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任天堂の凋落

2014年01月28日 12時34分26秒 | 学習支援・研究
「PS4」に完敗の任天堂、
「WiiU」はなぜゲーマーの心を掴めなかったのか

産経新聞
2014年1月21日(火)10:17

平成26年3月期連結業績予想の大幅な下方修正を発表した任天堂。
凋落(ちょうらく)の原因を探る。

20日午前9時。売り気配で始まった任天堂株は一時、
前週末比2710円安まで売られ、下落率は18%超に達した。

終値は900円安の1万3745円。
10日には昨年来高値を記録するなど高値圏にあったが、
「17日の業績修正発表で、任天堂の成長神話は崩壊した」(業界関係者)。



17日の発表で平成26年3月期連結営業損益を1千億円の黒字予想から
350億円の赤字に下方修正。売上高も
ピーク時の3分の1にまで減少する任天堂。
3期連続の営業赤字見通しとなったが、
深刻なのは「3期連続」よりも「円安なのに利益を出せなかった」(関係者)ことだ。

任天堂の海外売上高比率は7割を超える。
それだけに前期、前々期の赤字は円高が主な要因だったが、
今期は円安で自動車や家電など輸出業の多くが収益を改善する中、
任天堂は取り残された。
主力と位置付ける据え置き型ゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」をはじめ、
商品自体の売れ行きが伸びなかったためだ。

「年末商戦はゲーム機本体、ソフトともに売れなかった。
円安なのに利益を出せなかった責任を感じている」。
17日、大阪市内で会見した任天堂の岩田聡社長も認めた。

スマホに顧客奪われ

任天堂は、年に数本しかソフトを買わない「ライトユーザー」に支えられてきたといわれるが、
その多くがスマートフォン(高機能携帯電話)向けのゲームに移行。
危機感が募り、ゲーム専用機で熱心に遊ぶ「ゲーマー」を獲得するため
平成24年12月にWiiUを発売したものの、販売はふるわない。
特に主戦場の海外で売れず、今期の販売目標を900万台から280万台にまで引き下げ、
「ゲーム専用機は過去の遺物」と言い放つ専門家も出るほどだった。

ところが、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が
昨年11月に欧米で発売した据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」は、
1カ月あまりで420万台を販売。
1年先行して発売したWiiUの累計販売は500万台とみられ、その差は歴然だ。
PS4の空前のヒットは、スマホが浸透してもゲーム専用機に
いまだ潜在需要があることを証明してみせた。

「ゲーマーはPS4」

なぜ、WiiUはゲーマーの心をつかむことができなかったのか。
専門家はその理由をインターネットとの連携を含めた「性能不足」とみる。
WiiUの性能は、PS4の1世代前のPS3とほぼ同等とみられている。
ソフト開発会社の間では「性能的に時代遅れのゲーム機」との評価が定着し、
PS4並みの最新ソフトを開発してもWiiUが対応できず、敬遠されがちという。
このため、魅力的なソフトが登場せず、
本体も売れないという悪循環に陥っているというわけだ。
携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」は好調を維持しているものの、
主流の据え置き型ゲーム機が売れないと、収益改善はおぼつかない。

一方、ライバルのSCEは、今夏からネットを通じて情報を処理する
「クラウド技術」を活用してゲームを配信する「PSナウ」のサービスを開始。
時代の最先端を行く姿勢はゲーマーの支持を得ている。

PS4は来月22日、日本でも発売される。
「ゲーマーはPS4、ライトユーザーはスマホ」という流れが出来上がりつつある中、
任天堂がこの劣勢を覆すのは容易ではない。

【用語解説】
WiiU
据え置き型ゲーム機「Wii」の後継機。
6・2インチの液晶画面を備えたコントローラーが特徴で、
日本では平成24年12月に発売された。
任天堂のゲーム機としては初めてフルハイビジョン画質に対応している。
価格は2万6250~3万1500円。

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20140121523.htmlより


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