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高まる食品スーパー再編機運の舞台裏

2014年03月14日 00時18分22秒 | 学習支援・研究
高まる食品スーパー再編機運の舞台裏
~地方組の合従連衡、カギ握る大手と独立系の動向

【この記事のキーワード】イオン, スーパー, セブン&アイ


セブン&アイ・ホールディングスが展開するイトーヨーカ堂(「Wikipedia」より/ITA-ATU's File)

4月の消費増税を控えて、全国の食品スーパー再編が加速する。
イズミは山陽地方の有力スーパーで、九州、四国にも進出している。
3月までに北九州のスーパー大栄の筆頭株主になり、
子会社にすることも視野に入っている。
非上場のサンリブ・マルショクグループも、
スーパー大栄に次いでM&A(合併・買収)の対象になる可能性もある。
 
オークワは和歌山(54店)を中心に南近畿ではトップで、三重(32店)、
愛知(16店)、岐阜(10店)、静岡(3店)など中部圏に積極的に出店中だ。
イズミとオークワは共同仕入れ機構である日本流通産業の有力メンバーであり、
営業地域も重ならないため広域連合を組む可能性がある、
との見方も広がっている。

イズミヤがエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの傘下に入ったことから、
独立系の食品スーパーの動向に関心が集まっている。
 
北海道、青森、岩手でトップシェアを誇るアークスは、
南下作戦を取る。茨城県が地盤の食品スーパー・カスミか、
埼玉県から群馬県南部に展開しているベルクあたりに
照準を合わせてくるかもしれない。カスミにはイオンが32.3%出資しており、
ベルクにもイオンが15.0%出資している。
イオングループにとって埼玉、群馬南部は
自力で展開できるが茨城が地盤のカスミは手放せない、
といわれている。
 
株式を公開していないベイシアは群馬、栃木、埼玉、茨城、千葉、福島、新潟、
長野、山梨、さらに岐阜、静岡、愛知、滋賀の13県に
117店舗(13年12月末時点)を展開しており、
アークスによるM&Aの対象になる可能性もある。
 
中部地区で食品スーパーやドラッグストア、ホームセンター、
スポーツクラブなど多角的に展開しているバローは、
農林中央金庫と十六銀行が筆頭株主であり、
愛知、岐阜の中堅・中小食品スーパーを
系列化することを視野に入れているともいわれている。
 
平和堂は滋賀県で圧倒的なシェアを持つスーパーで、
東海(愛知13店、岐阜9店)や
北陸(福井6店、石川5店、富山2店)に出店している。
14年2月期決算では税引き後利益が過去最高になると予想されるなど好調だ。
反日暴動で中国に出店している店舗が被害を受けたが、
15年2月期には中国の売り上げも本格回復する。
よほど条件の良いM&A案件があれば別だが、
安易な経営統合には動かないだろう。

注目の関西での動き
四国最大のチェーンストア・フジや、兵庫、
大阪を商圏とする中堅スーパー、関西スーパーマーケットは
激戦をどうくぐり抜けるかがカギとなる。
関西スーパーの大株主には伊藤忠食品や
三菱東京UFJ銀行の名前が並ぶが、三菱グループである三菱商事の
持ち分法適用会社のライフコーポレーションとの連携も考えられる。
ライフコーポレーションは
近畿と首都圏の二眼レフ経営を展開しており、
関西のスーパーマーケットと提携すれば、
関西での市場占有率はかなり上がる。
 
上場していない万代は大阪に107店舗、奈良(18店)、兵庫(19店)、
京都(4店)、三重(1店)を含めて149店舗を展開しており、
関西スーパーマーケットは大阪に34店舗を抱える(13年2月時点)。
ドミナント戦略から考えても、
もし両社が提携すれば、高い効果を期待できる。
 
ライフコーポレーションの大株主には
農林中央金庫が入っており、同じく
農林中金が筆頭株主のバローとも接点もある。
非上場のオーケーの店舗数は69(13年3月末時点)で、
主要株主に三菱商事、三菱食品が入っている。
三菱商事といえばライフコーポレーションの大株主であり、
ライフは東京と近畿に店舗を展開しているため、
オーケーと提携できればメリットは大きい。

イオン、セブン&アイの思惑
埼玉県を中心に127店を展開し、高収益で知られるヤオコーは
14年3月期も最高益となる見込み。
創業家一族が40%以上の株式を握っており
M&Aは難しいだろうが、流通大手のイオンも
セブン&アイ・ホールディングス(HD)も傘下に組み入れたいと
狙ってもおかしくない。

売上高ランキングで27位のエコスは、
東京・多摩地区から北関東が勢力圏だ。
M&Aで急成長を続け、傘下に複数の食品スーパー子会社を持つ。
三菱東京UFJ銀行がメインバンクで、
小が大をのみ込む大型M&Aで上位に進出することを狙っている。
 
非上場の三和は東京都内に24店舗、
神奈川に26店舗を展開(11年3月時点)しており、
エコスが三和にアプローチする可能性もある。
 
人口減と高齢化による影響を真っ先に受けるのが
地方の食品スーパーといわれる中、
4月の消費増税を控え、生き残りをかけた業界内の合従連衡は、
これから本番を迎えようとしている。

(文=編集部)
【食品スーパー売上高ランキング】(売上高1000億円以上)
※大手スーパーのイオン、イトーヨーカ堂、ユニー、ダイエー、西友は対象から除外。
※以下、順位、会社名、売上高(決算時期)
          
1.マックスバリュ(イオングループ)、1兆1807億円(13年2月期) 
2.イズミ(広島市、ニチリウグループ)、5610億円(14年2月期)
3.ライフコーポレーション(大阪市、三菱商事の持ち分会社)、5320億円(14年2月期) 
4.アークス(札幌市)、4600億円(14年2月期)
5.バロー(多治見市)、4550億円(14年3月期)
6.平和堂(彦根市)、4060億円(14年2月期)
7.ヨークベニマル(郡山市、セブン&アイHD)、3580億円(13年2月期)
8.イズミヤ(大阪市、H2Oリテイリング)、3500億円(14年2月期)
9.マルエツ(東京・豊島区、イオングループ)、3260億円(14年2月期)
 
10.フジ(松山市)、3150億円(14年2月期)
11.オークワ(和歌山市、ニチリウグループ)、3000億円(14年2月期) 
12.ベイシア(前橋市)、2815億円(13年2月期)【※1】
13.万代(東大阪市)、2674億円(13年2月期)【※1】
14.ヤオコー(川越市)、2660億円(14年3月期)
15.オーケー(東京・大田区)、2495億円(13年3月期)
16.カスミ(つくば市、イオングループ)、2368億円(14年2月期)【※1】
17.いなげや(立川市、イオングループ)、2330億円(14年3月期)
18.サミット(東京・杉並区、住友商事子会社)、2282億円(13年3月期)【※1】 
19.サンリブ・マルショクグループ(北九州市)、2113億円(13年2月期)【※1】

20.マルナカ(高松市、イオングループ)、2068億円(11年3月期)【※1】
21.東急ストア(東京・目黒区、東急電鉄子会社)、2049億円(13年2月期)【※1】
22.アクシアル リテイリング(長岡市)、1620億円(14年3月期)
23.三和(東京・町田市)、1509億円(11年3月期)
24.ベルク(埼玉・大里郡、イオングループ)、1430億円(14年2月期)
25.ローソンマート(東京・品川区、ローソン子会社)、1318億円(13年2月期)【※1】 
26.関西スーパーマーケット(伊丹市)、1220億円(14年3月期)
27.エコス(東京・昭島市)、1090億円(14年2月期)
28.イオンマーケット(東京・杉並区、イオングループ)、1017億円(13年2月期)【※1】

【編註】
・マックスバリュの上場企業は北海道、東北、東海、中部、西日本、九州の6社。
・アクシアル リテイリングは13年10月、原信ナルス・ホールディングスとフレッセイホールディングスが経営統合して発足。
・ニチリウは共同仕入れ機構である日本流通産業の略。
・【※1】は非上場企業。非上場企業の売上高は各社のホームページに基づく。
・14年2月期、同3月期は予想数字。

http://biz-journal.jp/2014/03/post_4303.html

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