループもありました。これは緑内障をもつ大人のグループでした。すでに触れたように、それは私が自分の問題として取り組んでいるものでした。私は子どもたちから、他人を助ければ自分を助けることになるということをすぐに学んだのです。このグループは約2年間続いていました。私たちの小さなグループが衰え始めたちょうどそのときに、ドナヒュー・ショーが公の光を当てたのです。その結果として、私たちは、致命的な病気を抱えた大人たちのためのグループはないかという問い合わせを受けるようになりました。私は予約リストを作り始め、そして小さなグループを始めるのに十分な数が得られたところで、大人のグループを始めました。それはゆっくりと自ら発展していきました。子どもたちのグループとは別に。

 今日、センターには18の大人のグループがあります。3つが致命的な病の人たちのものです。1つは乳がんの女性、もう一つは慢性疾患、2つがエイズ、1つが摂食行動についてのグループ、4つがパーソン・トゥー・パーソン(病気はないけれども、人間関係の中でアティテューディナル・ヒーリングを実行したい人)、2つが、致命的な病の人を支えている人たちのグループ、そして4つが高齢者のものです(老人ホームで行われています)。

 グループのすべてが、外部からの要求によって直接作られました。私たちは勧誘をしたことはありませんが、大きさ・評判ともに、育ち続けてきました。そして、メディアを通して、センターのことを聞く人が毎日増えています。米国内には71のセンターが芽生え、世界中のほかの国にもセンターができました。これらのセンターは、それぞれ独立した組織ですが、私たちのセンターで確立された原則からインスピレーションを受けセンターを作ることになったのです。私たちのところにトレーニングを受けに来る人たちもたくさんいます。

 私たちは年に4回、40~50人の人を対象に広範なトレーニングをします。また、新しいボランティアを対象に年2回トレーニングをします。前回のトレーニングは、センターで働くことに関心のある約70名の人が参加しました。私たちは広範囲にわたってボランティアの力で運営していますが、約8名の核となるスタッフもいます。このスタッフは、センターの運営と臨床の両方をします。私たちは財団と個人の献金者から資金を得ています。私たちは、ほかの慈善団体と同様、しばしば財政的に苦しくなりますが、奇跡が起こり続けて、12年後の今も、まだ成長しています。

 アティテューディナル・ヒーリングの概念は古くからのものであると同時に、比類のないものです。これらの原則は大昔からあるものですが、現代の考え方はそれをわかりにくくしています。私たちは社会の法律ではなく愛の法律を教えようとしています。原則は、使ってみると、実にうまくいくのです。怖れによる妨害を取り払って、愛の贈り物を開けるためのツールなのです。
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(☆☆☆ではさまれた部分は、パトリシア・ロビンソン著「アティテューディナル・ヒーリングの原則の一つの定義」の邦訳)

アメリカ報告25 ――ハワイ報告・イハラ議員(その3)

2006年07月19日 | 活動報告
 私はイハラ議員に出会って、初めて「尊敬する政治家」と言える人を見つけたと思いました。今まで、選挙前のアンケートなどで尋ねられても該当する人がおらず、困っていたのです。
 
イハラ議員の特徴は、なんと言ってもその精神性にあります。
 イハラ議員の選挙区ではないハワイの人に「イハラ議員を知っているか」と聞いたところ、その人は政治に詳しい人ではなかったにもかかわらず、「知っている。とても尊敬されている政治家だ。『高潔』を体現した政治家だと考えられている」と答えました。

 まさに、イハラ議員は「高潔」のために生きているような人です。私生活と政治生活の一貫性などは当たり前です。全ての行動が、自分の「高潔」を高めるためのものになるように生きていると言います。そして、その態度を貫きながら政治活動を続けていく、というのは、一つの実験だと思ってやっているそうです。

 政治家としての投票行動は正直です。一人だけ賛成することも、一人だけ反対することもあるそうです。また、党派を超えて協力できる人とは協力します。これらもすべては「高潔」を高めることにつながります。
 
 ブッシュ大統領については、「彼のことも本当に愛そうと努力している」とのこと。その理由は、「アメリカ人は今まで政治的に眠っていた。ブッシュのおかげで、不安を基盤にしたやり方が全くうまくいかないということに皆が気づいて目が覚めた。いろいろな草の根の活動が始まっている」とのことです。

 イハラ議員は、政治家になるときに、自分の心と身体とスピリットをしっかりと守っていこうと自分に誓ったそうです。そのため、自分を忙殺することはしません。議会では精力的に働きますが、自分の誓いを破るようなことは決してしないそうです。これは、健康維持のための時間をきちんととるということでもありますし、有害な精神状態を引きずらないように、出合うことを日々許しながら生きていくということでもあるそうです。
 
 私の議員時代に、選挙区での会合出席をどうしても断れず、ほとんど私生活がなかった(それでも小さな子どもを抱えた私は議員の中では私生活があった方だと思いますが)、ということを話したところ、「それは共依存で、病的なことだ」と驚いていました。確かにその通りで、政治家に見捨てられたくない(顔をつぶされたくない)有権者と有権者に見捨てられたくない(落選したくない)政治家の共依存状態なのだと思います。

 選挙そのものはきちんとした分析に基づいて活動をするそうですが、ネガティブキャンペーンをどうしているかと尋ねると、「それは自分についてより詳しく説明するチャンスを与えられたと捉える」そうです。怒りもせず、無視もせず、きちんと説明するそうです。また、選挙の質を高める(=有権者により質の高い選択肢を与える)ことに責任を果たそうと決意しており、相手が卑劣なことをしたときには直接携帯に連絡をして説明を求めることもあるそうです。

 イハラ議員は、上級裁判所で行われた修復的司法の催しにも私を連れて行ってくれました(現職裁判官が法廷を使ってそのような催しを積極的に開いているのですごいと思いました。ちなみに、その日は音楽を使った活動をしている人たちがゲストだったので、法廷で初めてギターを聴きました)が、いくら話しても話が尽きませんでした。年も性別も国籍も違いますが、「私たちは政治的な双子のようだ」ということを確認して別れました。今まで日本に来たことがないそうですが、今度は必ず来てくれるそうです。9月の選挙を前に、「すっかり出遅れている」そうですが、必ず当選することを祈ります。 

イハラ議員のホームページ
http://www.capitol.hawaii.gov/site1/senate/members/sen9.asp

★ 日本に帰国します ★

 25回にわたるアメリカ報告をお読みいただきありがとうございました。米国では、アティテューディナル・ヒーリングを深く学べたのみならず、すばらしい人たちとめぐり会い、大変充実した半年間を過ごせたことに心から感謝しております。おかげさまで子どもたちも驚くほど成長しました。7月23日に米国を発って日本に帰ります。久しぶりの日本なので適応できるか心配ですが、また自分にできることをやっていきたいと思っています。メルマガはまたしばらく不定期になると思いますが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。