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大学の授業にかかわる話題

授業日誌・キャリア・学びのスキルについて

就職活動 学生の志向に地域性は

2015年12月23日 18時24分00秒 | キャリア支援
就職活動 学生の志向に地域性は!?
経済界
2015年12月13日 12時00分 (2015年12月13日 17時55分 更新)



ローカル本や、地域性に着目したバラエティ、
県民性による性格判断等々を楽しむ方も多いかと思うが、
日本狭しと言えど、地勢や自然環境は多様であり、
それぞれの歴史やそこから生じた風習・生活様式、
さらには現在盛んな産業などから、
考え方や気質も異なっている。
たとえば、文理選択を迷う高校生に対し、
工業が盛んな東海地方では『理系』を、
近代日本の転換期に多くの政治家・経済人を輩出した九州地方では
『文系』を薦めるという話など、
教育に関する志向・方針にも、地域間による差異があるようだ。
では、「企業」「就職」に関する志向はどうだろう?
 
直近数年では、景況感・求人倍率の上昇により就活生の「大手志向」
「安定志向」は高まっているが、地域別の志向はどうだろうか。
全国7地域に分けて、傾向を探ってみよう。[提供:経営プロ]

「大手志向」は大都市で高い
17年度卒では、67.3%が「絶対/できれば大手に行きたい」と回答している。
地域別に見ると、大手志向が最も高いのは「関西」(75.0%)、
次に「関東」(68.1%)となっており、
大手企業の本社が多く存在する大都市を抱える地域では
大手志向が特に高い傾向となった。
 
一方、最も回答が少なかった中国/四国(37.5%)であり、
「関西」の半分の回答率である。
各地域における企業の存在が影響した結果であると考えられる。

では、「安定志向」についてはどうだろう。
「『会社の魅力』で最も重視するものは何か」と質問をしたところ、
全体で最も回答を集めた項目は「安定している」(39.7%)、
次に「経営者・ビジョンに共感」(28.8%)と続いている。
全体回答上位2項目についての各地域の回答比率は下記である。
■安定している(全体: 39.7%)
1位:中国/四国 :50.0%
2位:東海    :49.0%
3位:近畿    :45.7%
4位:関東    :38.0%
5位:北海道/東北:35.4%
6位:九州/沖縄 :30.6%
7位:信越/北陸 :28.6%

■経営者・ビジョンに共感(全体:28.8%)
1位:信越/北陸 :33.3%
2位:関東    :31.2%
3位:近畿    :31.0%
4位:北海道/東北:25.0%
5位:九州/沖縄 :20.4%
6位:東海    :19.6%
7位:中国/四国 :8.3%
 
「安定している」の回答率が高いのは、
「中国/四国」「東海」であり、全体回答より、
1割程度、回答率の低い「九州/沖縄」
「信越/北陸」と2割程度の乖離がある。…

一般的に「安定志向」といわれるが、
地域ごとの特徴はあることが分かった。 また、
「安定志向」が高い地域では、
「経営者・ビジョンに共感」の回答率が低いのも特徴である。
「新卒一括採用」といえど、
自社の採用戦略を練る際には、
活動地域の地域性への考慮も必要な要因かもしれない。

【調査概要】
調査主体:みんなの就職活動日記(楽天株式会社)
調査企画:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:2016年卒業予定の大学生・大学院生
調査方法:WEBアンケート
調査期間:2014年11月20日~11月26日
有効回答:839名(文系562名、理系277名)

http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20151213/Keizaikai_18851.html

人工知能の発達で“消える”職業

2015年12月21日 10時15分44秒 | キャリア支援
人工知能の発達で“消える”職業
プレジデントオンライン
2015年12月8日 08時45分
(2015年12月9日 10時11分 更新)

人間よりはるかに高い知能の誕生は2045年?
2015年初頭、NHKが「NEXT WORLD 私たちの未来」
と題して放映した番組に大きな反響があったという。
番組の一部は30年後の45年を扱った近未来ドラマだが、
米国の未来学者レイ・カーツワイルによれば、
この45年という年に、世界は技術的特異点
(シンギュラリティ)に達するという。
技術的特異点(以下、特異点)とは、いう人によって
多少のニュアンスの差があるが、
人間よりはるかに知能の高い超知能が誕生する時点である。
超知能は機械に補助された人間かもしれないし、
あるいは機械知能かもしれない。
前者の場合は超人類(トランスヒューマン)と呼び、
後者なら機械超知能である。超人類は生身の人間ではなく、
地頭を人工知能で補強したサイボーグである。
1人の普通の人間の知的能力を1H(ヒューマン)と定義すると、
カーツワイルによれば、人工知能の能力は29年には
1Hを突破し、45年には10億~100億Hになるという。
この数字は全人類の人口に匹敵する。
したがって、特異点では人工知能の能力が、
全人類の知的能力の総和に匹敵するということもできる。
ここで、人工知能を狭い(弱い)人工知能と
汎用(強い)人工知能の2種類に分類してみよう。
狭い人工知能とは特定目的の人工知能であり、
汎用人工知能とは人間のように常識を持ち、
なんでも一応はこなせる広い知的能力を持った人工知能である。
現在、世界に普及している人工知能は
すべて狭い人工知能である。
たとえばチェスの世界チャンピオンを破った
IBMのディープ・ブルー、ジョパディ! 
というクイズで人間のチャンピオンを破ったIBMのワトソン、
iPhoneに搭載されているバーチャル・アシスタントのSiriなど。
グーグル検索でも、アマゾンでの買い物でも、
背後にはこの狭い人工知能が働いている。
狭い人工知能は人間のような意識を持っておらず、
哲学的な観点から弱い人工知能と呼ぶこともあるが、
特定分野では人間よりはるかに強力なのだ。
現在のコンピュータは、ある分野では
人間をはるかに凌駕する。たとえば
計算能力を取ると、10ペタフロップスの能力を持つ
京コンピュータは1秒間に1京回の浮動小数点演算
(小数点を含む計算)をこなす
(1京とは1の後ろに0が16個並んだ数字)。
人間なら1秒に1回も計算できないだろう。
つまり計算能力では、コンピュータの能力は
人間の1京倍以上あるといえる。…

またビッグデータの解析でも、
コンピュータは人間の能力をはるかに上回っている。
コンピュータは何千万ものデータを解析して、
人間には気づかない傾向を見つけたりする。
ところが二足歩行を考えると、
ロボットの歩き方はヨチヨチ歩きであり、
子供程度の能力しか持っていない。
パターン認識の能力を取っても、
人工知能は人間に敵わない。
たとえば、犬と猫の区別は3歳の幼児でも簡単にできるが、
コンピュータには難しい。
12年にグーグルの人工知能が猫を認識したと話題になった。
グーグルは1000台のコンピュータに、
動画投稿サイトYouTubeから取った1,000万の静止画像を見せて、
3日間学習させた。手法は
教師なし深層学習(Deep Learning)というものである。
その結果、コンピュータのモニターに
猫の顔が浮かび上がった。
つまりコンピュータが猫を認識したというわけだ。
これは確かにすごいことである。
が、人間の子供なら3歳の幼児にでもできるし、
そもそも人間の子供は1000万もの猫を見て学習するわけでもない。
つまり人間はパターン認識において、
人工知能よりはるかに優れているのである。
先に述べた汎用人工知能とは、
このように人間がコンピュータより優れている特徴、
たとえばパターン認識力や一般常識などを備えた人工知能だ。
現在の人工知能研究は圧倒的に狭い人工知能に集中しているが、
一部の研究者は人間並みの知能を持つ人工知能の完成を夢見ている。
米国のある研究者はあと5年で完成可能といい、
日本のある研究者は20年代前半の完成を目指す。
汎用人工知能研究の大御所によれば、
頑張ればあと10年。前出のカーツワイルは
29年に完成するという。14年先だから、
十分に可能な気がする。
この時点、つまり人間並みのパターン認識能力と
常識を備えた、1Hの能力の汎用人工知能の完成の
時期を前特異点と呼ぶことにする。
すると、これからの歴史は15年から29年までのほぼ15年間と、
30年から45年の特異点までの15年間、
さらに特異点以後という3つの期間に分けることができる。
当面、我々にとっての関心事は15~29年。
特定の分野において、人間よりはるかに優れた
狭い人工知能が爆発的に発展していくことにより、
人間社会に大きな影響が及ぶ期間である。

家政婦が当面、機械に取って代わられない理由
その影響とは何かというと、技術的失業である。
技術的失業とは英国の経済学者ケインズが唱えた概念で、
技術の進歩により人間が失業することをいう。…

具体的には約250年前から始まった産業革命、
1980年代に工場にロボットが広範に導入された
オートメーションの時代、それに
人工知能の発達により知的労働が脅かされつつある現代である。
産業革命の時代には、機械に職を脅かされた労働者たちが、
機械打ち壊し運動(ラダイト運動)を行ったが、
さほど広がらなかった。機械の導入で生産性が向上し、
社会がより豊かになり、新しい職が生まれたからだ。
オートメーション革命は現代まで続いている。
工場で肉体労働をする労働者の数は減ったが、
その分、オフィスにおける知的な労働が増えて、
労働者はそこに吸収された。
実際、現在の労働者といえば、農業、
漁業などの肉体労働、工場における肉体労働は
むしろ少数で、多くの労働者はオフィスで働く知的労働者である。
現在進行している人工知能革命は、
そのオフィス労働者の地位を危うくする。
また人工知能を搭載したロボットの発達は、
肉体労働者の職域をさらに奪っていく。
もちろん、人工知能とロボットの発達は、
生産性を上げて社会をより豊かにするし、
新たな職業も生まれるであろう。
問題はその変化があまりに急速であるので、
労働者がそれについていけないことである。
今まで事務所で帳面付けをやっていた中高年の労働者が、
人工知能にその仕事を奪われて失業し、
明日からプログラマーになれといわれても、到底無理だろう。
ここでの議論は、人工知能とロボットが
まだ人間並みには達しない、前特異点以前の時代に話を絞る。
これから10~15年先の話である。
そのときに人工知能やロボットにできる仕事と
できない仕事とは何だろうか。
できる仕事は単純な繰り返し作業、
定型的な仕事である。
できない仕事とは何か。
ロボットの例がわかりやすい。
ロボットがやりやすい仕事とは、
繰り返しの多い単純な作業である。
逆に単純でない仕事はロボットには難しい。
たとえば家の掃除を例にあげる。
ルンバのような人工知能を備えた掃除機がある。
しかしルンバは平坦な床を掃除するだけで、
階段を上ったり、狭い隙間を掃除したり、
いわんや机の上は掃除できない。
そのように家の掃除というのは、
実はかなり高度な作業なのである。
だから家政婦のような職業は、当面、
機械に取って代わられることはない。
実は、ロボットがその仕事をできたとしても、
企業家の立場からすれば、機械と
人間のどちらが安いかによって、
人間を雇うかロボットを導入するかを決定する。
ロボットの値段が高いうちは、
人間の肉体労働はなくならない。…
しかし人間の労働に対する対価、
つまり給料を低下させる要因となる。
人間のほうが安ければ、企業家は人間を雇うのである。

トップと一番下は“安泰”、中間の職種が“不安定”
もう1つの要因は、労働問題だ。
アップルはiPhoneの生産を台湾の企業に委託し、
その台湾の企業は中国で100万人もの労働者を雇用している。
しかし労働環境があまりに劣悪で、
労働者による労働争議が起きた。
それに対する台湾企業の経営者の対応は、
100万台のロボットを導入して、
労働者に置き換えるというものだ。
一方、人工知能に(当面は)できない知的な仕事とは、
企業のトップの意思決定、科学者の科学研究、
芸術家の創作活動、知的活動ではないがスポーツ選手などであろう。
たとえばロボットに相撲を取らせたり、
野球をさせたりしても面白くない。
茶道をロボットがしても味気ない。
これらの知的な仕事、創造的な仕事は当面は安泰である。
つまり安泰な仕事とは、
高度で知的・創造的な仕事と、それとは逆に
低度ではあるが、ロボットや人工知能にできないか、
あるいはやってほしくない仕事である。
安泰でない仕事は定型的な知的・肉体的労働である。
具体的にはオフィスにおいて、トップでもなく、
一番下でもない、つまり中間の職種なのだ。
このようにトップとボトムが安泰で、
中間が不安定であることを、仕事の安定性のU字カーブという。
英オックスフォード大学の研究者は
米国の702の職種についてコンピュータ化による失業の確率を計算した。
その結果、米国の雇用の47%が危機にあるという。
その失業のU字カーブを図で示す(図参照)。



図の凡例で上のほうの職種がより安泰、
下のほうが不安定である。
図の右側の高いと記した部分は
コンピュータ化される確率が高く、
失業しやすい部分であり、ここが
米国全体の雇用の47%を占める。
サービス、セールス関係、事務職とその補助が多い。
逆にコンピュータ化が困難な仕事は左端であり、
全雇用の33%を占める。
読者の方々の属する業界の先行きに見当をつける際の参考となるのではないか。

神戸大学名誉教授 松田卓也=文 
平良 徹=図版作成

http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20151208/President_16795.html

住宅ローン繰上げ返済する? 貯蓄に回す?

2015年12月20日 22時42分08秒 | キャリア支援
住宅ローン繰上げ返済する?
貯蓄に回す? お得なのはどっち?

All About
2015年12月8日 21時45分
(2015年12月8日 22時40分 更新)



ボーナスの使い道としてお得なのは、貯蓄」か「住宅ローン繰り上げ返済」か……
[拡大写真]


消費税増税もあり、昨今は住宅ローンに対する関心が高まっています。
ボーナスと住宅ローンの組み合わせで必ず議論となるのが、
「貯蓄する」か、「住宅ローンの繰上げ返済にあてる」か、です。
お菓子の「きのこの山」VS「たけのこの里」論争と同じくらい、
永遠のテーマとなっているのではないでしょうか。

そこで今回は、住宅ローン繰上げ返済にして得な人は
こんな人!という1つの答えをご紹介したいと思います。

前提
まず前提として、住宅ローンを組む際に
ボーナス併用の返済計画にするかの是非について整理しましょう。

ボーナス併用の返済は、転職時・企業業績変動で、
支払い困難な事が起こる可能性があります。
ですから、貰えるかどうかやや不安定なボーナスという
収入をあてにしたような高額な(特に住宅ローンの)
借入返済計画を立てることは、
できる限り避けた方がよいと、
個人的には考えています。

ボーナスを返済計画に組み込むことで月間の返済は
「一次的に」楽になりますが、ボーナスはずっと
同じ金額が支給されるという保証はありません。

ですから、今後長期にわたり、
「ボーナスが予定通り払われるか?」を気にする、
「審判の日」を半年に一回待たなくてはいけなくなります。
ですから、個人的には、月々の給与で
堅実に支払うローン返済計画を組むことをお勧めします。

貯蓄VS繰上げ返済、どちらがお得?
単純に貯蓄と住宅ローンを比べると、
住宅ローンにかかる金利の方が、
預金口座に預けてつく利子よりも
高額となるケースが多いと思います。
ですから、損得だけを考えると、
銀行での預金は意味が無いように思えます。
早めに支払ってしまった方が、お得と言う訳です。

しかし、仕事の収入が減ったり、
ボーナスが支給されないなど、
不測の事態は将来起こるものです。
また、やむを得ず転職することもあるかもしれません。
そのような時に、余力として、貯蓄しておいたものが、
どれだけ生活と精神的な保全になるか、計り知れません。

また、住宅ローンとは別に、
旅行など何かやりたいことがあり、
それに向けてお金を用意したい、
という人も多いかと思います。

ですから、住宅ローンだけに振り回されず、
自分の長期的な人生設計に向けて、
ボーナスの使い道を考えるべきでしょう。

では住宅ローン返済ではボーナスを使わない方が良いか?
いいえ、そんなことはありません。
支払いに組み込むのは危険ですが、
繰上げの返済に一部を使用するのは有効です。…

ただし、全額でなく、支給額や、
先に触れた人生設計にもよりますが、
50%程度で余力を持つのが良いようです。

繰上げ返済に、手数料がかかる場合もありますが、
その後の金利支払いを考えると得なケースが多いと言えます。

結論! ボーナスを繰上げ返済に回すと得な人
以上、前提や考え方が多くなってしまいましたが、
以下の様な人は特に、ボーナスを繰上げ返済に回すと得な人、
と言えるでしょう。

・月収がボーナスよりも多い人
・ボーナスがなくてもローン返済ができていて、生活に余裕がある人
・ボーナスがいつもより多かった人

これらの人はボーナスが完全な余力ですので、
繰上げしたほうが得です。特にボーナスが思いの他多かった人は、
多かった分を返済に回しましょう。

また、繰上げ返済をして損になることは、
「預金金利よりローン金利が高い」ため基本的にはない、
と説明しましたが、以下のようなことが心配な人は、
貯蓄に多めに回す方が合っていると言えます。

・ローン返済計画にボーナス併用をしている人
・仕事上の収入の変動が激しい人
・転職など、将来の「不測の事態」が心配な人

いかがでしたでしょうか? ぜひ参考にしてください!

(カマー ラッセル)

http://www.excite.co.jp/News/column_g/20151208/Allabout_20151208_9.html

大学のスローガンは同じような文言ばかり

2015年12月20日 00時55分47秒 | キャリア支援
なぜ大学のポスターは
「世界にはばたき」「未来を拓く」ばかりなのか

ITmedia ビジネスオンライン
2015年12月7日 08時00分 (2015年12月7日 08時10分 更新)

大学のスローガンは同じような文言ばかり


前回は、日本の飲食・食品・製造業界にはびこる
「こだわり」という名の妖怪(=手垢にあみれた決まり文句)を扱った。
そのような決まり文句は、あってもなくても同じ空気のような存在の言葉だ。
だから「空気コピー」と呼ぶことにした。
「こだわりの××」というフレーズは
現在の日本においてはまさに「空気コピー」だ。
何の役割も果たしていない。
お客さんの心を1ミリも動かさない。
あってもなくて同じ。いやないほうが圧倒的にいい言葉なのだ。
それにもかかわらず、日本の多くの飲食店や食品会社は、
何も考えずに使いまくっている。まさに「こだわりバカ」状態だ。

「空気コピー」は、何も「食」を扱う業界だけの専売特許ではない。
例えば、日本全国各地にある大学のスローガン(※)
などもまさに「空気コピー」のオンパレードだ。

※スローガン=コーポレートメッセージ、
ブランドステートメント、ブランドプロミス、
タグラインなどさまざまな言い方がある。

あなたもきっと、駅などで大学の広告ポスターを見たことがあるはず。
しかしそこに何が書かれていたか覚えている人はほとんどいないだろう。
なぜなら、大学の広告ポスターの多くは、
キャンパスにいる学生の顔の写真と「空気コピー」で構成されているからだ。

そのようなポスターや看板を見かけると、
私は思わず写真を撮ってしまう習慣がある。
何を隠そう私は、大学広告界における「空気コピー」のコレクターなのだ。
地方に出張に行くと、その土地でしか採集できない
大学のポスターに出くわすので思わずにんまりしてしまうくらいだ。

空気コピーとしてスルーされるだけ

そうやってコレクションした大学のスローガンの一部を見てもらおう。
(大学全体ではなく一学部のスローガンも混じっています)
「世界へ、そして未来へ」 
「日本の未来、世界の舞台へ翔こう!」 
「Lead the Way自分、世界、そして未来を拓く」
「世界を知る。世界で学ぶ。世界とつながる」
「多彩な学びとその先の未来へ」 
「世界をみつける」
「未来をみつける」 
「ここに集い、世界に旅立つ」
「ともに学び、探求し、共に世界を切り拓く大学」
「その先の自分を創る」
「GO GLOBAL! 」 

いかがだろう? 
このフレーズからどこの大学のものか想像つくだろうか? 
個々のスローガンの優劣を論じているわけではない。
ただこうやって並べてみると、
いかに似た言葉が使われていて、
それが空気のような言葉になっているかが分かるだろう。…

大学のスローガンにおける妖怪(=手垢がついた決まり文句)は
「世界」「未来」「学び」「自分」などの名詞と、
「はばたく」「拓く」「みつける」「創る」
などの動詞の組み合わせたものだ。
それで「空気コピー」ができあがる。

極端にいえば、学生やキャンパスの写真に
これらの言葉を組み合わせて構成すれば、
大学のポスターは「一丁あがり」だ。
しかし、こんなポスター、誰も真剣に見ないし、
記憶にもまったく残らない。
お金をドブに捨てているのと同じだ
(制作している広告代理店や制作会社の実入りにはなっているだろうが)。

それぞれの大学が言おうとしていること自体は間違っているわけではない。
どの大学も、学生たちに「世界にはばたいてほしい」
と真剣に思っているだろうし、
「未来を拓いてほしい」と本気で思っているだろう。

しかし残念ながら、そのような大学側の思いは
誰にも伝わらない。空気コピーとして
スルーされるだけだ。
もちろん、毛色の違った言葉を使っているスローガンもあるにはある。
しかしどうしても「その大学でなければならない言葉」
に出会うことはほとんどない。

大学の空気コピーはなぜうまれるか?

それぞれの大学の名誉のために言っておくと、
前ページのようなスローガンは、
決していい加減に決めたわけではないはずだ。

私自身、ある大学のスローガン設定に関わったことがあり、
このような文言が簡単には決まらない
というということを身に染みて知っている。
理事長・学長、執行部の承認はもとより、
教授会やOB会をはじめいろいろなステークホルダーが存在し、
様々な意見が寄せられる。
ポジティブなものならいいが、
多くはネガティブな視点でチェックするものだ。
規模の大きな大学になればなるほど、
簡単には決まらないものなのである。
そんな難関をくぐりぬけてきた言葉なのだ。

そもそも最高学府の教授や職員がその英知を集結して
(外部の優秀なブレーンの力を借りて)、
何とか少しでも自分の大学をよく思ってもらいたい
という一途な思いで産み出したはずの言葉である。
それが、こんな風にどこも同じような
「空気コピー」になってしまうのはなぜだろう?

理由は3つ考えられる。
(1)集合知によって無難なものになっていく
このようなスローガンが決まるまでに、
多くの人からの意見が寄せられる。
前述したようにネガティブチェックも数多く入る。
すると、どうしても当たり障りのない無難なもの
(どうでもいいもの)になっていく傾向がある。…

(2)自分の大学ことしか考えていない
多くの大学では視野が内向きになってしまっている。
つまり、スローガンを考えるときに、自分の大学のことしか考えない。
他の大学との差別化など競合という視点がない。
どこの大学も目指す目標にそんなに大きな差があるわけではないので、
結果としてどこも似たような空気コピーが生まれてくる。

(3)そもそも広告の効果がほとんどない
大学のイメージを変えるにはかなり長い時間が必要になる。
どんなにいい広告・広報活動をしたとしても
完全にイメージが変わるのは
一世代が替わるくらいの年月が必要だ。
一般企業のように広告の優劣によって、
すぐに売り上げが大きく変わるなどということもない。
そのような理由から、空気のようなポスターでも「ま、いいかと」なる。

以上のような理由で、大学のスローガンは「空気化」していくと考えられる。
これはお役所が発信する言葉の多くが「空気化」するのと同じ原理だ。

言葉を強くする3カ条
言葉を空気化させないためには、普段から意識して
「強い言葉」を使う習慣を身につける必要がある。
そう、言葉には強い・弱いがあるのだ。
「強い言葉」とは、「印象に残る」「心に刺さる」
「行動したくなる」ような言葉である。
「弱い言葉」とは、「手垢がついた」「ありきたりな」
「心が動かない」ような言葉だ。

残念ながら、具体的にこの言葉を使えば
必ず強くなるというような魔法の言葉は存在しない。
言葉の強い弱いは、使われる場面によって大きく変わるからだ。
ある場面では強い言葉が、ある場面では弱くなることも珍しくない。

例えば、ダイエット本などの実用書などで
よく使われる「魔法の」「奇跡の」というような言葉。
本のタイトルとしては「強い言葉」になることも多いが、
例えばビジネスの現場では「信用できない」
「怪しい」と思われてしまう。
「弱い言葉」になってしまうのだ。
大学のスローガンでも同じだ。
「魔法の大学」がスローガンの大学では、
目立ちはしても誰も本気で行きたいとは思わないだろう。

このように場面によって言葉の強い弱いは変わってくるが、
最低限以下の3つのポイントを注意だけでも
言葉が強くなる可能性が高まる。

言葉を強くするための3カ条

(1)決まり文句を避け、できるだけ具体的に書く。
(2)言葉の化学反応を考える。
(3)圧縮して言い切る。

言葉が強くなる可能性
順番に見ていこう。

(1)決まり文句を避け、できるだけ具体的に書く
決まり文句とはこの連載で取り上げているような手垢のついた文言のこと。…
このようなフレーズを使うと言葉はてきめんに弱くなる。
例えば、以下のようなお店の紹介文があったとする。
当店ではくつろぎの空間で
こだわりの鍋料理をおもてなしの心で提供しています。

これでは、鍋料理を提供する店なら、
どこでも流用できる典型的な空気コピーだ。
これを少しでも強いフレーズにするには、より具体的に書くことだ。
「お座敷に掘ごたつで完全個室。
名物『鰯のつみれ』が自慢のちゃんこ鍋で
心の芯まで温まれます」といった感じで。

大学のスローガンでも考え方は同じだ。
「世界」「未来」「はばたく」「拓く」
などの言葉をより具体的に変更するだけでも、
強い言葉になる可能性はある。

(2)言葉の化学反応を考える
異質な言葉同士が組み合わされると、
お互いが化学反応をおこして強いフレーズになることがある。

例が少し古いが、2009年にトヨタのテレビCMで使われ流行語にもなった
「こども店長」は典型的な例だ。
「こども」も「店長」もそれぞれは平凡な言葉だが、
組み合わされると化学反応がおこって「強い言葉」になった。
同じころ、流行語になった「草食男子」「肉食女子」もそうだ。
普通は人間には使わない「草食」「肉食」という言葉と、
「男子」「女子」との組み合わせが新鮮で「強い言葉」になる。

大学のスローガンを強い言葉にした
前述した大学のスローガンで考えてみよう。
「世界」という陳腐な言葉であっても、
言葉の組み合わせ次第では
少しは引っ掛かりのある「強い言葉」になる可能性はある。
例えば、一般的に「大学」は「学ぶ」場所であるから、
その反対語の「遊ぶ」という言葉を組み合わせてみる。

世界で遊ぶ人、募集。○○大学
どうだろう? 「世界にはばたく」よりは、
少しは引っ掛かりのあるフレーズになったのではないだろうか? 
(3)圧縮して言い切る
言葉は、短く圧縮して言い切ったほうが強くなる。
例えば、ドラマなどで主人公の強烈なキャラクターを表現するために、
圧縮して言い切るセリフが使われることが多い。

2005年に原作の漫画がドラマ化された『ドラゴン桜』では、
阿部寛さん演じる主人公・桜木建二が言い切る強いセリフを連発した。
中でも第一話のタイトルにもなっている桜木のセリフ
「バカとブスこそ、東大へ行け!」は
非常に印象に残る強いフレーズだった。

本来の意味合いとしては、「とりえや才能がなかったり、
やりたいことが見つかってないからこそ東大に入っておくべきだ。…
あとから何かしたいと思った時に就職にも有利だし
いろいろな可能性が高まる」ということだろう。
それを短く圧縮して言い切ったからこそ、
ストーリーを象徴するような強いセリフになっているのだ。

これを真似て、以下のようなキャッチコピーが書かれた大学ポスターがあったら、
とりあえず目をとめて内容を見てしまうと思うのだが、どうだろう?
バカとブスこそ、うちへ来い。○○大学

(川上徹也)

http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20151207/Itmedia_business_20151207020.html

国立大授業料93万へ 文科省試算

2015年12月18日 10時28分56秒 | キャリア支援
国立大授業料93万へ 
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国立大授業料、54万円が93万円に 
2031年度試算

(朝日新聞) 09:08

大学授業料の推移


大学授業料の推移(朝日新聞)
文部科学省は1日、年間約54万円の国立大学授業料について、
2031年度には93万円程度に上がるという試算を示した。
大学の収入の核となる国の運営費交付金が
大幅に減らされる可能性があり、
大学が減らなければ、授業料で減収分を賄う必要性があるという。

財務省は、全86国立大学の収入の3〜4割を占める運営費交付金
約1兆1千億円を31年度までに約9、800億円にする方針だ。
この日の衆議院文部科学委員会の閉会中審査で、
畑野君枝委員(共産)が、減収となった際の対応を尋ねた。

文科省の常盤豊・高等教育局長は
「授業料で賄うとして試算すると(31年度には)約93万円。
年間2万5千円の値上げが必要」と答えた。
馳浩文科相は「学生になるべく教育費負担をかけないようにする必要がある」
として、来年度予算で交付金の額を
充実する考えを示した。