おとといは、午前中アメリカ大使館にJ-1 VISAの再申請に行って来た。
これが前と違って思ったより早く、ものの1時間で終了。
大使館から、虎ノ門駅まで歩いている途中、こんな看板を発見。
フリーカフェ。
ドリンク各種 0円
おかき・せんべい 0円
ドリンクもお菓子も全部タダ?
なんだそりゃ?
ふと見ると「播磨屋本店 東京店」の看板が出ている。
なるほど。
播磨屋というせんべい屋さんがやってるカフェなのか。
しかし、何故「タダ」なのか、というのが不思議だ。
好奇心に負けて、入ってみることにした。
入ると、15人くらいの人が並んでいる列がある。
「タダ」のコーヒーや紅茶、そしてこのお店の売り物のおかきをゲットするための列。
紙コップ(一人ひとつまで)を取って、コーヒーか、紅茶か、オレンジジュースか、好きな飲み物を注ぐ。
で、プラスティックの小さなお皿に、10種類の中から好きなだけおかきを取って良い、という仕組み。
一応、「お持ち帰りはご遠慮ください」と書いてあって、大量に取るのを阻止している。
席を見ると、午前10時なんて時間なのに、かなり込んでる。
サラリーマンが半分以上。
近くの会社の人たちで、喫茶店代わりに使っているのだろう。
中には商談してるっぽい感じの人までいる。
のこりは、主婦っぽい人たちや子供連れ、おじいさん・おばあさんのグループなど。
食べ終わって、片付けコーナーに行くと、みんな有り得ないほどきちんと分別してくれている。
日本人はタダでさえ分別好きだが、紙コップやお皿のごみもちゃんと種類ごとに積み重ねて捨てるなど、分別が行き届いている。
やはり、「タダで食べてる」負い目があるから、後片付けもちゃんとやるっていう効果があるんじゃないか。
おかきはとっても美味しかった。
久しぶりに、日本の味を食べたからかもしれないが、程よい甘辛さとか、ふわっとした揚げ具合とか。
で、家族にも食べてもらいたいし、どうせ会社に日本からのお土産買って帰らないとならないし、と思って、買って帰ることにした。
店の奥が、品物売り場になっているのだが、そこにも5人くらいの人が並んで、品定めをしていた。
実は、かなりの割合の人が、私みたいに引っかかって、なんらか買って帰るみたいだ。
ここのおかきは結構安くて、大判のおかき15枚入りでも、700円くらいで買える。
それならお財布も余り痛まないしね。
で、15枚入りで700円のおかきと、バラエティおかきが個袋30袋入っているお徳用パック2200円を購入。
携帯と比べると、このおかきがどんなに大きいか分かるでしょ。
そんなわけで、「タダ」に釣られて入って、まんまと3,000円を使ってしまったわけです。
更に、こんな風にブログにまで書いて、宣伝してしまったり。
すごいぞ!「タダ」の効果!
帰り道、色々考えてみたんだけど、実はこういうやり方って、単なるマーケティングの一環で損が出ても有名になれば、というものではなくて、
本当に利益を上げるのに役立ってるんじゃないか、と思った。
古典的にデパ地下で売るより、売上げがはるかにあがる、素晴らしいやり方なんじゃないか。
デパ地下で、常時5人くらいの人が品定めしているような店って見たこと無い。
平日の午前10時なのに、レジには常に人が並んでいるお菓子やなんて世の中に無いんじゃないか。
たとえ客単価1,500円だったとしても、1時間に60人は下らない勢いだ。
で、朝10時から夜8時までの10時間営業でしょ。
1,500 X 60 X 10 = 900,000 円。
まあ、ほぼ一日100万円ってとこでしょ。
一方、典型的なデパ地下の売上げは、客単価3,000円で、一時間に10人といったところか。
10時から8時まで、ひっきりなしに客が来ていたとしても、一日の売上げ
3,000 X 10 X 10 = 300,000 円。
30万円ってところか。
コストも、この不況の中、虎ノ門のあたりでビルの地下一階を借り切るのと、銀座や新宿のデパ地下で1店舗持つのとではそんなに変わらんのじゃないか。
いや、違ったとしても、一日100万も稼げるなら、取り返せるでしょ。
人件費としては、デパ地下が通常1,2人なのに対し、この店は常時5人以上が働いている。
でもその差なんて、せいぜい1日5万円くらいなものだ。
そうすると、コストはそこまで変わらず、売上げが3倍くらいになる、素晴らしい方法なんじゃないか。
「タダで提供する」というのは、一瞬損をしているように見えて、実はこの店はかなりの売上げを上げているんじゃないか、と思った。