中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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村民の死因、8割はがん

2007-09-17 | 科学・環境を考える
中国公害:重金属汚染の涼橋村 
村民の死因、8割はがん

 命を拒む赤茶けた土と水が、やせた農村を覆っていた。中国広東省の北部にある人口320人の涼橋村。かつて豊かな恵みをもたらした母なる川は、重金属を含む汚泥を運び込む死の川に変わった。中国全土で20あるとも50あるとも言われる「がんの村」。ここもその一つだ。北京五輪が1年後に迫った8月、急激な経済発展の陰でうめく「沈黙の大地」を訪ねた。

押し寄せた汚泥で完全に埋まった魚の養殖池。何保芬さんは「何もかも死んでしまった。もう、元には戻らない」とつぶやき、ぼう然と地割れを見つめ続けた=広東省・涼橋村で

 人口1000万人の省都・広州市から約160キロ。車で3時間ほど走った山あいに村はあった。「魚が何匹いたかって? 数えきれないほど、たくさんいたんだ」中国共産党の同村支部書記、何保芬さんがまくしたてた。足元のひび割れた土の下には、かつて深さ1メートルほどの養殖池があったという。赤茶色の正体は、約30年前から操業している上流の鉱山から流れ出す排水や汚泥だ。色の原因になっている鉄分だけでなく、カドミウムや鉛、亜鉛などが含まれ、生き物がすめないほどの強酸性だ。それが大雨の度に養殖池や田畑に流れ込む。この20年ほどの間に亡くなった村人の約8割はがんが死因だったという。下流域も似た状況だ。だが、本格的な疫学調査は行われておらず、汚染との因果関係は今も確認されていない。中国政府は環境重視の政策を打ち出し始めているが、この村に具体的な救済策は見えないままだ。「日本の新聞が取材に来たのは初めて。この村で起きていることを多くの人に知らせて」。案内してくれた女性が訴えた。私が見た被害は、ほんの一部にすぎなかった。(毎日新聞記事から)

日本には、公害に対するノウハウがあります。手遅れになれば、回復に相当な時間と経費がかかることも知っている。早急に中国と協力し、手を打たなくてはならない。

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