My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

アメリカ就職面接その2-想像力を働かせて準備する

2009-08-12 10:00:40 | MBA: アメリカでの就職

前記事、アメリカ就職面接を突破する-MBA面接のコツも含めて の続きで、面接には準備が重要だと言う話。

「準備が重要なの当たり前じゃん」と思うかもしれないが、英語という慣れない言語で、相手が何にも日本のことを分かっていない状態でゼロから論理的に説明しよう、となると、やっぱり「ぶっつけ本番」では何も出来ない。
普段、その場で何とか出来てしまう「どたんば力」がある人も、英語力には自信があるという人も、油断せずにちゃんと準備をやるべし、と思っている。

特に就職環境が厳しい今年は、数名の優秀な人が一人で5,6社の内定を勝ち取り、取れない人はひとつも取れない、と言うことが起こっていた。
来年も同じだろう。

日本でも「就職勝ち組」「負け組」という言葉があるけど(あんまり好きじゃないけど)、米国でも全く同じ状況だ。
他の人より圧倒的に抜きん出ていないと、勝てない、と言う状況。
私は準備の時にどれだけ深く先まで考えるかで、「圧倒的に抜きん出る」ことが可能だと考えている。

準備の際にやるべきなのは次の二つ。
A) この仕事をやるにはどのような能力が必要か、面接官はどんな人材がほしいと考えているかを明確に描写する。自分の能力のどこがフィットするか、具体例を以って説明できる。
B) 履歴書に書いてあるAchievementすべてを復習。特に自分のどのような能力によって出来たのか、という視点で説明する。

私が今やっているインターンの時の面接を例にとって詳しく書きますね。

A) この問いに答えるためには、どんな仕事内容か、だけでなく、どういう状況で働き、どういう役割を求められるのか、というところまで想像力を働かせて考える必要がある。

このインターンの仕事は、法人向けのソフトウェアであるこの会社の商品の日本事業立ち上げだ
まず、日本での販売戦略を明らかにし、その戦略に沿って、実際に立ち上げを行っていく。
戦略面では、どのような顧客セグメントに売るべきか、というセグメント分析と、
どのように製品に変更を加え、どのような価格で、どのチャネルを通じて、どうやって売っていくか、という4P戦略の構築。
実行面では、パートナー代理店とのネゴシエーションおよびトレーニング。(そのときは「営業」は入ってなかった)

こういう仕事内容だけで考えると、必要な能力は、
日本市場でインタビューをして、必要事項を分析できる分析力、
ネゴシエーション力、コミュニケーション能力、
IT企業だけに、IT関連をやっていた経験・知識
といった表面的な能力しか思いつかないだろう。

もちろん、それも重要な能力なのだけど、平凡だ。誰にでも言える。
それでは、たくさんいる候補者の中から抜きん出ることは出来ないだろう。
本当に相手が何を求めているか、ということを見極めるには一手先まで考える必要がある。

例えば、どんな状況で働くのか。
インターン先はベンチャーだ。
大企業と違って十分な人手もない。
指示だって細かく下せるとは限らないだろう。
たぶん、私一人でいろいろ動かないといけないこともあるだろう。
私が日本に出張しているときに、常に上司がいるわけではない。恐らくひとりだろう。
そうすると、「指示がなくても、自分ひとりで考えて何をすべきかを判断できる自己管理能力」
「何を自分だけで判断してよいのか、何を上司に指示を仰がないとならないことなのか、を見極められる判断能力」
といったものが重要になってくる。

新規事業立ち上げ、というのは市場の状況が分かるにつれ、やるべきことがどんどん変わってくるものだ。
そうすると、「状況がどのように変わっても、新たに何が必要になるかを見極めて、臨機応変に対応していけるフレキシビリティ」
が重要になってくる。

会社には、日本市場が分かるどころか、日本語が分かる人もいない。
そういうところで、今後の事業戦略を作ってくれ、と言われているのだ。
「日本の状況を、特殊なものであっても、理解可能なように論理的に説明できる能力」
「米国のものをそのまま導入するのではなく、日本の状況に合わせて臨機応変に変えられる能力」
といったものも重要になってくるだろう。

ただのインタビューや市場分析も、「インタビュー力」や「分析力」といってはつまらない。
インタビューをするとき、顧客の本音を引き出し、かつ顧客の言ってることに引っ張られすぎずまとめるためにはどんな能力が必要か。
「インタビューをしながら、仮説構築し、その場で検証する、という臨機応変な問題解決能力」
など状況を想像しながら具体化する必要がある。

実際のネゴシエーションやクライアントとのコミュニケーションにおいても、事実上自分ひとりで対応しないとならないことも多いだろう。
そうすると、ただの「コミュニケーション力」ではなくて、
「一人でも十分にクライアントの信頼を得て、対応が出来るようなコミュニケーション能力」
「日本の顧客と、日本語で一人でも価格や要件で交渉できる力」が必要だとわかる。

必要なのは想像力だけ。
自分が実際にその仕事をやっていることを想像しながら、どんな能力が必要になるのか、細かく描写する、のがコツだと思う。

それが出来たら、自分はそういう能力があるか、ない場合はどのような方法で補えばよいかを考える。
全ての能力があるように見せかける必要は全くないと思う。
スキルが圧倒的に不足していると思う場合は、具体的にどう補うか、を話すことで、物事を客観視し、解決できる問題解決能力があることをアピールすればよい。

例えば、私の場合は「一人で日本語で価格などの交渉をする力」は正直やったことがないのでわからない。
ただ、コンサルタントのときに、お客さんの価格交渉戦略を考えたりしたことはあるから、何が起こっているか、何が重要かは、漠然とはわかる。
そのことを伝えて、でも実践はしたことがないので、最初は上司となる人の力を借りる必要があると思う、と答えた。

長くなってしまったので、B)に行く前にココで一回切ろうかと。
(長いエントリーはきらい)

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続き→ 2009/08/13 アメリカ就職面接その3-<WBR>自分の能力を論理的に説明

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