海の幸、山の幸、うちの幸

のんきなお料理記録のはずが、いつの間にかレット症候群という難病の娘と日常のあれこれの記録に…。

夢の話

2013年02月26日 | うちの幸
『来夢』      ~~夢が来た!~~


「夢きたる」と書いて「来夢」。
わが家の兄ちゃんの名前です。
わが家の兄ちゃんは、人間ではなく犬の姿をしています。
けれども、私たち家族にとっては人間以上。
かけがえのない存在の「兄ちゃん」なのです。


不妊治療に限界を感じて諦めようとしていた頃、偶然、来夢に出会いました。
抱っこすると全身で喜びを表し、
顔をペロペロと舐められた時「らいむ」という言葉が一瞬で頭に浮びました。

子どもができない私たちにとって、来夢はまさに子ども同然。
無邪気なしぐさを見ていると心から癒され、不妊治療の焦りも消え、
気持ちがほっこりする日が増えていきました。
そんなある日のこと、ヒナを授かりました。


名前通りに夢を運んでくれた来夢。
来夢は彼の人生の中で一番の大仕事をやってのけてくれたのです。


いざ生まれてみると、生活は一変。夢だなんて…。
ヒナには睡眠障害があり、ぐっすりと寝ていてくれる時間はありませんでした。
成長するとともに発育の遅れも目立ち始め、眠れない日々を過ごしていた私は、
何も分からない小さな娘にヒステリックに接する毎日。
一人で夕飯を食べていると、自然と涙があふれてきました。

後ろを振り返ると、いつも必ず私を見つめる兄ちゃんがいました。
深く深く心の奥まで見つめるような、とても愛情に満ちたまなざしで。  
「泣かないで、お母さん」。


娘を殺めてしまうのでは?という不安を常に抱きながら、何度も壊れそうになる自分から正気を取り戻し、そうならなかった…
来夢がいつも見ていてくれたおかげでした。


翻訳はライフワークにしたい、と思っていた仕事でした。
結婚も出産もまだ決まっていないずっと前から、
「家庭にいてもできる仕事」「育児をしながらでもできる仕事」
そして何より「子どもに残せる仕事」ができれば…と。

けれども娘が生まれてからは、そうそう簡単に手に入るはずもない「夢」。


それが、こうして今回出版することができました。


訳語に行き詰まり、ふと後ろを振り返ると、
そこにはやっぱり来夢の姿がありました。
全身の力を抜いて、ダラリと空気が抜けたような格好で居眠りをしている兄ちゃん。
「リラックマ」ならぬ「リラッイム」。 
「力を抜いて、お母さん」。

来夢の姿を見るたびに、「ぷっ」と吹き出し、
肩の力が抜けていくのがよくわかりました。

リラックスすると、面白いように問題が解決されていきました。
自分の能力以上のものが発揮できたのは、来夢のおかげだったのです。


一度ならず、二度までも夢を運んでくれた来夢。

私は本当に彼が夢を叶えてくれたと信じています。

夢って、もしかしたら力を抜いた時に訪れるのかも!?


そんな夢だった出版翻訳の第一号。

育児をしているみなさんに、肩の力を抜いて読んでもらえたら嬉しく思います。

来夢と共に応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
来夢とみなさんの応援のおかげで、大きな夢を実現することができました (^v^)


追伸: 夢の第二号は「絵本」に決まりました。乞うご期待!

コメント
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