My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

グエル公園にガウディを尋ねて-バルセロナ(3)

2009-12-24 15:00:01 | ●スペイン旅行

ザグラダ・ファミリアを1時間半の駆け足で見た後は、バルセロナの街の北側にある、グエル公園に向かう。
グエル公園は、ガウディのパトロンだった実業家グエル氏が建設しようとしていた近代的住宅地域の予定だったが、途中で計画は頓挫し、公園になった、というもの。

実は、小さい頃から家に世界の建築に関する本がそれなりにあった。
親の本棚から勝手に本を出して読み漁る子供だった私は、ガウディの本も発見して読んでいた。
その中にザグラダ・ファミリアやグエル公園がカラーで載っていて、一度は行ってみたいと思って心を馳せた。
海外旅行に行けるなんて、当時は思ってもなかったもの。
お金がなくても、様々な教育と教養を授けてくれたことにはとても感謝してるけどね。

というわけで、今回の旅行は、長年の夢がかなった旅行でもあった。
一人旅だと、いろんなことを考える。一人で来て、良かった。

さて、グエル公園だが、緑の地下鉄三号線(L3)のレセップス、という駅から徒歩10分くらいのところにある。
どの観光ガイドにも地図がちゃんと載ってないのだけど、公園まではずっと標識が立ってるし、観光客らしい人たちがたくさん駅から公園に向かってるので、わかるはず。
途中、坂を上る感じが、モンマルトルの丘を思い出させる。

到着すると、門からして、いきなりアールヌーボー。
これは期待感高まる。

門から見たグエル公園は、こんな感じ。
なんか、お菓子の家に飛び込んだかと思った。
ザグラダファミリアもそうだけど、あちこちに花や樹木から着想を得たデザインがあり、中には美味しそうなのもたくさんある。

階段を登っていくと、美しい単調のフラメンコギターの旋律が聴こえてくる。
旋律自体も美しいが、かなりの早弾き・超絶技巧。
それが、ガウディのデザインした天井に響いて、美しい音になっている。

つい、何曲か聞き入ってしまい、すっかりファンになってしまった私は、CDを購入(10ユーロ)。
こういう単調の美しい旋律って好きなんだ・・・。
加えて早弾きの度合いが、以前好きだったイングヴェイ・マルムスティーンを想い出させる。

弾いていたのは、こんなおじさんだった。
イケメンじゃないけど、いいんです。

さて、この美しく陶器で装飾された天井の上にあるのが、かの有名なガウディのベンチ。
おおぉぉー。
ついに来たか、としばし感慨。

遠くから見ると、だだっ広いだけで余り美しく思えないのだが、やはりこのベンチはディテールがすごい。

アールヌーボーだけじゃなくて、浮世絵とか、マヤ文明の彩色とか、色んなところから影響を受けてるように思える。

この公園を登りきったところから左右に折れると、それぞれ、まるで古代遺跡に分け入ってしまったかのように装飾された石の建物が建っている。

こちらは左側。

こちらは右側。
ガウディ博物館もこちらの側にある

ガウディ博物館も行った。
これは、このグエル公園に住んでいたガウディ自身の住居を、そのまま博物館にしたもの。
中にある家具が、全てアールヌーボーなスタイルのものばかり。
やはりこういうものから常に影響を受けて、ガウディがあるのだな、と思った。

例えば家の中央の部屋にある鏡。

ランプや、ベンチのような家具も、全てアールヌーボー風のデザイン。
ガウディ自身がデザインしたものも多々ある。

博物館の中には、ガウディのほかの有名建築物の模型などもある。
ガウディはアールヌーボーから影響を受けてるだけでなく、独自の幾何学的な解釈をデザインに多々取り入れている。

例えばこの建物の屋根は・・・

他にも、Hyperbolic paraboloid(双曲方物面)やHyperbolid (一葉双曲面)など、あらゆる双曲面をデザインに用いている。
幾何学が好きな人には、耐え難い魅力があるのもガウディの特徴。

大雨の中のグエル公園だったが、雨もまた奇なり。
結構楽しめた。

楽しくて2時間も過ごしてしまったので、昼食も取らずに駆け足でモンジュイックの丘に向かう。

←面白かったら、クリックして、応援してください!



最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
たのしいですね! (Yoshi)
2009-12-24 23:16:21
う~ん、楽しいポストですね。この公園、以前に多分NHKの番組で見ました。タイルを見て、まず銭湯を思い出しましたが(失礼!)、でもかってのイスラム圏スペインだから、少しイスラムの美術の影響もあるのかな、なんて思いました。その次の恐竜のうろこみたいな所は、行ったことないですけど、やはりテレビで見たイタリアのグロットのデザインみたいな感じを持ちました。そして最後のひだひだの屋根の模型は発想は何からかしら、と色々想像しちゃいました。何か波打つ布のような・・・。 Yoshi
返信する
Unknown (Lilac)
2009-12-27 09:26:31
>Yoshiさま

>少しイスラムの美術の影響

ええ、ガウディの建築はカタルーニャ建築様式をベースとしながら、フランスのアールヌーボー、アールデコ、そしてイスラム装飾の影響を受けていると聞いたことがあります。

>テレビで見たイタリアのグロットのデザイン

そうかもしれませんね。カタルーニャ自体、はるか昔からイタリアの影響を最も大きく受けているので。
言葉もイタリア語に非常に近いし(スペイン語よりイタリア語に近いと思います)ですが、絵画・建築など文化的にもイタリアの影響をそうとう受けてますしね。
庭園を作る際にグロットを取り入れるというのも、はるか昔からカタルーニャ方式となってるのかもしれません。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。