覚えておきたい、学校や先生に“上手に”クレームを伝える6つのコツ
All About
2015年12月17日 11時45分 (2015年12月17日 17時40分 更新)
いざ伝えようとすると、どう伝えていいのかわからない……
[拡大写真]
■伝えにくい、学校へのクレーム
学校に言いたいこと、ありますよね。
「明日、牛乳パック2つ持たせてください」といった
急な連絡だったり、子どもへの対応に
カチンときてしまったり。でも、
「これくらいなら……」と普段は
我慢している人が多いのではないでしょうか。
「モンスターペアレントだと思われたくない」
という気持ちもあると思います。
子どもを「人質に取られている」から言えない、
という声もよく耳にします。
人質という表現は物騒ですが、
クレームを伝えることによって、
子どもが不利益を受けたりしないだろうかという不安から、
言いたいことを我慢してしまう親は多いようです。
そこには、先生や学校への「不信」があります。
でも、クレームや要望は、伝えないと
「ないもの」として扱われます。つまり、
学校は不適切な対応に何も気づかず、
気づかないから変わっていかないのです。
むしろ「良きこと」として伝承されてしまう場合も。
子どもがより良い環境で学ぶために、
保護者の声を伝えるのは
大切なことではないでしょうか。
では、どのように、
伝えていくといいのでしょうか。
■感情的になっている間は動かない
怒りで頭に血が上っているような時は、
行動を起こさないようにしましょう。
例えば「子どもがいじめにあっている」
と知った時などは、カーッときやすいものですが、
感情にまかせて動くとトラブルが
大きくなってしまいます。
喧嘩腰にならないことは、
建設的な解決に向けて最低限注意したいものですね。
まずは冷静になって、情報を集めましょう。
子ども自身に詳しく聞くのもいいですし、
子どものお友だちや
ママ友などから周辺情報を聞き出すことで
全体像が見えてくるかもしれません。
■問題を明確にする
学校に、何について伝えたいのかを明確にしましょう。
「もっとはよ言えや」なのか「どないなってんねん」
なのか「なんとかせえや」なのか……。
まずは、学校のどのような対応にカチンときたのか、
学校にどうしてほしいのかを整理しましょう。
腹が立つと、あれもこれも……と、
これまで溜めてきた色々な不満が出てくるものです。
しかし、それを一気に伝えるのは、
おすすめしません。内容がぼやけて
「不満の多い親」だと思われてしまいます。
また、芋づる式に出てくる不満は関連していることが多いため、
1つの問題が解決すれば自然に解決していくことが多いのです。
「一度に伝えるクレームは1つ」が効果的です。
■誰に伝える?
問題が明確になったら、誰に伝えるのかを考えましょう。…
「クレームを伝える」と思うと
肩に力が入って攻撃的になりがちですので、
「問題の解決方法について相談する」
とシフトチェンジしてみるといいでしょう。
問題の性質や関わっている先生などにより、
伝える相手は、担任だったり、
学年主任だったり、教頭や校長だったりすると思います。
基本的には「子どもに近い順」がいいと思います。
役職を飛び越えられると「プライドを傷つけられた」
とヘソを曲げる先生もいるので注意しましょう。
ただ、担任についてのクレームの場合、
上の役職の先生に相談することもあるかもしれませんよね。
誰に相談したら最も効果的かを考えましょう。
教育委員会などに情報を流してコトを大きくするのは、
学校に相談しても誠実に対応する姿勢が見られなかった時など、
「対決やむなし」といった時の最終手段だと思っておきましょう。
■手段を決める
誰に何を伝えるか決まったら、伝える手段を考えましょう。
電話がいいのか、直接学校に出向くのか、
子どもの連絡帳に書くのか、あるいは、
手紙を書いて子どもに渡してもらうのか。
これは自分がいちばん上手に伝えられる方法を選びましょう。
電話だと感情的になってしまうけれど、
相手の顔を見ながらだと冷静に話せる人もいますよね。
話し下手で面と向かうと思ったことが言えない人は、
手紙を書くほうがいいでしょう。
言いたいことを箇条書きにしておくのもおすすめです。
「言い忘れた」と後悔することが少なくなります。
筆者は、直接口頭で伝えるときも、
一度手紙の形で書いてみます。
文章にすると問題が整理できて冷静になれるからです。
■個人名は名指しする
いじめなどの子ども同士のトラブル、
または先生の不適切な行為などについては、
こちらが持っている情報を全部伝えましょう。
個人名がわかっているなら、名指ししましょう。
当事者が誰かわからない場合、
学校はなかなか動けません。
内容によっては「調査」をすることになるでしょうが、
その過程で話が知れ渡り、問題が大きくなってしまうことも
少なくありません。問題を必要以上に大きくせず、
早い段階で適切に手を打ってもらうためには、
知っている情報は伝えたほうがいいようです。
信憑性が疑われる場合は、
そのことも一緒に伝えればいいのです。
なお、匿名でクレームを伝えるのはおすすめできません。
匿名にしても、誰の親からのクレームか
学校側はだいたいわかるからです。
匿名で不満を伝えたい、言い換えれば、
匿名で伝えるレベルの不満であるなら、
学校やPTAからのアンケートが回ってきた時を利用しましょう。…
■上手に伝える順番がある
クレームは、「事実」→「気持ち」→「提案」の順に伝えましょう。
まずは、何があったのかを客観的に伝えます。
客観的事実を伝え、なるべく主観を交えない方がいいでしょう。
子どもからの情報であれば、
「子どもがこう言っていた」と、
子どもの言葉をそのまま伝えます。
次に、そのことについてどう思っているかを伝えます。
どのように困ったかを具体的に伝えたり、
そのことを知ってどんな気持ちになったかを、
「私は」を主語にして気持ちを伝えましょう。
学校と対決する気持ちがないのであれば、
激しい怒りは直接ぶつけず、「戸惑い」や「心配」、
「ショック」や「残念」といった表現にして
伝えるといいかもしれません。
そして最後に、学校に何をしてほしいのかを伝えましょう。
学校に丸投げするのではなく、
解決するために家庭でできること、
学校と家庭とがどのように連携していけるかといった
視点も入れられるといいですね。
居丈高になることも、卑屈になる必要もありません。
子どもの学びを守るために、
伝えた方がいいと思うクレームは伝えましょう。
学校と家庭は、対等な関係であることが
大切なのではないでしょうか。
【子育てガイド:福田 由紀子】
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20151217/Allabout_20151217_10.html
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2015年12月17日 11時45分 (2015年12月17日 17時40分 更新)
いざ伝えようとすると、どう伝えていいのかわからない……
[拡大写真]
■伝えにくい、学校へのクレーム
学校に言いたいこと、ありますよね。
「明日、牛乳パック2つ持たせてください」といった
急な連絡だったり、子どもへの対応に
カチンときてしまったり。でも、
「これくらいなら……」と普段は
我慢している人が多いのではないでしょうか。
「モンスターペアレントだと思われたくない」
という気持ちもあると思います。
子どもを「人質に取られている」から言えない、
という声もよく耳にします。
人質という表現は物騒ですが、
クレームを伝えることによって、
子どもが不利益を受けたりしないだろうかという不安から、
言いたいことを我慢してしまう親は多いようです。
そこには、先生や学校への「不信」があります。
でも、クレームや要望は、伝えないと
「ないもの」として扱われます。つまり、
学校は不適切な対応に何も気づかず、
気づかないから変わっていかないのです。
むしろ「良きこと」として伝承されてしまう場合も。
子どもがより良い環境で学ぶために、
保護者の声を伝えるのは
大切なことではないでしょうか。
では、どのように、
伝えていくといいのでしょうか。
■感情的になっている間は動かない
怒りで頭に血が上っているような時は、
行動を起こさないようにしましょう。
例えば「子どもがいじめにあっている」
と知った時などは、カーッときやすいものですが、
感情にまかせて動くとトラブルが
大きくなってしまいます。
喧嘩腰にならないことは、
建設的な解決に向けて最低限注意したいものですね。
まずは冷静になって、情報を集めましょう。
子ども自身に詳しく聞くのもいいですし、
子どものお友だちや
ママ友などから周辺情報を聞き出すことで
全体像が見えてくるかもしれません。
■問題を明確にする
学校に、何について伝えたいのかを明確にしましょう。
「もっとはよ言えや」なのか「どないなってんねん」
なのか「なんとかせえや」なのか……。
まずは、学校のどのような対応にカチンときたのか、
学校にどうしてほしいのかを整理しましょう。
腹が立つと、あれもこれも……と、
これまで溜めてきた色々な不満が出てくるものです。
しかし、それを一気に伝えるのは、
おすすめしません。内容がぼやけて
「不満の多い親」だと思われてしまいます。
また、芋づる式に出てくる不満は関連していることが多いため、
1つの問題が解決すれば自然に解決していくことが多いのです。
「一度に伝えるクレームは1つ」が効果的です。
■誰に伝える?
問題が明確になったら、誰に伝えるのかを考えましょう。…
「クレームを伝える」と思うと
肩に力が入って攻撃的になりがちですので、
「問題の解決方法について相談する」
とシフトチェンジしてみるといいでしょう。
問題の性質や関わっている先生などにより、
伝える相手は、担任だったり、
学年主任だったり、教頭や校長だったりすると思います。
基本的には「子どもに近い順」がいいと思います。
役職を飛び越えられると「プライドを傷つけられた」
とヘソを曲げる先生もいるので注意しましょう。
ただ、担任についてのクレームの場合、
上の役職の先生に相談することもあるかもしれませんよね。
誰に相談したら最も効果的かを考えましょう。
教育委員会などに情報を流してコトを大きくするのは、
学校に相談しても誠実に対応する姿勢が見られなかった時など、
「対決やむなし」といった時の最終手段だと思っておきましょう。
■手段を決める
誰に何を伝えるか決まったら、伝える手段を考えましょう。
電話がいいのか、直接学校に出向くのか、
子どもの連絡帳に書くのか、あるいは、
手紙を書いて子どもに渡してもらうのか。
これは自分がいちばん上手に伝えられる方法を選びましょう。
電話だと感情的になってしまうけれど、
相手の顔を見ながらだと冷静に話せる人もいますよね。
話し下手で面と向かうと思ったことが言えない人は、
手紙を書くほうがいいでしょう。
言いたいことを箇条書きにしておくのもおすすめです。
「言い忘れた」と後悔することが少なくなります。
筆者は、直接口頭で伝えるときも、
一度手紙の形で書いてみます。
文章にすると問題が整理できて冷静になれるからです。
■個人名は名指しする
いじめなどの子ども同士のトラブル、
または先生の不適切な行為などについては、
こちらが持っている情報を全部伝えましょう。
個人名がわかっているなら、名指ししましょう。
当事者が誰かわからない場合、
学校はなかなか動けません。
内容によっては「調査」をすることになるでしょうが、
その過程で話が知れ渡り、問題が大きくなってしまうことも
少なくありません。問題を必要以上に大きくせず、
早い段階で適切に手を打ってもらうためには、
知っている情報は伝えたほうがいいようです。
信憑性が疑われる場合は、
そのことも一緒に伝えればいいのです。
なお、匿名でクレームを伝えるのはおすすめできません。
匿名にしても、誰の親からのクレームか
学校側はだいたいわかるからです。
匿名で不満を伝えたい、言い換えれば、
匿名で伝えるレベルの不満であるなら、
学校やPTAからのアンケートが回ってきた時を利用しましょう。…
■上手に伝える順番がある
クレームは、「事実」→「気持ち」→「提案」の順に伝えましょう。
まずは、何があったのかを客観的に伝えます。
客観的事実を伝え、なるべく主観を交えない方がいいでしょう。
子どもからの情報であれば、
「子どもがこう言っていた」と、
子どもの言葉をそのまま伝えます。
次に、そのことについてどう思っているかを伝えます。
どのように困ったかを具体的に伝えたり、
そのことを知ってどんな気持ちになったかを、
「私は」を主語にして気持ちを伝えましょう。
学校と対決する気持ちがないのであれば、
激しい怒りは直接ぶつけず、「戸惑い」や「心配」、
「ショック」や「残念」といった表現にして
伝えるといいかもしれません。
そして最後に、学校に何をしてほしいのかを伝えましょう。
学校に丸投げするのではなく、
解決するために家庭でできること、
学校と家庭とがどのように連携していけるかといった
視点も入れられるといいですね。
居丈高になることも、卑屈になる必要もありません。
子どもの学びを守るために、
伝えた方がいいと思うクレームは伝えましょう。
学校と家庭は、対等な関係であることが
大切なのではないでしょうか。
【子育てガイド:福田 由紀子】
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20151217/Allabout_20151217_10.html