現在日本に一時帰国中。
で、昨日は、以前のエントリで書いた女子高生向けの講演会に行ってきました。
私の講演自体は、割と好評だったみたい。
後からいろんな女子高生やその保護者の方から声をかけられたりした。
最初、1枚目のスライドにネタをたくさん仕込んだのに、受けないのでちょっと焦った。
が、2枚目のスライドで漸く笑いを取ることが出来てから、後はうまくいった。
受験生とその親が中心なので、最初は硬い雰囲気だったのだと思う。
それが一度大笑いして緊張が解けると、聴衆の心のガードが取れて、ぐっと入り込みやすくなる。
そうすると、ちょっとした冗談でも笑ってくれるなど会場の反応が良くなる。
こちらの伝えたいメッセージも、素直に受け止めてもらえるようになる。
こういう聴衆のダイナミクスって面白い。
さて、私の講演はともかく、昨日参加して驚いたのは、日本の(国立)大学の変貌ぶり。
卒業して10年も経ってないのに、カリキュラムにせよ、広報の仕方にせよ、「良く」なっていて驚いた。
これだけ見ると、独立行政法人化して良かったんじゃないか、と思う。
昨日は、女子入学生を増やすための広報イベントだけど、そんなものが開催されること自体、昔はあまり考えられないことだった。
講演会会場の外には個別相談ブースが設けられて、教授だけでなく、大学生がボランティアで受験生の相談に乗っている。
こういう大学へのコミットメントが、アメリカみたいになってきたなー、と好感触。
パンフレットの表紙や紙袋まで、まるでブティックの袋みたいに美しく素敵にデザインされていている。
このイベントのために、わざわざ作られたものだという。
女子学生の心をつかむには、こういう細やかな気遣いが大切だと思う。
講演会のプログラムには、入試事務室から、入試についての説明もあったが、その内容がとても親切。
センター試験はどの教科を受けたほうが良いとか、何点くらいを目指したほうが良いとか、解答欄を間違えると救いようがないから絶対に間違えるな、とかいう話まで。
その後パネルディスカッションでも、どうやって勉強したか、塾に行ったか、なんて話も。
私の頃なんて、センターで受ける教科を間違えて、受ける大学を変えた、なんて人もいたのに…。
大学があぐらをかいてるより、こうやって親切に入試広報をやってくれるのは良いことだ。
主催者の方は「時代の流れですよ」と言っていたが、需要は昔からあったはずで、やっぱり独法化で供給側のマインドセットが大きく変わったのに違いない。
学部教育も、大枠の方針は維持したまま、授業自体にインタラクティブな方法論が導入されていたり、面白い教科が増えていたりするのは、あるべき姿だと思った。
そんなわけで、講演会も最後まで聞いていたのだけど、面白くて全く飽きることは無かった。
もちろん、教育の問題はいろいろあって局所解に過ぎないかもしれないが、こうやって大学が、広報にも力を入れて、開かれていくことによって、変わってくることも多いんだろう、と個人的には期待している。
あと、個人的に、アメリカのインタラクティブな授業がすごく気に入ってます。論理的に筋道立てて考えるという意味では、今大学が当たり前のことをやり始めたのと通じる所があるのかもしれません。
説明会で紹介されていた授業の中では、授業中の質問や発言が評価につながる、というものもありました。
こういう、インタラクティブを促進するような評価って、アメリカのビジネススクールとかでは昔から当たり前ですが、漸く日本の国立大学なんかでも採用されるようになったわけですね。
KMさんが大学教授になった暁には、私もコンサルタントとして改革に駆けつけるので、内外から一緒にやっていきましょう。