My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

ガラパゴス問題の論点まとめ。

2010-05-09 07:00:00 | 2. イノベーション・技術経営

前記事「My Life in MIT Sloan-ガラパゴス問題をガラパゴスに閉じるのはやめよう」は、
ガラパゴス問題、という経営の問題そのものにメスを入れる、というよりは、
問題自体をガラパゴスに閉じてしまうことへの問題提起だった。

しかし、本家の問題そのものも含め、コメントなど色々反響を頂き、私も思うところがあったので、
議論の論点まとめ、という形で、記事にすることに。
結局、議論の食い違いのもとは、次の3つに総合されると思った

1. そもそも「ガラパゴス問題」って何なのか?(ゼロックスやインテルの事例では語れない問題)
2. ガラパゴスと「イノベーションのジレンマ」は違う話。でも大企業の問題の根っこは似てる。
3. そもそも「ガラパゴス」は問題なのか?

それぞれの皆さんの反響はこちらを参照ください。
前記事とコメント欄; BLOGOSコメント欄; はてなブックマーク; Twitterコメント
あと、関連ブログ記事を書いた人はトラバください。
この問題に興味を持った人が、色んな視点を読むのに参考になると思うので。

1. そもそも「ガラパゴス問題」とは何か?-ゼロックスやインテルの事例では語れることと語れないこと

キャッチーな言葉なので、かなり広義に使われてるが、
言葉を聞いて皆が想定するものが違ってしまったら、議論が行き違ったりして意味ないので最初に。

私の定義は、前記事で書いたように、要は日本独自仕様を目指してしまう経営の問題だが、

1. 日本の高いレベルのインフラ・技術: 高速インターネット、携帯電話
2. 日本の消費者の高いニーズ: 高いサービス・品質に慣れてるので、それが当然と思われており、それ以外が余り売れない。
3. 日本の良き?ビジネス慣行や保護政策: 携帯電話会社が莫大な金額をSubsidizeできるとか、経産省や総務省が変に保護や規制をしてくれること

に余りにもカスタマイズしすぎた、価格も高い独自仕様なので、グローバル化できない、
でいつの間にか後発の基準がグローバル化してて乗り遅れる、という現象だと思っている。
(元は「高い」はなかったというコメントがあり、記事はこちら

特に「一部の高い消費者ニーズにあわせて」というところがネックで。
その高いニーズを持つ人達が1億人近くいるもんだから、中途半端に市場として成立してしまう。
日本が「国全体」でガラパゴスに陥ってるのは、ここが問題なわけだ。

そういう意味ではコメントで色々指摘されたように、インテルやゼロックスは余りいい例ではなかったことを認めたい。
彼等は、そのハイスペックがそもそも市場にもならなかったので、問題に最初から気づいていたからだ。
1億人市場を食いつぶして、世界に出ようとして初めて問題に気づく日本企業とは違う。
ただ、解決方法は参考になる。

むしろ、PalmとかApple Newtonのように、ハイエンドユーザが求めてるものを作り、多少売れたが、
消費者全体が求めてるわけではなかったため、大成功には至らず、
結局RIMなどスマートフォンに負けた例を挙げた方が良かったかも、と後で思った。

このように「一部のEarly adopterのニーズは、Majorityのニーズとは全く異なる」ことは「キャズム」と呼ばれ、
それが全てのニーズだと勘違いして、カスタマイズしすぎ、売れずに失敗した例は世界にも多々ある。
「ガラパゴス問題」とは、ある意味で「グローバルに日本人がEarly adopterであることによるキャズム」
と言えるかもしれない(注1)。
そう考えると、キャズムで議論されているような解決方法は、多少、役に立つかもしれない。

キャズム
ジェフリー・ムーア 翔泳社

写真クリックするとAmazonのページに行きます。
解決策は提示してあるが、実証に基づく深い考察ではないので、「概念を理解する」ための本と位置づけた方が良い。

もうひとつ、おさいふケータイにおけるFelicaチップ内臓のように、
携帯電話会社が端末の普及にSubsidizeするのが当然であるとか、
日本の総務省や経済産業省の極端かつやっかいな「保護」政策により競争力を失ってるって話があり、
これも、インテルやゼロックスの事例では語りきれない。

しかしこれも、元国営企業や国家が、国の経済の中心にある事業を変に保護したために、
グローバルな競争力を失ってるなんて事例は、これまたヨーロッパには山ほどあるし、
それをうまく回避かつ利用してグローバルに成功した、DHLやテレフォニカ、スエズなどの事例もある。
(注:スペインなどの企業は、植民地の歴史と絡むので、全ては真似できないが)
また、他国には「自由競争にしろ」と言いながら、自国内では農業だの石炭・石油だのといった産業を保護しまくり、結果競争力を失っている分野がたくさんあるアメリカなども、非常に参考になる。

このように「ガラパゴス問題」の根を切り刻んで考えると、
1. 高い技術・インフラに頼りすぎ→インテル、ゼロックスなど
2. 高い消費者ニーズにカスタマイズしすぎ→ キャズム問題を持つ企業。後はドイツやフランスなど国内市場が割と大きな国の例。
3. 政府や元国営企業の変な過保護→ フランスなど同様の国の事例。アメリカの農業(食料品全般)・石炭事業なども参考に。

というように、どのポイントについても他国にもいくつも参照に出来る事例が出てくる
もちろん、全部が利用できるわけじゃないが、参考に出来るものは参考にし、
問題解決に活用できる世界の頭脳は、活用するにこしたことはない、と私は思う。

ただし、何度も言うけど、これらを真似するに当たって、英語力、
いやもっと言うと英語ダメだから、と世界に飛び出すことを「遠慮する」現象がネック
結局解決方法は、多国籍に他企業と協業したり、他国に売りに行ったりすることに必ずつながるから。
でも40年前の日本人の英語力で、ソニーがトランジスタラジオを世界でヒットさせたことを思い出したい。

2. 「ガラパゴス問題」と「イノベーションのジレンマ」は全く違う話。でも問題の根っこが似ている

で、これまたキャッチーなので広義に解釈されてる「イノベーションのジレンマ」は、ガラパゴスとは違う話だ。

前記事追記に書いたように、「イノベーションのジレンマ」は、

新しい技術は、通常旧技術とは異なる顧客(市場)、ビジネスモデル、組織の動き方を必要とされる、実際動こうとしても、新技術は最初は市場が小さいから本気度が出せない。
そうしてるうちに出遅れて、にっちもさっちも行かなくなる

一方で「ガラパゴス」は新技術なりなんなりを商品として出し、ある程度は成功している、
しかしそれ以上に大きなグローバル市場に飛び出せない、と言うことなので、全然違う(注2)

ただし、どちらも慣性の大きな「巨像」を変えていくのが大変な件、と捉えると問題の根っこは似ています。

「イノベーションのジレンマ」は、わたしの下記エントリが参考になると思います。

My Life in MIT Sloan-自社事業を破壊するイノベーションが出てきたとき(2009/09/10)
My Life in MIT Sloan-日本の出版社が直面するイノベーションのジレンマ (2010/01/26)

本家の「イノベーションのジレンマ」も参照。

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
クレイトン・クリステンセン,玉田 俊平太
翔泳社

(MBA生は絶対に英語の原書で読むことを強くお勧めします。教授は全員読んでる「共通言語」。
日本語版を読んでも「共通言語」は身につきません)

3. そもそも「ガラパゴスであること」は問題なのか?

最後に、「ガラパゴス」は本当に問題なのか、という問題提起。
一言で言うと私は「コインの両面」だと思う。

何故日本が「ガラパゴス」になるのか?
それは
1. 日本は人口1億人以上もいる、そこそこ巨大市場だから
2. 日本語というハイコンテクストな言語と似た文化を共有し、非常に効率的に高機能・高品質を実現できるから

どれも、メリットのはずなのだ。
1の「ある程度の大きさの市場」であることは、
以前の記事「My Life in MIT Sloan-日本や欧州にシリコンバレーが出来ない理由とその対策 (2/2)」
で書いたように、一つの事業が育つためには重要な条件の一つだ。

しかし、残念ながら、日本は成長市場ではない。
このまま移民も認めない政策だと、市場はどんどん縮小していくだろう。

また、世界中でグローバル化が進展し、グローバルに売ってる他の企業とコスト面で勝つためにも、
日本市場だけでなく、世界の市場で売っていくことが必要になってきている。

こうして、かつて日本企業が育つために重要だったメリットは、今やデメリットになってきてる、という話だ。

ちなみにこの問題は携帯電話分野では顕著だが、私は法人向けソフトウェア、半導体、一部の家電、
さらには、MixiなどのSNSや、楽天など、「ガラパゴス」問題に陥ってる分野は多いと思う。

だから、私は「ガラパゴス問題」は問題、と捉えており、更に、それは解決可能な問題だと思っている。

(注1)実はこの話には面白い実証があって、1997年に「世界の人々を6つにセグメントする」マーケティングプロジェクトが行われたとき、
日本や韓国に「遊び好き」といわれる、新しくて面白いものに金を出す傾向の高い人が顕著に多いことが実証されている。
コトラーのマーケティングの本に解説があるので参照

コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版
フィリップ・コトラー,ケビン・レーン ケラー Pearson Education Japan for JP

マーケティングのMBAと言えばKellogg、と言われるKellogg MBAの看板教授の教科書。
コンジョイントやセグメント分析の具体的な手法は書いてないが、マーケティング戦略の考え方の本質が分かる名著

(注2)仮に、ロースペックだが安いなどの特徴を持つ、新しい技術標準が他国から新たに出てきたが、
市場が小さいので本気度が出せず、いつの間にか負ける、
という文脈なら「イノベーションのジレンマ」になるが、日本のガラパゴス問題の全てががこれではない。

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ガラパゴス=そうなりたいから? (Isao)
2010-05-09 08:37:01
とても刺激的なシリーズで楽しく読んでいます。最近思うのは、ガラパゴス化(=内輪内で全て完結させる)は僕たちにとってとても居心地のよい方法だからこそ、進化したのでは?です。なので方法論としてガラパゴスを選択したのではなく、自分たちにとって最もやりやすい、しっくりくる方法をとっていたらいつのまにかガラパゴスになっており、たまたまそれが世界の流れと異なっていた、ということなのかなと思います。
なので、方法を変えればよいのだ!などというレベルではなく、自分たちのありよう、生き様を変えるかどうか、というとても難しい、考えたくもない、本当の意味での死活問題なのでは。
やり方を変えよう、では現実逃避を続けることになりやすく、自分を変えよう、でないかぎり、根本的に解決しない問題なのではと考えています。それを企業の主役である40代、50代の男性がどうやったらするだろう?職を失わない限り無理なのでは。すみません悲観的で。でも自分を変えり、からしか始まらないような気がします。
Unknown (裏目の鶏 (uranoon))
2010-05-09 09:42:51
反響がすごいですね。それだけ関心の強い話題だったのでしょう。それとLilacさんの文章が「読ませる」ものだからです。

散見される「ガラパゴスはなるべくしてなる」「それでよいではないか」という意見は、違うと思います。

LilacさんはMBA的観点つまり経営側から述べておられます。経営側としてもガラパゴスは問題です。しかしユーザも、不便を余儀なくされます。例えば、シンプルで安価な携帯電話が日本のショップにあるでしょうか。日本人は全員、数万円もするケータイを使いたいのでしょうか。

「たまたま世界の流れと違っていた」と考えていたら日本企業の技術開発・製品開発の方向性は甘すぎます。外貨を稼がずに経営できますか。さらに外国製品にシェアを奪われても経営が成り立ちますか。

もちろんガラパゴスでい続けるためには、外国製品を排除するつまり保護主義を徹底する必要がある。それができるはずがありません。

ガラパゴスは問題だと思います。

*** *** ***
前後してしまいましたが、僕の記事です。uranoonブログ「ガラパゴス問題のエッセンスを二つに分ける」
http://blog.livedoor.jp/uranoon/archives/412881.html
僕は本質的に問題はふたつにわけるべきだと考えています。

(1) 海外のニーズと乖離した過剰スペック・高価格(⇒カーナビ、パソコン)
(2) 規格が海外で使用不可能なケース(⇒携帯電話、デジタルテレビ)


Lilacさんは僕がふたつに問題をわけたうちの(1)について書かれていると思います。しかし今日本で問題となっているのは(2)のほうです。池田信夫さん、海部美知さんが指摘されている「iPadや次世代iPhoneが日本で使えない」という問題も(2)です。
すみませんでした (元活動家)
2010-05-09 10:50:41
一つ前のエントリに色々コメントしてしまいました。それは忘れてください(笑)

本文3.についてはもう少し掘り下げた議論が見たいですね。
政治経済問題云々が出てくると話が大きくなりすぎるので、もう少し絞った観点で3.の問題を語ることは出来ないのでしょうか?
否、政治経済の問題を絡めるからこそ、ガラパゴスの本質が見えなくなっているのでは、とも感じられます。
確かに国家の果たしたマイナスの役目は大きいのですが、それが主要因であるわけではないでしょうし。
先日はどうも (tak)
2010-05-09 13:30:23
喉が潰れてしまいました。。
ガラパゴスになりたがっていたのかも (松本孝行)
2010-05-09 15:12:03
 日本の企業ではパナソニックのようにがんばって外に出ようとしているところもありますが、どうもネットの言論では「日本の企業なら日本に利益を落とせ」というような保守的な意見がちらほら目立ちます。
 そういう部分では保守的な人が日本には多いのかも?と思いますし、そういう人たちが「ガラパゴスでもいいじゃない。」と考えているのかも?と言う風にも思います。

 実際、これだけガラパゴスと言われていながら、日本の携帯電話が世界で注目されていると言うような報道が出てくると、それだけで溜飲を下げたような人たちも増えているように見えます。

 まぁこの辺の意識レベルは推測でしかないですし、日本の歴史から考えれば結構外国には門戸を開いていましたから、違うと信じたいですが。
OASYSとかRupoとか、、、 (Unknown)
2010-05-09 19:06:13
携帯に関しては、パソコンと日本語ワープロ専用機の関係に似ているような。。。

「日本語の文書を作る」という目的を重視するなら、日本語ワープロ専用機の方が開発しやすいけど、将来世界で売ることを考えれば、汎用的なハードに日本語ワープロソフトを載せる方が賢明な判断だった。

しかし、日本では世界と戦う必要の無いキャリアが主導権を握っていたため、ワープロ専用機ばかりを開発させた。

しかし将来的には、ワープロ専用機は圧倒的な柔軟性とコストパフォーマンスを持ったパソコンに駆逐される運命、と。
ガラパゴス諸島の住人 (kumasuke)
2010-05-09 21:53:28
ブログ、興味深く拝読させて頂いています。
ガラパゴス化の問題は、結局日本人が内に籠ってしまったことにあると思います。
ここ10年で海外留学する学生が激減しているそうです。
新しいこと、世界を見ていない・知らない人にグローバルな(世界の人が必要とする)商品を作ること難しいのではないかと思います。
私自身も大変危惧しているのですが、このままでは、日本で働く人がガラパゴス島に住むイグアナになってしまわないかという不安です。企業経営だけの問題ではない深刻な問題ととらえています。
元活動家さんに一票 (中川信博)
2010-05-10 00:24:22
私もガラパゴスでなぜいけないのかという議論に賛意しまう。
今回のエントリーは池田氏や堀江氏などの議論に酷似していますが、ガラパゴスで何がいけないのでしょうかと問うてみたい。
抽象的だが、進化は善というマルクスの呪縛があるように思う。人類は進化していない、変化もしくは退化しているのかもしれない。
Unknown (Lilac)
2010-05-10 01:41:11
@Isaoさん、@松本孝行さん
「ガラパゴスになりたがってるのでは」という方も多いですね。
確かにそうとしか思えないときがあります。
さっきダンナと電話で話していたら、NHKスペシャルで電気自動車用の電池の開発に関する番組を見たそうで、
そこで経産省主導で、日立とホンダなどが「中国のどんな悪天候・悪路でも走る電池を」とか開発を目指してるという話があり、
「それがガラパゴスなんだよ!」という話になりました。

ガラパゴスなのは、グローバルなニーズに対応できてないとかいう話ではなく、日本人的価値観に基づいて、海外のニーズを勝手に想定してるっていう、社内文化的問題が大きいんだな、と思いました。

@Uramenoonさん
参考になります。
その二つは、私のと多分切り方が違うだけで、私の話は1)も2)もカバーしてる話、と思います。
(2)も結局は、日本のメーカーや電話会社が先に進化したために起こっているので。

SDカードの件ですが、これはカードメディアを最も使うデジカメや再生機器が日本のものが普及したから、というのが大きいと思います。
PCも日本発のものは、ほとんどSDカード搭載でしたし。
日本は垂直統合モデルで規格を推し進めていくのは非常に得意だと思いますよ。

@元活動家さん
なるほど、確かに、国家の保護政策、元国営企業の金にモノを言わせた普及作戦などでは語りきれないものが抜けてる気はします。

それって何だと思いますか?

@Unknownさん
似てますね。

@Kumasukeさん
イグアナも世界に飛び出してくれれば価値がありますが。
何で飛び出さないんでしょうかね。
やっぱり海外に飛び出して成功した例が少なすぎるのだろうか・・。
Unknown (hully)
2010-05-10 04:48:40
イグアナはイグアナである事を誇りにしないと、ダメなんじゃないかなぁと。
皆に愛される愛玩犬になる為にはどうすればいいか?なんてイグアナ同士で考えても、答えはでないと思いますよ。
それぞれの場所でイグアナとして生きる為に、どういう進化を遂げればいいか?それが答えが出る問題だと思います。
イグアナが無理に愛玩犬になろうとすれば、生まれる物はイグアナでも無ければ、愛玩犬でも無い、
気味の悪いバケモノしか生まれません。そうなったが最後、誰からも相手にして貰えなくなります。
確かに問題点を考えて反省する事は大切ですが、その事で悲観的や否定的な見方をするのはどうかと思います。
欠点では無く、特徴、個性として考えれば、前向きな何かが生まれるのでは無いのでしょうか。
日本の独創的文化 (yumemakura)
2010-05-10 04:49:34
ガラパゴス現象をマイナスときめつけるのは早すぎるかもしれない。世界的にユニークな江戸時代のすぐれた日本の独創的文化は長い鎖国状態のなかで生まれた。大量消費型商品で今すぐ世界で金儲けをしなければならないとは厄介なことだ。
続き (yumemakura)
2010-05-10 04:59:20
私はカメラを少しやりますが日本人のこだわりの精神はハイスペックのカメラで世界で大いに活躍してます。海外テレビでプロカメラマンが使ってるカメラを見ると日本メーカーの一台100万くらいするものをみんな使ってます。普及型のデジカメもハイエンド機の技術の蓄積があってこそだと思います。
そのまた続き (yumemakura)
2010-05-10 05:09:07
もっともカメラをあまり作らないアメリカでadobe なんて写真処理のすごいソフトの会社がある。これもなんか不思議な話です。
文化論でないところがいいですね (sa)
2010-05-10 06:02:40
内向きの姿勢云々という文化論になりがちなガラパゴス問題を技術発展と市場の正確に注目してまとめられているあたり、たいへん興味深いと思いました。

ただ、コメント欄がまた文化論になってしまっていますが…。
とは言え文化論をしてしまう気持ちはよくわかります。そして、私も若干そのようなことを書いてしまうかもしれません。

このエントリーで一点だけ気になったのは、急に英語の問題が出てきたところでした。英語力の低さや海外への躊躇って日本人全体に一般化できるんでしょうか?

私も海外経験がある程度あり、今は日本がベースですがまた外に出て行くことを考えています。氷河期世代なので、身の回りには2000年ごろに日本で仕事がなくて海外に出て行った人たちが結構います。また、仕事で出会う人たちも別に海外で定着して普通にしている人は結構います。
という訳で、日本人が一般に外に出るのが消極的とか英語(外国語)が出来ないとかはあまり思えません。

ただ、ひとつはっきりしているのは、こういう人たちはまず日本の企業社会の主流になることはないということです。転職が増えつつあるとは言え、日本の労働市場だとある程度標準からずれるともう主流にはまず入れませんよね。こちらもそれは分かっているので、戻ることをはなから望まずに外側で幸せになろうと努力します。そして力があったり運があったりした人はそれで十分人並み以上に幸せになれます。

日本の労働市場の硬直性が、海外に適応した人を再び取り込むことを妨げていたり、外れかかった人をますます外側に押し出しているような気がしてしまいます。
さらに、日本の景気が悪くなり給料が下がるほど、中途半端に外に出た人にとっては外で仕事を探す方が中に戻ろうとがんばるよりも簡単という事態が出てきそうです。私の業界はもうそうなりつつありますね。
Unknown (tak)
2010-05-10 11:20:30
(全体の議論ではなく、個別の点に反応してしまい恐縮です)

「産消逆転」という言葉があるように、消費者については日本はEarly adopterかもしれませんが、産業界においてはむしろlate majorityであるケースも多いですよね。

私は外資IT企業を渡り歩いておりますが、日本の中でearly adopterは海外導入実績等で新しいH/W, S/W, Serviceの導入を決めますが、日本の中でlate majorityは国内導入実績が必ず必要となります。

例えば、クラウドコンピューティングなんかでも、最近こそSales force等のawarenessが向上してきて日本での実績も積んできていることから導入が進んでおりますが、どうしても最初にセキュリティやらデータ保全性等のリスクを前にすると、ある程度の実績なしにはなかなか導入できないという傾向があると思います(ERPなんかもそうでしたが)。


Unknown (元活動家)
2010-05-10 22:35:30
賛意を示してくれた皆様、ありがとうございます。
皆様もご理解されているとは思いますが、ガラパゴス化が良い、と言うのでは勿論なく、あくまでも議論の一つのポータルだと考えております。

個別にご返答をしたいところではありますが、二つほど。

@saさん
>単なる文化論でない

勝手な推論なんですが、ガラパゴス化をぶち上げた方々は文化論…所謂「日本は遅れている」的な展開をしたかったのでは?と思います。
そういう海外age国内sageメンタリティは明治の昔より続いているので気になりませんが。

@takさま

>日本の中でlate majorityは国内導入実績が必ず必要となります。

同感です。パッケージ購入などの分散系システム導入の稟議上梓時には必ず導入実績を添付します。
最近の経営層もIT関係に強い人が増えてきてはいますが、経営判断となるとある程度の導入実績がないと説明責任に困るそうで(笑)。
ガラパゴス的価値観 (freedom)
2010-05-11 03:13:46
私も5年前なら同じように考えたかも知れません。しかし時代は進んでしまいました。
これが日本が生き残るための残された唯一の道ではないでしょうか。むしろ今はまだ日本人の得意とするこういうところを今のうちに強化していくことが必要でしょう。
果たして日本人だけが高性能、高機能なものを追求するのでしょうか。何れ中国人は高性能、高機能なものを求めはじめるのではないですか。中国人をあまりにも低く、甘く見ているのではないでしょうか。彼らはプライドは高いですよ。
今、中国人と一緒に仕事をしていますが、彼らは非常に優秀で驚くことが多いですよ。彼らは2年しか日本語を学習していませんが、日本人とコミュニケーションするのにはほとんど支障ありません。支障が発生するのは日本人が正しい日本語を使わなかった時だけです(日本人がいい加減な日本語を使っていることに気づかされます)。これほどのレベルの日本語教育が行われていることを脅威に思っています。これは北京や上海のことではなく外国人なんかほとんどいない毛沢東の出身地なんかの内陸部の大学でですよ。そのうちに日本の人口を上回る中国人が日本語を話すようになるかもね。
彼らは100万円の給料でも200万円の日本車を買います。日本人なら100万円の給料なら買ったとしてもせいぜい30万円位の軽の中古車でしょうか。もうすでに中国人はNanoのレベルでは満足しないところにきていますよ。彼らの向上心、バイタリティーは素晴らしいです。
Lilacさんが帰国されて驚かれるかもしれませんが、WiMAXやWiFiのインフラは中国メーカーの機器によって構築されていますよ。日本の精緻な要望にも彼らは直ぐに全社をあげて対応します。日本メーカーなら1週間はかかるものを彼らは1日で対応するというインセンティブで勝負しています。
彼ら自身が中国人のマナーの低さに卑下する人がありますが、彼らに日本も40年前はよく似たものだったと言っています。大阪万博の頃の日本を考えればその後の中国がどのように発展するか楽しみではないですか。
もちろんこのような中国人はエリートですが、10%にでもなれば日本の人口を上回るのですよ。
何れ彼らは日本人と同じようなレベルのものを求めるであろうと考えるGSユアサやホンダの戦略は、ガラパゴスではなく、日常、現場で中国人と接していて感じておられる結果としての戦略だと思いますよ。
ガラパゴス問題をどう捉えるか (vertigo)
2010-05-11 04:18:49
ガラパゴス問題の分析素晴らしいです。
「ガラパゴス化」をテーマとした本でも出して欲しいくらいです。

-ガラパゴス化の定義
-世界でガラパゴス化された例
-ガラパゴス化により誰がどんな不利益を被るのか?
-ガラパゴス化しないためには?

といった様な内容でLilacさんが書かれたらMBAの教材やベストセラーになるかもしれません。

ガラパゴス問題は標準化を考えず局所最適化された結果、高コスト体質になっておりある日突然現れた外来種に駆逐されてしまうことがある。
またたとえ駆逐されなくても高コスト体質と独自仕様の結果、メーカーの利益率の低下や利用者への不利益をもたらすのでデメリットの方が多くなってしまう。

特にハイテクやソフトウェアといった分野はネットワーク外部性やプラットフォームを握るなどのロックインが非常に大きな影響を持つのでガラパゴス化が長続きすればするほど世界と乖離しより深刻な問題になってきます。

ガラパゴス問題でよく出る話が個性的で何が悪いという意見。
個性的なもの=ガラパゴスではないと思います。
最初から市場が限定されたものや量産してもコストや利便性にそれほど影響出ないものであれば無理に世界に持っていかなくても良いのはないでしょうか?
民芸品のようなものは世界に展開する必要はないが、日用品やハイテク製品などスケールメリットが期待出来るものは積極的に展開していかないと自分たちが一掃されてしまうはめになる。

日本人はもっと自分たちに自信を持ちましょう。

アメリカ人のように「アメリカで受けたんから当然世界でも通用するはず!」といった図々しいくらいのメンタリティを持てばガラパゴスになりにくいのかもしれません。
元は独自進化したものでも世界に広がればガラパゴスなんて言われませんから。
スタートアップ時のソニーやホンダは当時日本で最も優れた技術を持っていたから成功したのではなく世界に打って出たことが成功に結びついたのだと思います。
コメント有難うございます (Lilac)
2010-05-11 08:49:21
返信は一部のみとなりますが、どのコメントも示唆深く、非常に興味深く読ませていただきました。

@SAさん

>身の回りには2000年ごろに日本で仕事がなくて海外に出て行った人たちが結構います。
>ただ、ひとつはっきりしているのは、こういう人たちはまず日本の企業社会の主流になることはないということです

全くおっしゃる通りと思います。
実は就職氷河期・ITバブル崩壊が落ち着いた頃から、「優秀な人が行くところ」がかなり変わったんじゃないか、という感覚を持ってます。
今年米国のトップMBAに受かった日本人の情報が、各校から流れてきて、驚いたのは、私達(2年前)以上に、いわゆる日本の一流企業と言われるところ-商社やメーカー、銀行から受かってる人が減っているのです。

じゃあどこから来てる日本人が増えたかと言うと、
アメリカに来て働き始めた日本人とか、
私のような外資系コンサル、ヘッジファンド、PE、投資銀行。
そして若いときにベンチャーを創業した経験者。

一つには、こういう一流企業が社費を次々に減らしているってのはあります。
また、MBAの日本人の選考の基準が変わってきた、と言うのもあるでしょう。
しかし、それ以上に、大学時代に「あいつはすごい」っていう人が、10年前は商社や銀行に就職してたのが、
私達の世代(私は3年遠回りしてますが2004年に社会人です)以下では、海外に出て行ったり、外資に行ったり、起業したりしているのではないか、という感覚を、実証する材料に思えてなりません。

もちろん、日本の一流企業に就職している優秀な人もたくさんいますよ。
でもそういう人は、それ以外に行く人より保守的で、
少しずつ人口構成がだんだん変わってきたのかな、という気がしています。

仮にこの方向が強くなっていったら、どうなるのだろう、としばし考えてみました。

(もっとも、私が自分の狭い周りの人たちを見て感じてるだけなので、分からないですが・・)

@Takさん
おっしゃるとおりですね。
B2Cの消費財については、日本人はかなりEarly adopterだという感覚がありますが、B2Bでは超Late majorityですよね

あと、ガラパゴスは日本人の自尊心をくすぐる話ですが、実は遅れてるところもたくさんあります。
iPhoneなんかは、既に時代がソフトウェアのQualityよりUIの使いやすさに移ってるのに、まだ乗り換え切れてない、ともいえますし。
日本は画一市場。中国はアメリカと同じ (Lilac)
2010-05-11 09:07:01
@Freedomさん
久しぶりです。中国人のHigh qualityを求める層が、すぐに日本の人口を越える可能性については、私も否定しません。
でもそのときには、もうその人たちが「悪路」を走る必要がなくなっているのではないか、とも思うのですが。

中国人、インド人の市場の難しいのは、彼等は人口が非常に多く、それぞれの収入層がかなり大きなクラスタになることです。

ここは以前にインドのナノの話になったときも、議論になったのを覚えていますが、Freedomさんと私の見解はかなり違いますよね。

私は、Freedomさんがお付き合いされてるような方々は、超ハイエンドの人たちだと思うのです。
それがどんな田舎出身であったとしても、そこまで出てこられる人、日本語をそこまでしゃべれる人は、やはりトップ5%以内だと思います。
それでも、人口が日本の10倍いますから、「そんな人ばかりだ」という感覚を持ってしまうのではないでしょうか?

実際には、中国には文盲の人が億人レベルでいたり、その上の年収100万円以下の人たちが数億人いたりします。
実際に中国やインドの消費者調査をしたりした感覚では、この層も相当いて、こっちこそバカにしてはいけない量だと思ってます。

日本は画一市場で、例えば「貧困層むけのブランド」などはありませんが、人口が日本の2.5倍で貧富の差も激しいアメリカでは、「貧困層向けブランド」が複数存在する市場です。

こういう感覚が、中国やインドを攻略するときには必要になってくると私は思ってます。
ここは、思うところがあるので、そのうち記事にしたいですが

@Vertigoさん
確かに本にしたら売れるかも知れませんね(笑)
日本語版のタイトルは「世界の優良企業がガラパゴス化をどう克服してきたか(仮)」みたいな。

キャズム(アメリカ発)、ブルーオーシャン(フランス発)に続く、日本発のキャッチーな経営の言葉として、世界で流行るかもしれません。

ガラパゴスってナイスなネーミングまでガラパゴス島に留めておくのはもったいないですからね(笑)

>特にハイテクやソフトウェアといった分野はネットワーク外部性やプラットフォームを握るなどのロックインが非常に大きな影響を持つのでガラパゴス化が長続きすればするほど世界と乖離しより深刻な問題になってきます。

全くおっしゃるとおりですね

最後のところは、私は半分賛同、半分うーん?です。
まずは世界に飛び出して売ってくるところがネック、というのは同意です。
それ以外に上記に書いたようなインフラ・技術・ビジネスモデルの違いなどもありますよね。
日本の中堅製薬会社はガラパゴスなんだろうか (HW)
2010-05-12 02:46:11
ベンチャー新入社員のHWです。
私の会社はITと、サイエンスを提供しているんですが、お客様は、製薬会社なんです。

日本の製薬会社大手四社とそれに続く中堅の製薬会社を分けているのは、海外売り上げ比率です。
http://www.medisearch.co.jp/doukou_kakukaihatuhi.htm
大手四社は、海外売り上げ比率が50パーセント近くありますが、中堅の会社では、数パーセントです。国内の売り上げについては2,3倍程度となっていますが、海外も加えた総売り上げでは、それが5から10倍くらいに拡大されます。
そしてその売り上げの差が研究開発費の差となって返って来ます。

これは何が原因なのでしょうか。
お金がないから海外で臨床試験ができず、海外に出て行けないという循環によるものでしょうか。
それとも、海外の営業体制を築くのが大変だという理由なのでしょうか。

今回、議論していたガラパゴスとは関係ないのでしょうか。

Lilacさん、皆さん、何かご存じだったり、考え付くことはありませんか。
皆さん難しいですよ。 (無線中毒)
2010-05-12 18:18:33
単純です。

乱暴な言い方すると

iPhone3Gをドコモの回線で使いたいユーザーがSIMロックをかけなきゃ販売できない日本の携帯電話会社はけしからんと。

海外ではGSMのいわゆる低価格のSIMロックフリーの携帯が主流なので日本でもそうしろ!と。

日本の携帯電話の生い立ちを考えたら、そんな簡単にフリーになんてなるわけないし(今後も高機能の機種では難しいであろう)


そこでガラパゴス理論=悪のような空気を作って、SIMロックフリー論議を一気に加速させようとした人達がいるわけだ。

ネタとして大いに盛り上がりを見せているので流れを作った人はニヤリかもね。

慌てたのはSB社だったね。

Unknown (Lilac)
2010-05-13 04:31:43
@無線中毒さん

この記事にはそのような意図はありません。
残念ながら。

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