……と,初の雑文公開です。何やら拙い文章ではあるのですが,どうか寛容な気持ちで読んで下さい。感想,批評などお待ちしてます。
「死の体感」
奈伽塚ミント
「――何?苦しまずに死を体感したい?」
彼は驚いたような声を発した。
まあ,当然といえば当然の反応だろう。
誰だって,こんな相談をされれば驚くに決まっている。
「う~ん?そうだな……」
しかし,彼の違うところはそこで真面目に相談に乗ってくれるところだ。
「お前,自殺したいの?それなら例えば,睡眠薬を過剰摂取すると案外楽に逝けるとかっていうけど……」
確かにそんな話は聞いたことがある。だけどそんな答えを求めてるんじゃない。
彼も私の表情から,それを察したのだろう。
いつものようにニヤリと笑って,
「分かってるよ。こんな普通の答えじゃ納得できないって言うんだろ?」
頷き返す。
それじゃあ,と言って彼は答えを返してきた。
「それならやっぱりこれしかないだろ。
……誰かを殺す。違うか?」
ああ,それだ。それこそ私の求めていた答えだったのだ。
私は歓喜に身が震えるのを感じた。
「どうだ?納得したか――っ!」
彼が驚いたように私を見つめる。
そして自分の腹部に手を当てる。
彼の手は一瞬のうちに真っ赤な血で染まった。
それもそのはず。彼の腹部には深々とナイフが私の手で衝きたてられていた。
「――な。ど,どうして?」
どうして?って,アナタが教えてくれたんでしょう?『苦しまずに死を体感する方法』。
彼は怒るでもなく,恐れるでもなく,不思議そうな顔で倒れ伏した。
「――きゃあ~っ!」
誰かの叫ぶ声が聞こえる。
今の私には,それが近くで響いたのかそれとも遠くだったのか?そんなことすら分からない。
そんなことよりも,目の前の『死』を感じることが楽しくてたまらなかった。
アナタもそれほど機転がきくのならば,私の性格を知っているのならば,よく考えればどうなるかぐらい分かりそうなものだったのに。
残念。機転はきいても,頭はそれほどよくなかったみたい……。
自己評価(独り言)
はい,即興で書きました。考えて,打ち込むまで30分とかからずに終わりました。
何と言うか文章が降って湧いたという感じです。
……まあ,こんな文章が即座に降って湧くというのも考え物だとは思いますが。
この後この女性(いや男性?)は一体どうなるんでしょう。小説というものはえてして,結末以降が気になってしまうものでもあると思います。このお話も,そんな終わり方ですね。
それにしても,本当に最近意識しないとこんな文章ばかりです。もっと明るいお話は書けない物なのでしょうか?……はぁ。