My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

Sorryと謝るのではなく、Thanksと感謝する

2009-12-15 05:35:43 | 6. 英語論・英語学習

アメリカに住んでると、いちいち価格交渉とかしないとならないとか、住みづらいと思うことも多々ある。
でも、これはいいな、と思うことも多々ある。

今日は、英語で話していて、これは素敵だなと思った言葉について書こうと思う。
二回シリーズで。

留学しはじめて間もない頃、クラスで同じコアチームになった人たちに、私はよく謝っていた。
皆で提出するレポートの私の部分だけ、チームの誰かが忙しいのに時間掛けて校正してくれたり。
ロールプレーでも、私だけ時間がかかるのを待っていてもらったり。
私が英語が出来ないことで、迷惑を掛けてるって思いがあったのだ。

そうしたらチームメンバーに「そんなにたくさんSorryって言っちゃだめだよ」と言われた。

そういうときはね、Sorryじゃなくて、Thanksって言って感謝の気持ちを表せばいいんだ
Sorryは本当にダメなときとか、誰にもどう解決しようもないようなときに言うんだ。」

そう言われて、観察すると、確かにこの国の人はあんまりSorryって言わないことに気が付いた。
そして、Thank youという言葉は非常に良く聞くのだ。

例えばレストランとかで長時間待たされたときとか、お店の人は「Sorry」じゃなくて
「Thank you so much for your patience(待っていて下さって有難うございます)」と言う。
確かにこう言われると、「お待たせして申し訳ございません」と言われるより、ちょっと気持ちがいい。

そして気が付く。
Sorryっていうのは、自分の失敗が悪かったーと反省する、自分目線発言なのだが、
Thanksは、そんな(ダメな)自分を受け入れ、フォローしてくれた相手に感謝する、相手目線発言なんだ。

または、Sorryというのは「禊ぎ」だから、言うと自分も相手も神妙な気持ちになるが、
Thanksには「愛」があるので、自分も相手もほんわかあったかい気持ちになる、というのもある。

で、私はこのあったかい気持ちになるのが心地よくて、Thanksを出来るだけ言うようになった。
その後何かミスったり失敗があったときは、Sorryを出来るだけ言わないようにし、フォローしてくれた相手にThank you!と感謝するようにした。

ただその後、これは一部の日本人には不評だ、と言うことが分かり、
最近は、日本人が含まれてるときは、SorryとThanksの両方の言葉を入れるようにしている。
(一部の人はちゃんと謝られないと、馬鹿にされた気分になるらしい。)

それから、こちらでは相手が悪くてそれに文句を言う、というような状況でも、最後にThanks anyway と言う人が多い。
例えば、お店の対応が悪かったり、余分なお金が取られてるなどの問題が発生して、文句を言ったときなど。
一応話を聞いてくれてありがとう」と感謝の気持ちを表すわけだ。
日本人が「当然でしょ」と思うようなことも、こっちの人はThanksとつける。

この、最後に感謝の気持ちを示すって、気持ちいいよね。
これも日本に帰ってからも続けたいな、と思った。

どう考えても相手のミスであることを指摘するときも、最後に「聞いてくれて有難う」というとか。
上司が失敗をやらかした部下に注意するだけじゃなくて、最後に「でも君がいてくれて良かったよ。有難う」と言うとか。

このThank you、と言うのは癖みたいなもので、一度癖になると、どこでも口を付いて出てくる。
それで、周りの人が、ほんわか、いい気持ちになれるんだから、いい癖だよね~。

追記(翌日):日本で「どうもすみません」という時には、「ありがとう」という感謝の気持ちも含まれてると思うので、自然と感謝しながら「すみません」といえば感謝も通じるんだと思います。
ムリして「有難う」というと変な感じのときもあるかと思いますので。

でも、英語の「Sorry」には「有難う」の意味は全くなくて、「申し訳ありません」という感じ。
だから英語圏ではThanksといったほうがいいよ、ということです。

ちなみに英語のThanksに当たる言葉は、日本語だと「どうも」だと思います。
ガイジンにThanksの代わりに使えるのは「どうも」だと教えるととても喜びますよ。
で、タクシーを降りるときも「どうも」、コンビニでお茶買ったときも「どうも」と言ってるガイジンを見ると、ちょっと和みます。

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英文レポート・エッセイで良いものを書くコツ(暫定版)

2009-12-14 17:15:44 | 6. 英語論・英語学習

今日はもういっちょ、スキル系の話を。(昼に寝すぎて眠れないから起き出して来た・・・)

最後のファイナル・レポート、昨日やっと終わる・・・。

今週は、ものすごい量の英文を書いた。
しばらく英文を書くのがイヤになるほど書いた。
ファイナルレポートは3本だったけど、どれも長かったのと、うち2本は自分がまとめ役になったから。
来学期、論文(Thesis)を書き上げることを考えれば大した量ではないが、練習としては良かったのかも。

というわけで、大量に英文を書いていて、気がついたコツなどを中心に。
MBAエッセイにも通じるものがあるので、エッセイ書いてる人にも役に立つかも。

(構成編)

1.全体の章立てを構成し、各章のタイトルを決める。空・雨・傘が使える。

英文のレポートの場合、最初にIntroduction、最後にConclusionを書くことが決まっている。
これは論文でも一緒。

後はその間をどう埋めるかだが、内容に応じて自分で決めてもいいし、
カバーすべき項目が決まってる場合は、それを使えばいいし、
困ったときは、良くあるフレームワークを使ってもいいと思う。

MBAなど、経営関係だと次のようなものが使えると思う。

Situation (状況)
Complication (意味合い・問題提起)
Resolution (解決策)

または、全く同じだけど、

空(ファクト・事実:空が曇って、雨雲が出ている
雨(意味合い:雨が降るだろう
傘(解決・実行案:傘を持って家をでよう

または、
Why (問題提起)
What (問題解決の方向性)
How (解決の具体的な方策)

なんてのも使えると思う。

これをそのままタイトルにするとウザイので、適当に変える。
例えば、携帯電話業界を扱うレポートだったら、
-Market trends in US mobile handset market (Situation)
-Major issues of US handset manufacturers (Complication) 
-Recommendation and action plans for manufacturers
(Resolutions)
となるかな。

もちろん、上記のフレームワークを使う必要は全くなく、時と場合により、色んな構成方法があると思う。
例えば授業で習ったフレームワークを使うとか。
(起承転結は英語では使わない)
論文とかだと、業界によって、決まったテンプレートがあるはずなので、それを使えばいいし。

要は、論理的に構成されてればいいんだと思う。

2.各章でイイタイコトを箇条書きで複数ポイント書く。

それぞれのポイントが論理的につながってるようにする。
そうすると、各ポイントが一パラグラフになるイメージ。

更にイイタイコトをサポートする内容があれば、一段下の箇条書きで書く。
これは、パラグラフ内の文章になったりする。

この辺りは慣れないうちは日本語でやっても問題ないと思う。
MBAに来て1年も経つと、こういう作業をチームでやるようになるので、自然と英語でやるようになる。

3.まずはその構成に沿って、イイタイコトをワァーっとひたすら書く。

ここまでばっちり構成を作ったら、書きたいことをがんがん書いてもそんなにズレるはずがないので、ただひたすら書く。
文法も語彙の用法も気にせず、とにかく書く。
書く言葉が出てこないときは、一部日本語でも良い。

文法や英語化は後でやればよいので、なるほどと思えるだけの中身があることが重要。

とにかくまず書くのは大事。
書くことは考えること。書くことで考えられる。
十分考えが練られてなくても、書きながら考えて、後で推敲すれば良い。

各パラグラフ、箇条書きで書いた内容からずれないようにしながら、書きたいことを書ききる。

(推敲編)

4.各パラグラフで最も強調したいことが最初の一文になるように構成しなおす。
もっとも強調したいところを太字にし、それを無理やり段落の最初に持ってきて、意味が通じるように文章を練り直す。

以前ケースの速読法で書いたようにレポートやエッセイなどの論理的な文章は、最も大切なことがパラグラフの最初に来ていることが大切だ。
パラグラフの最初の一文だけ読んでも、意味が通じるような文章を書くべきなのだ。

ところが、日本人の癖として、「結論を後に持ってくる」というのがある。
で、結論を先に書いて書き始めると、「結論は後」に慣れてる人は、素直に文章がかけなかったりする。

そこで私のオススメは、3のように書ききってから、後で直すこと。
順序として、まず、書ききった文章の中で最も強調したいところを太字にする。
その文章を無理やり段落の最初に持ってくる。
それが最初に来ても意味が通じるように、回りの文章を書き直す。

これでかなり英語らしい文章になります。

5.文章は短く。

非ネイティブの文章は、タダでさえ文法や言い回しが間違っていて読みにくいので、とにかく短く書くこと。
ひとつの文章が2,3行に及ぶような場合は、長すぎ。
二つに切る。
切ると論旨が切れちゃうような場合は、接続詞を使えばよい。
そのための接続詞。
このほうが、段落全体の構造が分かりやすくなるのだ。

ちなみに私はこれを日本語でも(このブログ書くときも)やってます。
文章が下手なのは自覚してるから、わざと文章を短くして構造を分かりやすくしてるんです。

もちろん、長くても流麗な文章が書ける人は(サマセット・モーム然り・・)その限りではないですが。

6.Sign posting wordを使う

First, Second (Next), Third (Last) のようなSign posting wordや、
However, Therefore/Thus のような接続詞を使って、文章の構造を分かりやすくする。

これも普通にワァーって書いてるときは余り使わなかったりするので、後で読み直して、論旨が分かりにくくなっていたらつけること。

7.単語・熟語の言い回しはGoogleで検索して、検索結果の多いものを採用(かなりオススメ)

これは私が7年前に英語で修士論文を書いていた頃から使っている技。
英語の表現で、前置詞が使われるものとかin なのか on なのか for なのか、
複数形で書くべきか、単数形で書くべきか、など、分からないことが良くある。

こういうときは、Googleで各表現を調べて、自分のイイタイコトを表現するのに一番使われてると思う表現を採用する。 
検索するときは、" "をつける。でないと、曖昧表現も同時に検索されてしまうから。

例えば、役員報酬、という言葉。
Executive compensation というべきか、compensation for executivesというべきか、compensation of executivesというべきか

調べてみると、
"compensation for executives" 10,600,000件。しかもSponsor linkまで大量にある・・・。
"executive compensation" 3,140,000件。
"compensation of executives" 1,240,000件

というわけで、圧倒的にcompensation for executivesが使われていることが分かる。

検索結果を詳しく見ると、executive compensationは、資料や章のタイトルなどで使われてるから、文中に適した言葉とは必ずしも限らないと分かる。
またcompensation of executivesには、Non-nativeのページが非常に多くて、実は英語らしくない表現だと言うことも分かる。

推敲する時は、こういう自分の英語表現などもいちいち気にして直す。
こういうのは、てにをはが間違ってるようなものなので、直すとネイティブにはだいぶ読みやすくなる。
自分が、よく使われる自然な英語を覚えることにもつながる。

8. Wordの検索・置換機能を使って、表現の統一を図る

これ、複数人で書いてるときや、時間を置いて書いてるときなどに特に重要。
ひとつのレポートやエッセイの中で、同じ概念を表すのに複数の異なる言葉が使われてると、読んでいる方は意味不明になる。
Wordの検索・置換を使えば、簡単に直せるのでこれは必ずやる。

例えば、今回私は携帯電話業界のレポートを5人のチームで書いたのだけど、ひとつの「携帯電話端末」という言葉をあらわすのに、
mobile handset; mobile phone; cell phone; cellular phone; mobile terminal
など5つもの表現が使われていて驚いた。
しかも、ある人は、mobile phoneを携帯電話の一般的な概念を表すのに使っているのに、ある人は端末をあらわすのに使っている。
どんなになじみがある人でも、これでは意味不明。

こういうのって、自分ひとりでレポート書いてるときでも、ふとやってしまうので、必ずチェック。

・・・こんなものかなあ・・・

また、この1週間、論文準備で英文読みまくり・書きまくりの日々が続く予定なので、また思い立ったら書きます。

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英語力が無い人が発言するために-MBAで良い発言を増やすには

2009-11-27 05:58:40 | 6. 英語論・英語学習

この前、どうやってケースを速読するか、を書いたので、今度はどうやってアウトプット(発言)するか。

私は、職業柄なのか、性格なのか、英語も出来ないくせに、MBAの授業中は頻繁に発言する。
まあ、英語がうまく出て来ず、その結果イイタイコトが伝わらず、たいした発言にならないことも未だに多々あるが、
うまく論旨が通って、先生に素晴らしいと評価され、クラスメートにすごいね、と言われた経験も多々ある。

MBA初期の頃は、価値のある発言:ダメ発言(通じない含む)=2:8くらいだったが、最近は6:4くらいに進歩してきた、と思う。
せめて、8:2くらいになって卒業したいね(笑)。

さて、「発言が出来ない」と悩み、解決できていない人の理由は主に次のようなものじゃないかと思う。
a) リスニング。先生・クラスが言ってる内容が全部聞き取れないので、正しい発言内容が出てこない
b) 発言のタイミングがつかめない。考えてたことを他の人に言われてしまい、Build upするのが難しい
c) 授業のテンポに合わせて速く考えられない、すぐにアイディアが出てこない
d) 恥ずかしい。うまく言えない、恥をかくかもかもしれない、と思うと手を上げそびれる

正直、この問題設定を正攻法で解こうとするのは大変だ。
a) リスニング能力を上げる
b) タイミングを理解する、すなわちアメリカ人のビジネス文化、コンテクスト(文脈)を理解する
c) 英語で速く考えられるようにする
d) 性格を変える(笑)。 授業前に酒を飲む(冗談です)
こんなの、どれも非常に時間がかかる話で、解決できないのは当然である。
まさに、解けない問題を解こうとしている良い例だ。

リスニング能力や英語で速く考えられるに越したことは無い。
でも、実際にはそんなことしなくても、意味のある発言は出来るはずだ、と私は思う。

意味のある発言とは、どのような能力から生まれるのか?
基本的には次の2つしかない、と思う。

1) 相手が知らない知識・ファクトを知っており、それに基づいて質問に答えられる
2) 同じ知識・ファクトから、相手が考え付かなかった意味合い・インサイトが出せる

この二つがあれば、リスニング力が多少劣ろうとも、英語力が多少無くとも、意味のある発言が常に出来るはずだ。
すなわち、発言できないのは英語力じゃなくて、中身の問題じゃないかと。

更に、中身はちゃんと準備すれば絶対につけられるものだ、と私は思ってる。
昔書いた英語就活準備と同じで英語力が無いものにとっては、1にも2にも準備が大事なのだ。
(そのために時間が必要だから、
ケース読むのに時間かけてるのは馬鹿馬鹿しい、と思うのだ)

1) 相手が知らない知識・ファクトを知っておく

知識を披露するだけの発言はウザイ。
私も、知識は本来インサイトを出すためのものだと思う。
しかし、最初のうちは知識だけでも、何も発言できないよりはいいだろう、と思っている。
それに発言の仕方によっては、知識なのに、インサイトに見えるように発言できる。

このパターンの典型が「お国の事例を紹介する」というやつなのだが、以前も書いたとおり、正直MBAのクラスで、日本の事例を話すことを求められるのは余り無い。
相対的に日本への注目度は下がってきているからだ。

それに、企業がグローバル化してる今、業界の軸やマーケティング・テクノロジーなどの機能軸の知識の方が、誰にとっても重要になってきている。
かといって、自分の業界のことしか話せなかったら、発言の幅は非常に狭まるだろう。

MBAの他の学生をOutsmartするためには、それなりの準備が必要だ。
発言のためだけじゃなく、自分が理解を深めるために非常に役に立つ。

この準備のコツは、「ケースに全くかかれてないことを知っておく」こと。

・(時間軸)ケース事例・会社について「その後」の最新のニュースを知っておく
授業で使われるビジネスケースは、既成のケース商品の場合、最新でも2年前のものだ。
だから、クラスでも「その後どうなったか」「どうすべきだったか」というのが語られる。
例えば、新規に始めた事業が成功したのか、M&Aがどうなったか、組織変革がどうなったか、など。

ネット上に、大量のWeb記事が落ちていて、簡単に調べられるんだから、チェックしておかない手は無い。
「その後」を知るだけでなく、何故その方向に行ったのか、それに対し業界人・専門家はどう見てるか、を調べておく。

発言に生かすときは、「その後こうなった」と披露するのではなく、「何故か」「正しかったか」ということにフォーカスして発言すること。

・(3C軸)その業界の有力プレーヤーや代替技術・商品、顧客ニーズについて知っておく
ケースに、業界の他のプレーヤーや技術を紹介してある場合は、わざわざ調べる必要は無い。
ところが、その企業の事例にフォーカスして、他のプレーヤーや技術などに全く触れてない場合がある。
市場ニーズについて想像しやすい消費者向け商品ならともかく、B2Bなのに市場の反応・ニーズが書いてない場合もある。
こういう場合は、100%クラスの議論でそれが肝になってくると考えていい。

ネイティブも含めて、「ケース」という目先の事例に捕われて議論が進む中、一歩引いて、本当にそこで議論されている方法が、この企業にとってベストなのか、を考える。
そのためには、自社だけでなく、競合や市場・顧客を知る必要がある。
いわゆる3C(Company, Competitor, Customer)で考える意味がここで出てくるのだ。

発言に生かす場合は、
-当時はこういう代替技術があった。それに比べて劣っていたのが、この製品がうまくいかなかった理由のひとつじゃないか。
-実際には顧客はこういうニーズを持っていたんじゃないか?だとしたらそもそもこの商品自体、ニーズにこたえてないのが問題じゃないか。
のように使う。

・(バリューチェーン軸)その業界の周囲の業界の変化を知っておく
この話は2)に書くFive Forcesに強く関係するが、企業はその業界のみと戦ってるわけじゃない。
特に、業界構造が変化する場合、サプライヤーやバイヤーとの力関係が変化することで、その企業の戦略が大きく変化する。

具体的には、技術の変化により、サプライヤーがより技術を持つようになり、力を失うケース。
バイヤーが巨大なBuying powerを持つようになり、力を失うケースなど。

こういう視点は通常ケースでは与えられてないので、これも発言に生かせば、あたかもインサイトを与えているように話せるだろう。

他にもあるが、だいたい知識として知っておいたほうが良いのはこのあたりだろう。
私も授業の準備にいつもここまで綿密にやってるわけではないが、時間軸、3C、バリューチェーンで自分の知ってる知識を整理しておくくらいはやる。
それだけで、発言は大分しやすくなる。

2) 知識・ファクトから他の人に無いインサイトを出す

インサイトとは、他の人が気がつかない、正しい論点に対する、正しい解のこと、だと思う。
知識の収集を上に書いた方法でやれば、それだけでもそれなりのインサイトが出てくるとは思う。
が、ここではそれ以上のインサイトを出すために、やるべき優先順位が高い順に書きます。

1.正しい論点を出し、仮説を用意しておく
以前の「ケース速読法」で書いたが、まずは論点は何か、と解くべき問題をしっかり認識しておくのが重要。
何が論点になるかは、先生の好みや教えたいことによって変わるので、いくつか自分なりの論点を準備しておく。
テストで山を張るのに似ている(笑)

この論点に対する答えは、仮設を立て、ちゃんとケース内の事例で検証・補強しておく。

いくつか準備しておけば、必ずその中のどれかはクラスで議論になったりする。
または、議論にならなくても、自分が重要な論点だと思えば、質問の形でクラスに投げかければよい。

論点を認識するのは、発言する、という目的だけでなく、その授業での学びを最大限にするために非常に重要だ。

2.フレームワークを活用して分析する
フレームワークを活用してその業界・企業を見ると、色んなことが見えてくる。
コンサルタントが、知らない業界を最初に見るときにフレームワークを活用するのはそのためである。
ただし、フレームワークを知ってることは何のとりえにもならない。
論点をしっかり認識してるのが大切。

S-curve:詳しい使いかたは、以前のエントリ「どの事業に参入すべきか超簡単に見極める方法」に書いたのでそちらを参照。
新規事業や事業の整理、M&Aなどの場合に、「その事業は本当に今から参入する・力を入れる余地があるのか」という論点に答える際に有効。
または、組織変革の際、「どのような組織にすべきか」「どのような人材を登用すべきか」に対して、事業の成熟度が重要になってくるので、これにも有効。
(簡単に言うと、未熟→フラットな組織。クリエイティブ。成熟→コスト重視。正確な管理。製品の多様化に対応できる組織)

Five Forces:マイケル・ポーターのFive Forces。
このフレームワークはMBAにいる人でも誤解して、過大評価したり過小評価してる人が多くて腹が立つので(笑)、いずれ詳しく記事にします。

ポイントは、業界の構造変化があって、力の源泉が移動する場合に使う。
「以前その企業が持っていた力は何が源泉だったのか?」
「今、誰にその力を奪われているのか?」
「その力をどうやって奪い返せばいいのか?」
という論点に答えるために使う。

他にも、Marketingの4Pとか組織の7Sとか、Growth-Share matrixとか、いろいろあるし、戦略論の授業なんかでも色々習うと思う。
習ったフレームワークを使うほうが、チームやクラスで議論するときも通じるので、私はそうすべきだと思う。
何度も書くが、どの論点に答えるための分析なのか、を認識するのが一番重要

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「クラスで発言をする」ということだけを考えた場合、こういう広い視野や知識を持ってると、
リスニングに問題があっても、タイミングに問題があっても、必ずどこかで自分の意見を言う機会に恵まれるはずだ。

それに、自分に自信を持てるだろう。それだけでも英語力で萎縮することは無くなる。

大切なのは、発言することじゃなくて、発言を目的としてこうやって勉強・分析することで、自分の確かな知識になっていくこと
そして、こうやって発言するうちに、英語で考える力や文脈を判断する力など、本当の英語力がついてくること

と、色々エラソーに書いたけど(笑)、私もまだまだ発展途上で、常に努力してるところ。
「他にもこういうコツがある」という方は是非是非教えてください。

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英語論文・新聞・ケースの速読法

2009-11-23 12:40:55 | 6. 英語論・英語学習

ちょっと観光系の記事が続いたので、閑話休題ってことで。

MBAに来ると、授業の準備のために大量に英語のケースだの本を読まないとならないが、
これに相当の時間を取られてる人が多いようなので、私の方法が役に立てばと思って書いてみることに。
MBA開始直後から、
100Kビジネスコンテスト運営など課外活動が多かった私は、授業のケース準備なんて短時間しかかけられなかった。
もともと日本語を読むのは速いので、その方法を生かしつつ、その間に身につけた方法だ。
一応私ドメドメ(MBA前に留学経験などは一切無し)だから、英語力がないと使えない方法、では無いと思う。

ここではビジネスケースの速読法を書いてみます。
(英語論文(文系)も基本的には同じ。新聞の場合は「何が書いてあるか」で論点、みたいな面倒なことは考えなくてよい)

例えばハーバードで出してるビジネスケース。
A4サイズで文章部分が7-15ページあるもの。
人によっては2時間かけて読むと聞いたが、私は30分以上かけたことは恐らく無い。
ケースを読むのが速ければ、ケースの分析に時間を使えるわけで、授業中もより積極的に貢献出来ると思う。

読み方のコツは以下。

0.アウトプット思考で読み、絶対に全文読まないこと(心がけ)

ケースは小説ではないので、全文読むことに全く意味は無い。
常に自分が出すアウトプットを意識して読むこと。

ケースの場合は、
「そのケースで論じてる論点を3,4行くらいで論じる」
「その論点を具体的な情報で補強する」
の2点がアウトプットで、それに関係ないことを読むのは時間の無駄になる。

「アウトプットに関係ないことは読まない」と常に意識するだけで、読むのが遅いなあ、と思ってる人は、かなり早くなると思います。

具体的にはこんな感じ。

1.仮説思考で論点をクリアに(5分)

そのケースから何の情報が得られれば良いのか、何が論点で、答えは何か、ということをまず考える。

まずはタイトルを読み、最初の概要を読む。
それからケースをぱらぱらとめくり、パラグラフのタイトルを読み、問題が書いてありそうなところを探す。
業界の転機になるところや、
主人公や会社の悩みなどが書いてあるところが、読むべきところだ。
で、そこだけを読む。
そうすれば、何が論点になるのか、何が問題なのか、ということが分かるはずだ。

論点と言うのは例えば、
・シリアル業界では長年ケロッグなどインカンバントが独占で高い利益を得ていた。何故それが可能だったか?
・最近新規参入が増えてシェアを取られるようになってきた。何故か?(シリアルのケース)
・Googleは2005年にAOLを買収した。何故買収する必要があったのか?
・買収はベストの戦略だったか?(Googleのケース)
と言ったレベルで出す。

ひとつのケースに対して、論点は3-4個あると思う。

ひとつでも論点が出るまで、絶対に「最初から読む」ということをやらないのがコツ。
この作業は最初は時間がかかるが、これをやると読むのが非常に早くなる。
「必要な情報が何か」が分かるからだ。
慣れると、2,3分もかからないで出来るようになる。

論点は、ノートなどに自分の仮説とともに書き出しておくのが良い。

2.論点に対して情報になるところを探す。キーワードまたは各パラグラフの最初の一行だけ読む(10分)

次に、その論点について情報になると思うところだけを探して読む。
情報にならないところは、全く読まないのがコツである。

じゃあ、どうやってその情報を探すか、ということだが、
理想的には流し読み-「キーワード」を探して、チェックしておく-というのが出来るといいが、そんなのいきなりは出来ないと思うので私のオススメはこれ。

各パラグラフの最初の一文だけ読む。

ケースのように、文章構成がしっかりした英文は、パラグラフの最初の文にそのパラグラフの結論や重要な情報が書いてある。
よってパラグラフの最初の一文だけ読むだけで、内容が頭に入るはずだ。
だまされたと思ってやってみてください。

まずは、一文目だけ読み、二文目からは無視するやり方で、全体に目を通し、
役に立ちそうなところだけ後で読むべくチェックを入れておく。
最初の一文だけで、そのパラグラフが論点に役に立つのか、立たないのかは判定できるはず。

また、この時点で、自分が1で立てた論点が正しいかどうかの判定が出来るはず。
間違っていたら修正をしておく。

図表を先に読む

情報収集をする際、英文を読むより、図表を読んだ方が速い場合がある。
その場合は、付録についてる図表に先に行って、読む方が良い。
追加の論点がここに隠れている場合もある。

3.めぼしをつけたところを読んで、情報を収集する(10-15分)

最後に、チェックしておいたキーワード周辺や、パラグラフ、図表だけをしっかり読んで分析し、論点に対して情報を補強する。
ノートに、どの論点への答えなのか、サポートする情報なのか、を書き出していく。

おまけ
・辞書はなるべく使わない。出来るだけ単語の意味は予測する(辞書を使うと時間取られる)
・とにかくこの方法で大量に読み、慣れる
・自分で時間制限を課して読む(じゃないと本気にならない)

これは、英語の論文や新聞を読む場合でも全く原則は同じで、
・仮説思考で「何が書いてあるか」めぼしをつけながら読む
・アウトプット思考で、論点だけを拾い出し、それ以外の情報は読まない
という癖をつけていくと、読むのが圧倒的に速くなると思います。

まあ、速く読めたからなんだ、って話もありますが、
どうしても時間が2時間しかないときに、ケース3本読まないといけないときなどに役に立つし。

第一授業の論点なんて、ケースの論点以上のところで行われるわけで、ケースなんかは30分以内で効率的に読みきっちゃったほうが、どんな場合だって良いはず。
そして、ケース以外の、ネットや本での情報収集や、自分自身がAdd-Valueできる分析に時間をかけたほうがいいわけです。

別に人生を行き急ぐわけじゃないですが、
人生には、どうしても何かをしないとならない瞬間と言うのがあるわけで、
そういうときに速読法というのは何かの役に立つと思うわけです。

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英語で固有名詞や専門用語が通じなくて苦労したことってありません?

2009-10-09 17:37:15 | 6. 英語論・英語学習

私はたくさんあります。
数え切れないほど。

昨日、ノーベル化学賞の記事を書いていて、
「あ、そうそうリボソームって、アメリカじゃ「ライボソウム」って言わないと通じないんだよね」
と思い出す。
もちろん、スペイン語やイタリア語の人なら、「Ribosome」は「リボソメ」とか発音するだろうから、
まあこれはアメリカ人との発音の違いだ、と言っちゃってもいいんだけど・・・。

ただ、それ以外にも、学術用語や固有名詞を、どういうわけか、日本人は色々と日本風にアレンジして、名前を変えてしまったり、カタカナにしたり、通じない和製英語を作ったり・・・
もちろん、中には歴史的に、海外から取り入れようと苦労した痕跡が見えるものもあり、日本人の創造性の表れといってもいいのだけど・・・単に日本語発音のため、というのがあるからね。

英語が世界の共通語となった現代人に何かと苦労を残しております。

分類すると、日本人の話す用語や固有名詞が通じないが軽い順に次の4つがあるように思う。
1) 正しい英語を、日本人がローマ字読みしているために、通じない
2) 元が英語ではないもので、日本人は元の言語から引っ張っているため(そちらが正しいとも言える)、それが英語と異なっており、通じない
3) 日本人が勝手に和製英語を作ってしまったために通じない
4) 日本語訳が完全に意訳になっているために通じない

1) はいわゆる「マクドナルドはマッドーノーといわないと通じない」てやなつ。
英語のつづりを、日本人がローマ字読みした上、更に母音が無いところに母音を足しちゃったりするので、全く通じない。

「リボソーム」もそうで、i や y を日本人は「イ」と読むが、アメリカ人は「アイ」と読むし、
o を日本人は「オ」と読むけど、アメリカ人は「オウ」と読むんで通じない。
「エチルアルコール」は「エタイルアルコホール」、「セミコンダクター」は「セマイコンダクター」だし。
国際基準では、アメリカ人の読み方の方がマイノリティなのだが、科学やビジネスではこの人たちがドミナントだからね・・・

まあ、でもそんなのはまだ良くて、固有名詞が通じなくて悲しい思いをしたことは沢山ある。
私なんて、「フルブライト奨学生です」と言うのが通じなくて何度言わされたことか・・・

人物名だと、ケネディとかブッシュとかオバマとかは絶対通じる。
でも、パウエル(パウウェル)とかオルブライト(LとRが問題)とか意外と通じなくて、何度も言わされたりする。

国名ではスウェーデン(スウィードゥン)とかね・・・。

2) は、国名とか歴史上の人物とかに多いよねぇ。
私が一番悲しい思いをしたのは「カール大帝」かなぁ。

大学生のとき、ドイツの研究所でインターンをさせてもらったのが私の初めての海外経験。
そのとき、一緒にインターンしていた他国の学生たちと皆で博物館に行くことになった。
一人のインド人が私に「博物館は今はシャルルマーニュの展示をしているらしいよ」と話しかけてきた。
私はシャルルマーニュが分からなくて、思わず「シャルルマーニュって何?」と聞き返してしまう。

「えー何で知らないのー?有名じゃない。歴史でやらなかった?」と言われて、
「そんなのやったかなあ?」と思ってたら、
「日本人は、余り世界の歴史はやらないんだね。」とインド人に言われてしまう。
私が一人知らないだけで、日本人がバカみたいに言われるのは嫌だなあ、と思ったが、そのまま博物館へ。
博物館に行ったところ、シャルルマーニュはカール大帝のことだと判明。
知ってるよ!と思ったが、もう遅い。

日本語の「カール大帝」はドイツ語のKarl der Grosse を直訳しているんだよね。
インド人など英語圏の人は、フランス語のCharlemagneで習うわけだ。
まあ、大学受験でちゃんと世界史をやる人なら習うのかもしれないけど。
あるいは、今みたいにワインに詳しかったら良かったんだけど、ね。

同じ系統では、エカテリーナ女王(キャスリーン)、エンリケ航海王子(ヘンリー・ザ・ナビゲーター)、アンリ(ヘンリー)、なんてのもある。
ホントに通じないので、身近に(それなりに知的な)アメリカ人がいる人はやってみましょう。
「はぁ?誰?」と言われて、めちゃくちゃ悲しいです。

日本語の方が、原語の発音や文法に忠実なわけで、寧ろエカチェリーナを「Catherine」と教える英語圏教育っておかしくないか(つづりも違うし)、と思うが、英語が世界の共通語になった今は仕方が無いのか?

それから、中国人や韓国人の人名。
これは、日本語読みしてるのは、世界でも日本人だけだからね・・・。
毛沢東は「マオ・ツォー・トン」と言わないと、世界で通じない。
このあたりも、歴史談義をしているとき、「人名をなんと発音すればわからなくて」話せなかったことが多々ある。
頭の中のある、膨大な中国の歴史人物データが、英語じゃ全部使えないんだもんなぁ、と思うと悲しい。

追記(2010/04/20):ちなみに「レヴィ・ストロース」は、英語だと「リーヴァイ・ストラウス」になるようです。
フランスの構造主義が、アメリカに行くと労働者のジーンズに!
@dankogaiさんの指摘によると「リュードベリ定数」のRydbergは「ライドバーグ」になるそうな。

3) 和製英語は、いろんな分野にあるけど、日本人が一番通じなくて恥ずかしい思いをするのは、野球用語じゃないか、と思う。
「ナイター」(正しくはNight Game)が通じないのは有名な話だけど、「ツーベースヒット」とか、無駄に英語になっているものを何とかしたい。
(ヒットはSingle、二塁打はDouble、三塁打はTriple、と呼ぶ)

この辺は、インターネット上にまとめサイトが沢山あります。
これとかこれなどがお勧め。

ビジネスの現場で、日本人が良く使うが、恐らくガイジンにはちゃんと通じていない英語ナンバーワンは、最近では「コンプライアンス」だと思いますね~。
(Regulatory complianceと言わないと通じない。)

4) 完全に意訳されて全く違う名前になっていると、英語に直すことも出来ないので、困るんだよね。
映画や小説のタイトルなどに多いかなあ・・・

最近だと、「ナイロビの蜂」が全然通じなくて、悲しかった。
好きな小説なのに。
調べたら、英語の原題はThe Constant Gardnerなんだもの・・・

これからは、好きな映画や小説は、原題も含めて覚えないとダメだな~、と心に誓った。

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アメリカの大学の語学教育

2009-10-03 00:54:33 | 6. 英語論・英語学習

風邪のほうは大分よくなってきてます。
ブログを読んだNちゃんが手作りのおにぎりとスープを、MKさんが葛根湯を持ってきてくれた。
みんなありがとう。
病み上がりなので、まだおそとには出ないで、おうちでおべんきょうしてます。

ちょっと良くなってきたので、調子に乗ってベッドから起き上がり、たまったスペイン語をやる。
水曜日のテストは散々だったけど(涙)、最近頑張ってるせいか、感覚的にわかるようになってきた。

今学期、スペイン語を受講し始めて感じるのは、アメリカの大学の語学教育ってすごい、ってことだ。
これってフルブライトで他大学に行った友人たちの話を聞く限り、MITに限ったことではない。
これなら、どんなに語学の才能が無い私でも、ちゃんとやれば、今学期が終わる頃にはかなりしゃべれるようになるに違いない。

第一に、授業の数が圧倒的に多い。
例えば、MITの語学クラスの場合、1コマ1時間、という短時間ながら、週に4コマも入っている。
文字通り、毎日しゃべっている感じだ。
語学はとにかく毎日やらなければ、身に付かないというが、毎日クラスがあれば強制的に毎日やらざるを得ない。

第二に、クラスが少人数でスピーキング重視。
MITの語学のクラスはもともと一クラス20人しか受け入れない方針。
それが、時を経るごとにだんだん脱落していくので、現在は15人くらいしかいない。
これって他の大学で語学を専攻してる人に聞いてもそうで、中には20人のクラスに先生が二人付いたりする大学もあるそうだ。

少人数の何が良いかというと、1時間しかない授業の中で、必ず2回は当たるんだよね。
とにかく、しゃべらされる、というのは大きい。
そうすると、出来ようが、出来まいが、強制的に覚えさせられることになる。

それから、わからない~、という顔をしていると、先生がすぐに気が付いてもう一度解説してくれたりする。
一人一人に目が届く教育って、こういうことか、と思う。

第三に-これが一番大きい気もするが-とにかく課題の量が多い。

私のクラスの場合、テキストと別にこの2冊の教材が宿題として存在。

左のほうは、ワークブックで、ドリルみたいな感じ。

問題のレベルは難しくも何とも無く、ひたすら練習、と言う感じ。
やったことないけど、公文みたいな感じなのでは?
こんな感じのものが、1日で5-7ページくらいが宿題となる。
1週間で20-30ページ、って感じ。

ただ、教材としては右の「ラボラトリー・ブック」の方がすごい。
これは実はリスニング教材で、ネットから音声のMP3をダウンロードして、それを聞きながら進める。
量は1日分が3ページくらいだが、真面目にやるとこれだけで1時間以上かかる。

というわけで、とにかくものすごい量の課題なのでした。
しかも毎日少しずつやらないと、とにかくたまっていくばかりだから、毎日やらざるを得ない。
それも、文法、リスニング、ライティング、スピーキングのオールラウンド。

これだけやって、出来んわけないやろ・・・

以上、アメリカの大学の語学教育はすごいよ、って話でした。

翻ってみるに、日本の語学教育ってどうなんだろ。
中学・高校・大学と、ここまでインテンシブにやってくれるとこってありますかね?
英会話教室ですら、こんなことやらないんじゃないか。

中には素晴らしい語学教育を受けられた方もいるかもしれないが、
私は日本の語学教育にいい思い出は余り無い。

もっとも、アメリカ人に言わせると、アメリカの高校の語学教育はダメらしい。。
友人のJoなんかは、「俺は高校でスペイン語は2年間やったけど、全くしゃべれない」とか言ってる。
どんなにひどいのかは具体的には知らないが・・・
そんな彼は学部は一応、無く子も黙るハーバード大学。
大学受験に語学が関係ないから真面目にやってないってのもあるだろうけど、そんな人でもしゃべれるようにならない語学教育ってやっぱりダメなのかも。

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子犬の歯が生えることを英語で

2009-09-23 20:38:36 | 6. 英語論・英語学習

間違って徹夜してしまった-うーん、眠い。
ついでに更新。

昨日の記事でYEが日本語で「あの子犬はかわいいです」と言ってた、と書いたけど、その子犬がこれ。

日曜に、京都・ボストン姉妹都市記念とかで「能」をやっていて、それをYEと二人で見に行ったとき、行く途中でこの子に会いました。

まだ生後2ヶ月なんだって。
オス。

弱弱しそうな顔で、きゅぅーん、って鳴くの。
かわいい。

「引っ張らないで!僕はここにいたいの。」

「はなちて!僕はこっちに行きたいの!」

でこの子とじゃれていたら、この子が私のひざに上がってきて、私のペンダントをガチって噛んでしまい、離さなくなってしまった。
飼い主さんがあわてて、頭をパンと叩くと、聞き分けが良い子で、離してくれた。

そのときに飼い主のおばちゃんが、「He is teething now」と言う。
だから、痒くていろんなものを手当たり次第にかんでしまうのだそうだ。

それで、あ、「歯が生える」ってTeethingって言うんだ、と知った。
家に帰って調べてみたら、動詞として使われる、というよりは、Teethingという現在分詞(って言うんだっけ?)として形容詞的に使われるそうだ。
子供に乳歯が生えたり、歯が生え変わったりすることも、Teethingというらしい。

ふうん。
こうやって町行く人と英語で触れ合うと、新しい発見があって勉強になるね・・・

で、この仔犬、名前は何?と聞いたら、Winston なんだけど、飼い主のおばちゃんの名前がChurchill(チャーチル)だから、ウィンストン・チャーチルだって。
じゃあイギリスの首相にあやかったの?と聞いたら、
「つけたときは、何となく聞いたことがあるような気がしてつけたんだけど、考えたらイギリスの首相の名前だったのよね」
という。
まるで、自分の苗字が吉田なのに、何となくゴロがいいから仔犬に「シゲル」って付けたら、実は吉田茂と同名になってしまった、っていう感じ?

かなり天然入ってるなー。自分の苗字なのに・・・

それにしても、可愛い仔犬ちゃんで、とっても癒されました。

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語学の才能

2009-09-23 06:18:20 | 6. 英語論・英語学習

スペイン語のクラスが3週目に入ったが、早くも落ちこぼれ気味である。
やっぱり、まじめに予復習して、勉強しないと。
なめてちゃダメだ。

一方で、ルームメートのYEは、日本語のクラスを取っているのだが、彼女の進歩は目覚しい。
同じペースで授業を取ってるはずなのに、何であんなにしゃべれるようになるのか。
週末に一緒に出かけたときも、「あの犬はかわいいです」とか「今日は面白かったです」とか言ってくる。
一緒に暮らしてるから、彼女の日本語はクラスでの勉強だけ、というのは知っている。
それなのに何でこんな短期間に過去形までマスターしてるのか、驚いた。

語学って、才能ってあるよなー、と思う。
いや、自分が出来ないことの言い訳ではなく。

高校時代まで、自分の英語が出来ないのは、努力が足りないのだと思っていた。
女子高で、周りにまじめな子が多かったので、みんな英語も良く勉強していたし、私も頑張った。
NHKの英会話やビジネス英語を毎日聞いたり、FEN(ラジオの米軍極東放送)を聞くようにしたり、毎日何らかの英文を読むようにしたり、まあ色々やった。
大学に入ってからも、英文雑誌のTimeを講読して、暇さえあれば読んでいたり、英語習得にかけた時間は英文科の人並みに長いんじゃないかと思う。
しかし、全然うまくはならなかった。

その後、物理学科に進学したところ、そこにはなぜか語学の天才がたくさんいて、語学ってのは、才能もあるんだ、とようやく気が付いた。

例えば学科の同期に、ものすごく英語がうまい人がいた。
彼は私と同じく、一度も留学経験などはないが、帰国子女かと思えるほどに英語がぺらぺらだった。
どこで勉強していたのか、と聞くと、「高校時代から、FEN(米軍放送)を良く聞いてた」だけだという。
彼がまじめに勉強するタイプでも、陰で努力するタイプでもないことは、友達づきあいして良く知ってたので、「FENを聞いてただけ」というのは本当だと思う。
でも、そんなもの私も高校時代から一生懸命聞いていたわけで、それだけであんなにうまくなるってのは、「才能」があるんだろう。
小さい子供は、大人よりも語学の吸収力が大きいが、その能力をそのまま持って大人になってるんじゃないか、と感じた。

わたしはその後、外資系の会社に勤め、海外でプロジェクトをやったり、こうしてアメリカ留学までして英語に触れているが、まだ当時の彼ほどしゃべれるとは思えない。

こんな人もいた。
私の大学は2年生までは専門教育をやらないので、好きな授業がとれたが、その人はそこで取れる語学の授業を全てとって、8ヶ国語もマスターしていた。
それも、初歩レベルではなく、流暢にしゃべれるレベルまで到達していた。
学校に来たギリシャからの訪問者と、普通にギリシャ語で会話していたりした。

そういう人って、「語学」に含まれるかはわからないが、プログラミング「言語」も得意で、天才的なプログラミング能力を発揮したりするらしい。
で、その人は在学中から某ソフトウェア会社に注目されていて、卒業後はそこに移っていった。

彼らを観察していると、中には数学が全く出来ない人もいて、物理学すら語学的な才能を駆使してやっているように見えた。
例えば、同じ量子力学の方程式を見ても、私は図形的に捉えて理解するのだが、彼らはアルゴリズム的にとらえて、言語と同じように理解していた。
語学の才能も極まると、量子力学を理解するまで来るのか、と感動だった。

そんな天才たちと比べて出来ないのは当然としても、私は人並みにも語学の才能が無いほうなので、人並み以上の努力が必要なのであった。
多分人の2倍くらい努力して、漸く人並みに進化する、という程度だろう。

一緒にMIT Sloanに来た留学生たちと比べても、留学当初は私は英語はまあまあ出来るほう、だったと思うが、今は周りの進化が目覚しく、何ともいえない。
同じ時間を過ごしているはずなのに、ね。

それに、最近は記憶力も衰えてきて、覚えたはずの単語がどんどん抜け落ちていく。

そんなわけで、スペイン語もちゃんとやらないと、落ちこぼれるのは当たり前なのであった。
頑張ろう・・・
(英語もね)

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はじめてのスペイン語

2009-09-10 01:50:51 | 6. 英語論・英語学習

いやー、学校が始まったら全然更新する時間が無いです・・・
コメントもいただいてるけど、こちらはあとでちゃんと返信書きます。

ルームメートのYEちゃんも、韓国から帰ってきて、ルームシェア生活が始まってます。
こちらはとっても楽しい。
韓国のラーメンとか作ってくれるんだけど、美味しいです。
(私も昨日はご飯を炊いたよ。YEは「コシヒカリ~」とか言って喜んでました。韓国人にもコシヒカリは人気らしい)

今日は、はじめてのスペイン語のクラスに行ってきました!

何で、英語もままなってないのに、スペイン語?と思われるかもしれないが、
・アメリカはスペイン語圏の国が色々近いから、旅行のときに役立つ!
・何より自分のMBAの友人にスペイン語圏の人が多くて(スペイン人のMariaとか、アルゼンチン人のIngridとか)、ラテン系パーティによく招待されるし
・アメリカに住んでると、いろんなものが英語とスペイン語の2ヶ国語表記なので、習ってれば触れる機会も多いし。ヒスパニックとかスペイン語しゃべる人が多いからね。
・そんなこともあって、スペイン語の教育に関しては、日本よりアメリカの方が充実してる
などの理由です。

初日の今日は、Hola!とかComo esta?とか、Mi llamo xxx (自己紹介)などの簡単なフレーズと、スペイン語の発音の基本。

スペイン語って、日本語と同じで、母音がアエイオウの5個しかないんだね!
知らなかった~。

英語だと同じ「ア」でもアとエの中間みたいな音も含めると、4種類くらいあって、いつも英語の先生に直されたりしていたけど、スペイン語だと「ア」は「ア」だけ。
いいね~、日本人フレンドリーですよ。

今日も先生に指されて「Aeropuerto(空港)」と言うのを発音したら、「おお、正しい発音だね!」といわれる。
いやー、発音がいいなんて言われたの、人生で初めてですよ~。

MITの語学の授業は、他にもフランス語、ドイツ語、日本語などが充実している。
一回の授業は1時間だけど、月~木まで毎日ある。
一クラスは20人くらい。それこそいろんな専攻から、いろんな国籍の人が参加していて、その人たちとお友達になれると思うだけでも面白い。

頑張ってスペイン語上達するぞ!
では、MBAの授業(こっちが本業)行ってきます。。

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宿題をやれ!?-Do your homework

2009-08-26 18:09:14 | 6. 英語論・英語学習

「Do your homework」という言葉を良く聞く。
文字通りには、「宿題をやれ」ってことなんだけど、「自分のやるべきことをやれ」という意味で使われる。
で、そこにはもう本来の、「宿題」という意味は無く、
完全に「Do your own business」という意味で使われてることを最近知った。

この言葉を一番最初に聞いたのは、アメリカに来てからで、1学期のMBAの組織論の授業のとき。
人と交渉するために、一番大切なのは何か、と言う話で、先生が「Do your homeworkだよ」と言っていた。
先生が、その前に説明してたのは、事前に「敵を知り、己を知る」じゃないけど、
相手のことを事前に良く調べておくのは、交渉時には大切だよ、という話をしていて、
それを先生は「Do your homework」と表現していたので、
「ふーん、相手を調べるってのは、宿題みたいなものだから、ちゃんとやっとけってことかな」
ってことかな、と思っていた。
(当たらずも遠からず)

シリコンバレートレックで、VMwareっていう、バーチャライゼーション(仮想化コンピューティング)では有名な大企業をたずねたときのこと。
学生の誰かが、バーチャライゼーションって何?と聞かれたのに対し、正確に答えていたので、
"Oh, you look you've done your homework" (おお、ちゃんと宿題はやってきたみたいだね)
と言われて評価が高かった。
要は、訪れる企業が何をやってるかくらいは調べておくのが宿題みたいなものなので、そう表現したのだと思っていた。

そんなわけで、何となく宿題と結びつけて考えていたのだけど、
日本語の「朝飯前」という言葉に、朝飯の意味が全く無いのと同じように、
Do your homework に「宿題」の意味が全く無い感覚で、アメリカ人が使ってる、
ってことがわかったのは、インターン先の上司が頻繁に使うから。

気になって
「Do your homeworkって、宿題みたいなものだから、ちゃんとやれって意味なのか?」
と聞いたら
「あー、確かに宿題って言葉は入ってるけど、単に自分のやるべきことをやれという意味だよ」
と言われた。

更に、日本人が英語の教科書でならう「Do your own business」は、
最近のアメリカ人は「自分のことをやれ」という意味では余り使わないらしい。
っていうか、「Do your own business」は、本当に自分の事業を始める、という意味で使われたりするらしい。
(ここがシリコンバレーだからか?)

がーん。
じゃあ、今まで私の頭の中でDo your own businessだったものは、今日からDo your own homeworkと言った方が、今風だということね。
とにかく、またしても、日本の教科書とのギャップ。
言葉は生きているのですね。

それにしても、ちょっとばかり、意味に違いがあるんじゃないかな、という気もしますが。

いずれにせよ、Do your homeworkも、Do your own businessも、ちょっと強い(Harsh)な言葉なので、使うときは気をつけたほうが良いらしいです。

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英語力が上がっても聞き取れない曲

2009-08-11 07:24:55 | 6. 英語論・英語学習

私は昨年MITに留学する前は、仕事で海外に放り出されたことが数回あるくらいの、いわゆる「ドメドメ」だったが、英語の勉強は結構頑張っていた。
勉強量に関しては相当やったと思うが、何年経ってもなかなか英語は上達しない。
洋楽も好きだったので、色々聞いていたが、聞き取れないものが数多く、
「こういう曲はそのうち英語力が上がってきたら、聞き取れるようになるのかな」とずっと思っていた。

留学して1年経ち、さぞかしリスニング力も上がっただろう、と思ったのだが、それでも「聞き取れない」曲というものが結構あることに最近気が付いた。
しかし、こういう曲っていうのは、いくらネイティブなみに英語力が上がっても、聞き取れないんじゃないだろうか?

中学2年生のとき、ラジオで洋楽を聞いていて、心に刺さった曲があり、すぐさま録音した曲がある。
Mike RenoのChasing the Angelsという曲だ。

ところがそのときはラジオだったし、曲名も、誰が歌っているのかも、良くわからない。
1年くらい、何度も何度も、カセットテープが擦り切れるくらい聞いたのだが、一部分しか英語が聞き取れない。
ただ、"restless night" "my blood" "my hands"
"cover of darkness"
"Going straight to heaven tonight"
など一部の単語は聞き取れたので、
中2の私でも、それが、若い男性の心の中、それも性的な隠喩も含めた興奮を歌った青春の曲なんだろうということは何となく分かった。

しかし、サビがよく聞こえない。
いくら頑張っても、
"Running -- boys run free, Running up to sky, チチミー チャァーン」
としか聞こえない。

それで、曲名もわからないまま、聞き取れる英語だけを歌って楽しんでいた。
そうして
、長いこと曲のタイトルも分からず、記憶の奥にしまわれていた。

それが、先週たまたま入ったレストランでこの曲がかかっており、"Running where the boys run free, Burning up to sky" と言ってるのが聞こえたので、
家に帰って、Googleで"Running where the boys run free" lylics で検索してみたところ、あの曲が出てきたのだ!
Mike Renoの"Chasing the Angels"。
80年代の有名な映画の映画音楽だったらしい。

20年近くかかって、ようやく好きだった曲のタイトルにめぐりあったのだった。
Google様、すごーい。

で、今度はYoutubeで検索。
ありましたよ→
http://www.youtube.com/watch?v=3g0I6wZxLLo

それで早速聞いてみたのだが、やっぱり昔と同じ箇所が聞き取れない。
サビのところで、
"Running where the boys run free. Burning up to sky. Chasing the Angels" と言っているのだが、
この"Chasing the Angels"という、肝心な歌のタイトルにもなっている部分が、
「チシミー チャァーン」としか聞こえないのである。

このサビが「チシミー チャァーン」としか聞き取れないせいで、
中学の頃、HMVやTower Recordsの店員さんに聞いても、タイトルがずっと分からなかったのに!
結局1年留学した今でも同じようにしか聞こえない。
(皆さんも上のYoutubeをクリックして聴いてみてくださいよ。そうとしか聞こえないから・・・)

考えてみれば、日本語の曲でも、何を言っているのか聞き取れない曲というのはあるわけだ。
実はそれは英語でも同じなんじゃないか、と最近ようやく思えるようになったのだった。
恐らく、ネイティブの人でも、結構聞き取れてなかったりするんじゃないか。

留学して何が良かったか、というとたくさんあるが、
日本にいたときに持っていたたくさんのコンプレックスが、一つ一つなくなっていく、というのも良かったと思う。

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「誇りに思っていいよ」

2009-02-24 16:40:43 | 6. 英語論・英語学習

春学期に入ってから、授業でチーム活動が増えたり、$100Kの活動が忙しくなったり、何かと一日中英語をしゃべってることが増えてきた。
おかげさまで、日によって差はあるものの、「あ、今日は結構流暢にしゃべてるじゃーん、わたし。」と思える日が増えてきた気がする。

逆に、日本語が変になってきてしまった。

英語でモノを考えることが多くなってくる
→普通に日本人としゃべってる時すら、日本語で考えられなくなってしまう
→英語で考えて、それを日本語訳して話す感じになってしまうから変な感じ
となるわけである。

特に経済とかこっちで英語ではじめて習った科目とか、英字新聞で仕入れた情報を話す時は、日本語の単語が出てこない。
かといって、英語でしゃべっても、よちよち歩きなのだ。

ただでさえ、まだ英語が不自由なのに、日本語まで不自由になってしまったらどうなるんじゃろう、私。
心配だ。

それから、英語の表現を日本語に訳したような変な日本語を使うようになってしまった。
代表的なのがこれ。

「誇りに思っていいよ」

よーく考えてみると、こんな日本語は無いと思うのだ。
自分の脳のどの辺りから出てきたのか、よくわからないんだが、どう考えても、"You should be proud of it" の直訳だと思う。

"You should be proud of it" というのは、何か相手に良い出来事があったり、誉めたいことがあったときによく使われる。
「それはすごいことだよ」「それは自慢していいことだよ」などと、その出来事が客観的に見てもすばらしいことだ、ということを伝える時に使う言葉だ。

例えば最近だと、サマーインターンのオファーをもらった云々という喜ばしい話が出ると、誰かが
"That's great. XXX is a great company. You should be proud of it!"
(それはすごい。XXXはすごくいい会社だよ。それはすごいことだよ)

それから私も最近、英語の指示がわかりやすくなってきた、と$100Kの秘書をやっているNancyにこういわれた。
"You're making a great progress. You should be proud of it!"
(最近よくがんばってるよ。すごいことだよ)

それから、チームプロジェクトが上手くいったときとか。
"We completed our project. You should be proud of it"
(プロジェクト完成!やったね、すごいよ!)

あまりにも良く出てくるので、自分も使うようになったのだが、問題はそれを頭で日本語に直訳してつかってしまうことである。

「やっぱりすごいねー。ファイナンスのことこんなに分かるなんて。誇りに思っていいよ。」
「XXXのオファーもらっておめでとう。誇りに思っていいよ。」

やっぱり何か変だよね。

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黒い羊の三つのおはなし

2009-02-11 17:46:12 | 6. 英語論・英語学習

Black Sheep(黒い羊)、というのは、英語では「一家の恥さらし・厄介者」という意味らしい。

以前スコットランドを旅行していたとき、羊の群れにたくさん出くわしたが、その中には黒い羊も結構いた。
一緒に旅行したJoが、私の運転する横で「Many Sheep!!」とか喜んでいた話を以前書いたが、ハーバードの生物出身の彼は、ちゃんと学問的な話もしてくれた。

羊の白い色は優性遺伝子なので、対になっている色を決める遺伝子のうちどちらかが白であれば、白い羊が生まれる。
ところが、まれに色を決める遺伝子が両方黒の交配になってしまうことがあり、黒い羊が生まれるのだという。
俗に言う、劣性遺伝というやつである。

自然の状態では、こういった劣性遺伝は殆どおこらないのだが、羊のように長年人間が家畜にしている動物だと、近親交配がずっと行われてしまう。
それで、こういう黒い羊がたくさん生まれてくることがあるそうだ。
とはいえ、黒いと羊毛が取れなくて困るので「厄介者」なのである。


秋学期に、大変面白いFinanceの授業をやってくれたAndrew Lo先生が、あるとき
" I was always a black sheep of my family.."
と言っていたのを覚えている。

先生のお父さんもお母さんも自然科学者で、お姉さんも生物化学の研究者で、お兄さんは数学者なのだという。
先生は末っ子。小さな頃はきかんぼうだったらしい。
そういう自然科学系の学者一家に生まれたなか、当時はまだ「トンデモ」な香りもしていた金融工学を選んだ彼は、「一家の恥さらし」扱いだったらしい。

そんな先生も、今はアメリカを代表する金融工学の研究者の一人。
敢えて黒い羊になって、大活躍できたのかもしれない。
まだ確立されておらず、どうなるかわからない分野に飛び込めたのは、しっかりものの長男・長女ではなく、小さい頃から「黒い羊」だったからかもしれないが。


MIT Sloanのそばに「Black Sheep」という名のレストランがある。
かわいい羊のロゴが特徴。結構おいしい。
Black Sheepの意味を知ってしまってからは、何でそんな名前(一家の恥さらし)つけたんだろう、と不思議だったが、
最近行くたびに、新しいメニューにチャレンジしているのを見て、実は料理の世界に革新をもたらす「黒い羊」になることを目指しているのかもしれない、と勝手に深読みしている。

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What's up?

2009-02-07 15:00:40 | 6. 英語論・英語学習

最近ようやく慣れてきたが、いまだに一瞬えっと思ってしまうのがこの言葉。

What's up?

NHKの続基礎英語(懐かしい・・・)とかで英語を勉強した私は、What's upと言われると、未だに「何かあったの?」「どうしたの?」「何の用?」という意味だと思ってしまう。
実際には、ボストンやニューヨーク、それから西海岸に住む若い人たちにとっては、これは、How are you ? と同じレベルの挨拶に過ぎないらしい。
しかも、こっちにいると、How are you以外の意味でWhat's up ?とかいわれることはあまり無いように思う。

でも、言われた瞬間はそうは思えない。

例えば、友人のDorotheeがとても良く使うのだが、彼女から電話がかかってくるたび「Hey, What's up?」とか言われる。
一瞬、「え、あなたが電話してきたんでしょ。
何の用って言われても・・・」とか思ってしまう。

最近は何とか「Good」とか「Not bad」とか間髪入れずに答えられるようにはなったものの、違和感はぬぐいきれない。
それがただの「How are you?」だとわかっていても、
なんとなくビクッとしてしまうのだ。

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英語で謙虚になるって難しい

2009-02-02 19:47:42 | 6. 英語論・英語学習

先々週くらいのニュースで恐縮だが、トヨタ自動車が現在52歳の創業者の孫、豊田章男氏を次期社長に任命した、というニュースがあった。

私がこっちで読んでる新聞、Financial Timesにも記事が出た。
http://www.ft.com/cms/s/0/fde596ee-e75c-11dd-aef2-0000779fd2ac.html

その最後のところに、記者会見のときの豊田章男氏のコメントが記載されている。
しかもこれが記事中で彼の唯一のコメントだ。

"I was born with the last name Toyota so I didn't have a choice [of career]," he said. "But I don't think of myself as just a banner for the company."

直訳するとこうなる。

「豊田という苗字で生まれた時点で、社長になる以外の選択肢は無かったんです。」と彼は言った。
「でも、私は単なる会社のバナー(看板)では無いと思っている。」

恐らく、豊田氏はとても謙虚な気持ちで、社長になる所信表明をされたんだと思う。

でも、英語に訳して、英語圏の人たちの気持ちになって読むと、「この人大丈夫か?」となるんじゃないかと。
まるで仕方なくて社長になるって感じに聞こえるし、会社の看板ではないって、そりゃ世界のトヨタの次期社長がそんなんじゃ困るでしょ、と思われてしまうのではないかと心配だ。

私のここ半年アメリカ人たちと一緒にすごした経験からだと、彼らは、こちらが謙虚で言ってることを「自信が無い」とすぐ誤解する傾向がある。
私がちょっとでも謙虚に出たりすると、「何故君はそういう自信のなさそうなことを言うんだ?君の強みは何なんだ」と問い詰められたりする。

だから、世界で最もエクセレント・カンパニーのトヨタ自動車のトップには、もっと自信に漲り、皆を安心させるようなコメントを求めることだろう。

ちなみに日本語の記事を探して読むと、彼は記者会見ではそれ以上のことも言っている。
たとえば「現場に一番近い社長でいたい」とか。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090120_38462.html
ただ、全体を通じて、謙虚な雰囲気であることは変わらない。

日本人が美徳だと思っている、謙虚さというものは、英語圏のアングロサクソンの人たちにはほとんど理解されないことが多いと思う
それは「自信がない」と受け止められ、リーダーシップ像からは程遠い、と思われてしまう。

グローバルリーダーともなると、日本語で意見を表明する時も、英語圏でどう取り上げられるかも意識して話さにゃならんのだろうね。
大変だ。

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