My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

語学の才能

2009-09-23 06:18:20 | 6. 英語論・英語学習

スペイン語のクラスが3週目に入ったが、早くも落ちこぼれ気味である。
やっぱり、まじめに予復習して、勉強しないと。
なめてちゃダメだ。

一方で、ルームメートのYEは、日本語のクラスを取っているのだが、彼女の進歩は目覚しい。
同じペースで授業を取ってるはずなのに、何であんなにしゃべれるようになるのか。
週末に一緒に出かけたときも、「あの犬はかわいいです」とか「今日は面白かったです」とか言ってくる。
一緒に暮らしてるから、彼女の日本語はクラスでの勉強だけ、というのは知っている。
それなのに何でこんな短期間に過去形までマスターしてるのか、驚いた。

語学って、才能ってあるよなー、と思う。
いや、自分が出来ないことの言い訳ではなく。

高校時代まで、自分の英語が出来ないのは、努力が足りないのだと思っていた。
女子高で、周りにまじめな子が多かったので、みんな英語も良く勉強していたし、私も頑張った。
NHKの英会話やビジネス英語を毎日聞いたり、FEN(ラジオの米軍極東放送)を聞くようにしたり、毎日何らかの英文を読むようにしたり、まあ色々やった。
大学に入ってからも、英文雑誌のTimeを講読して、暇さえあれば読んでいたり、英語習得にかけた時間は英文科の人並みに長いんじゃないかと思う。
しかし、全然うまくはならなかった。

その後、物理学科に進学したところ、そこにはなぜか語学の天才がたくさんいて、語学ってのは、才能もあるんだ、とようやく気が付いた。

例えば学科の同期に、ものすごく英語がうまい人がいた。
彼は私と同じく、一度も留学経験などはないが、帰国子女かと思えるほどに英語がぺらぺらだった。
どこで勉強していたのか、と聞くと、「高校時代から、FEN(米軍放送)を良く聞いてた」だけだという。
彼がまじめに勉強するタイプでも、陰で努力するタイプでもないことは、友達づきあいして良く知ってたので、「FENを聞いてただけ」というのは本当だと思う。
でも、そんなもの私も高校時代から一生懸命聞いていたわけで、それだけであんなにうまくなるってのは、「才能」があるんだろう。
小さい子供は、大人よりも語学の吸収力が大きいが、その能力をそのまま持って大人になってるんじゃないか、と感じた。

わたしはその後、外資系の会社に勤め、海外でプロジェクトをやったり、こうしてアメリカ留学までして英語に触れているが、まだ当時の彼ほどしゃべれるとは思えない。

こんな人もいた。
私の大学は2年生までは専門教育をやらないので、好きな授業がとれたが、その人はそこで取れる語学の授業を全てとって、8ヶ国語もマスターしていた。
それも、初歩レベルではなく、流暢にしゃべれるレベルまで到達していた。
学校に来たギリシャからの訪問者と、普通にギリシャ語で会話していたりした。

そういう人って、「語学」に含まれるかはわからないが、プログラミング「言語」も得意で、天才的なプログラミング能力を発揮したりするらしい。
で、その人は在学中から某ソフトウェア会社に注目されていて、卒業後はそこに移っていった。

彼らを観察していると、中には数学が全く出来ない人もいて、物理学すら語学的な才能を駆使してやっているように見えた。
例えば、同じ量子力学の方程式を見ても、私は図形的に捉えて理解するのだが、彼らはアルゴリズム的にとらえて、言語と同じように理解していた。
語学の才能も極まると、量子力学を理解するまで来るのか、と感動だった。

そんな天才たちと比べて出来ないのは当然としても、私は人並みにも語学の才能が無いほうなので、人並み以上の努力が必要なのであった。
多分人の2倍くらい努力して、漸く人並みに進化する、という程度だろう。

一緒にMIT Sloanに来た留学生たちと比べても、留学当初は私は英語はまあまあ出来るほう、だったと思うが、今は周りの進化が目覚しく、何ともいえない。
同じ時間を過ごしているはずなのに、ね。

それに、最近は記憶力も衰えてきて、覚えたはずの単語がどんどん抜け落ちていく。

そんなわけで、スペイン語もちゃんとやらないと、落ちこぼれるのは当たり前なのであった。
頑張ろう・・・
(英語もね)

←というわけで頑張ります。クリックで応援してくださいね!



最新の画像もっと見る

7 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (だいすけ)
2009-09-23 08:12:14
うわぁー。わかる。まったく同感。
返信する
向き不向き (Willy)
2009-09-23 10:00:35
痛いほどよく分かります。
自分が外国語に向いてないと思ったのは中3くらいw 高校の英語の授業はいつも進級点ぎりぎりでした。特にリスニングと発音の才能の差はいかんともしがたい。
返信する
Unknown (たーし)
2009-09-23 10:39:58
それ、結構わかります…。

僕の場合、なんか”勉強的な”語学は身に付いたような気になるんですけど、使えるような、コミュニケーション道具としての役に立つ語学は習得できないんですよね。

返信する
皆さんも苦労されてるんですね・・ (Lilac)
2009-09-23 19:24:36
>だいすけさま
コメントどうもです。
シルバーウィーク楽しみました?

>Willyさま
そうそう、私もリスニングはどんなに頑張ってもなかなか出来なくて。
そのうち「実は日本語のリスニングの才能も無い」ということにようやく気づきました。
人がしゃべってる間に、自分の考えが膨らんで、人の話を聞かなくなってしまうんですよ。
で、人がしゃべってる間は、理解に努めて、考えを膨らませない、という努力をしたら、英語のリスニング力も向上してきたという過去があります。

発音は、難しいですよ・・・
日本語に無い音ばかりですもんね、英語って。

>たーしさま
お、それは語学ができる人の発言と見た。
「役に立つ語学」は、場数を踏めば(苦労すれば)語学力が無くても割と出来るようになる気もします。
私も、この英語力で、よくアメリカでインターンなんかやってたなー、と思うんですが、度胸と経験だけで勝負した気がしますね。
返信する
Unknown (Willy)
2009-09-24 00:26:17
>人がしゃべってる間に、自分の考えが膨らんで、人の話を聞かなくなってしまう

www おんなじだ www
だって、自分で考えた方が楽しいしw
返信する
リスニング力 (Lilac)
2009-09-24 13:17:16
>www おんなじだ www
だって、自分で考えた方が楽しいしw

わたしはコンサルタントになってから、この癖が直りました。
人の話を聞いてちゃんと理解するのが仕事になったので。
そうしたら英語のリスニング力も上がったと。

というわけでリスニング力というのは、英語も日本語もないということですかね・・・
返信する
量子力学の方程式の理解の仕方 (かんちゃん)
2011-02-28 10:28:21
レアアースのブログを読んだのをきっかけに
twitter でもフォローさせていただいております。

> 同じ量子力学の方程式を見ても、
> 私は図形的に捉えて理解するのだが、
> 彼らはアルゴリズム的にとらえて、
> 言語と同じように理解していた。

↑に興味を持ちました。
私も大学時代、量子力学を学びましたが、
工学部なのでどちらかというと応用的な側面に興味が行きがちで、

1. エネルギーポテンシャルに基づき方程式を組み立てる。
2. 数学的な手法に基づき解析解を求める。
(ダメなら数値解を求める。)
3. 電子のいる場所の確率分布関数が求まる。

という一連の手続きを持って量子力学を理解した気になっていたのですが。

中には視覚的に理解したり、語学的に理解する人がいるんだ~と
理解の仕方にも多様性があるんだなと目からうろこが落ちました。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。