何となく奈伽塚ミント・純情派

不覚にも連続更新ストップ。
少々夏バテ気味だったし
定期更新に切り替えかも?

そんなこんなで奈伽塚ミント

/prologue――連載第四回,連載再開第一回

2004-07-08 23:15:14 | 『連載シナリオ』
      /prologue
          (久しぶりの第四回)

 雨宮 澪(アマミヤ ミオ)は俺の幼馴染だ。俺も,澪も,昇もこの小さな田舎町で生まれ育った。
 ――いまだに自然が多く残る,本当に小さな田舎町。この町の自然に親しみながら,幼いころから俺たちは共に時を過ごした。

 この小さな町にも一応学校はある。……まぁ,規模も小さく小,中,高それぞれ一つずつではあるが。
 俺たちは当然のように,同じ小学校に入学し,同じ中学校に進学し,そして今同じ高校に通っている。偶然にも十二年間にわたって俺たちはクラスまでも同じだった。
 ……いや別に偶然でも何でもない。単に一クラスだけしか存在していなかっただけという話だ。
 小,中学校の時には別に疑問にも感じなかった。だけどさすがに一クラスしかない高校って――? とは思った。まぁ,昔は活気があったという話だからそのころの名残で今まで続いてきたのだろう。

 そんな疑問も抱いたが,俺はこの高校が好きだ。高校だけじゃない。この町が,この町の全てが好きだ。澪も昇も同じ思いだろう。
 この町に住む人たちは皆,この町を好いている。そんな人たちだからこそ,この小さな町を決して離れることはない。そんな人たちであり続ける限り,この町の未来は安心なものだろう。

 ……少し話がそれた。
 で,俺たちはまぁそんな風に今まで過ごしてきた。
 ずっと続いてきた家族のような関係。その中に“好き”という感情が混ざりだしたのは,そう最近のことというわけではない。

 小学校高学年の頃には既に,その気持ちは心の片隅にあったと思う。
 中学校に入学した時には,それは明確な形を伴っていた。
 ただその頃の俺にとっての澪は,時に姉のような,時には妹のような存在で。
 だから“好き”という感情があっても澪が恋愛対象だったわけではない。それは友達に対するものだとか,兄妹に抱くものだった。(続く)

/prologue――ここまでのまとめ

2004-06-16 13:26:36 | 『連載シナリオ』
        /prologue
              (これまでの三回)
『――ミーン,ミンミンミン,ミーン』
 肌を焼くような強い日差しの中。蝉の声がこだまする。壊れたラジカセから流れているかのように,ひどくうるさいBGM。聞いているだけで,体感温度が上昇していく気さえする。それでなくとも今日は暑い。サウナの中に厚着でじっとしているような。あるいは赤道直下の砂漠で延々と走り続けているような。事実,ただ歩いているだけだというのに全身から滝のように汗が流れ出ている。それが体中にまとわりつき,粘つくような感触を残す。自分の中で不快指数が増加するのを感じる。

 七月下旬。月の入れ替わりが近づくこの日。記録的な猛暑が町を襲っていた。

「――なぁ,あれって陽炎?」
 隣から聞こえる声。前方に目をやると確かに湯気が立ち上っているように見える。この猛暑はアスファルトをも焦がし,犠牲者に変えているのだろうか?
 そんなことを思う俺の耳に再び響く声。
「珍しいよな。……なんか鉄板の上で焼かれる肉にでもなった気がしないか? なぁ,渉?」
 あぁ,確かにそれはうまい表現だ。俺――葛西 渉(カサイ ワタル)はそう感じた。
 隣を歩く人物に目を向ける。中肉中背で髪を茶系に染め上げたその男――瀧上 昇(タキガミ ノボル)は俺の視線に気づくと,人がよさそうな笑みを浮かべた。
「けどさ,どうせ見えるなら陽炎なんかよりも可愛い女の子とかの蜃気楼のほうがいいよな」
 俺に笑みをむけながら,本気とも冗談ともつかないことを言う。けれどそれは前の台詞よりも昇に適しているように聞こえた。普段からこういった発言が多いせいだろうか? それとも俺がこの昔からの友人に対して,そういう偏見を抱いているからだろうか?
 ……まぁ,どうでもいいか。考えてみたところで所詮は一時の感情。次に同じことを聞けばまた別な思いを抱くことだろう。
俺は思考に没入していきそうな頭を切り替えるかのように,昇に言った。
「お前って本当にそういうことばかり考えてるんだな。今年は受験だっていうのに……。そんなんでいいのか?」
「いいの,いいの。高校最後の夏だぜ? どうせなら目一杯楽しみたいだろ?」
「……まあ,な」
 確かにその意見には賛同できる。だがこいつはいささか楽しみすぎているのではなかろうか?
 俺がそれを言ってやろうとした時。昇は急に真面目ぶった顔つきになった。そしていかにも重大な話をするといった様子で,こう言うのだった。
「――それで。お前,本当にこれから澪に告白するのか?」
「あぁ。告白するよ」
 俺は頷き,はっきりとそれを口にした。すると昇は再び表情を緩め,あの笑みを浮かべた。
「そうか。――それにしても。ホント,ようやくって感じだよな」
「何がだよ?」
「何が? ってそりゃあ言うまでもなく分かってるだろ? お前が告白することだよ」
「確かにようやくって感じだな」
 それは俺も感じていたことだった。今まで告白していなかったということが,自分でも不思議なくらいだ――。(続く)

 ――これまでの三回が,一回辺りが短くて読みにくい!という話があったのでまとめてみました。これぐらいでちょうどいいのかな? その辺りについてコメントもらえるとありがたいです。それによって今後,どれくらいの長さで一回辺りを公開していくか決めたいと思いますので。どうかよろしく。では。

/prologue――連載第三回

2004-06-15 23:21:07 | 『連載シナリオ』
      /prologue
             (第三回)

「――それで。お前,本当にこれから澪に告白するのか?」
「あぁ。告白するよ」
 俺は頷き,はっきりとそれを口にした。すると昇は再び表情を緩め,あの笑みを浮かべた。
「そうか。――それにしても。ホント,ようやくって感じだよな」
「何がだよ?」
「何が? ってそりゃあ言うまでもなく分かってるだろ? お前が告白することだよ」
「確かにようやくって感じだな」
 それは俺も感じていたことだった。今まで告白していなかったということが,自分でも不思議なくらいだ――。(続く)

 ――どうにか連載第三回を迎えました。第一回第二回と比べ,今日中に公開できるか微妙なところでしたが公開できてよかった。ようやく物語が動き始めてきました。毎回短いので読みにくいかもしれませんがどうか読んでやって下さい。第四回も出来る限り明日公開したいと思います。今日アップした雑文などもあわせてどうぞ。
 そういえば第二回の後の『今日の雑記』で書いてみた,メールクイズ(?)。結局いまだ一通も来ないですねぇ。そもそも雑記は読まれているのだろうか? う~む,謎だぁ。まあ,半永久的にクイズは受け付けているのでよかったらどうぞ。
 では,また~。

/prologue――連載第二回

2004-06-14 23:30:36 | 『連載シナリオ』
      /prologue
        (第二回,前回の続くより)

「――なぁ,あれって陽炎?」
 隣から聞こえる声。前方に目をやると確かに湯気が立ち上っているように見える。この猛暑はアスファルトをも焦がし,犠牲者に変えているのだろうか?
 そんなことを思う俺の耳に再び響く声。
「珍しいよな。……なんか鉄板の上で焼かれる肉にでもなった気がしないか? なぁ,渉?」
 あぁ,確かにそれはうまい表現だ。俺――葛西 渉(カサイ ワタル)はそう感じた。
 隣を歩く人物に目を向ける。中肉中背で髪を茶系に染め上げたその男――瀧上 昇(タキガミ ノボル)は俺の視線に気づくと,人がよさそうな笑みを浮かべた。
「けどさ,どうせ見えるなら陽炎なんかよりも可愛い女の子とかの蜃気楼のほうがいいよな」
 俺に笑みをむけながら,本気とも冗談ともつかないことを言う。けれどそれは前の台詞よりも昇に適しているように聞こえた。普段からこういった発言が多いせいだろうか? それとも俺がこの昔からの友人に対して,そういう偏見を抱いているからだろうか?
 ……まぁ,どうでもいいか。考えてみたところで所詮は一時の感情。次に同じことを聞けばまた別な思いを抱くことだろう。
 俺は思考に没入していきそうな頭を切り替えるかのように,昇に言った。
「お前って本当にそういうことばかり考えてるんだな。今年は受験だっていうのに……。そんなんでいいのか?」
「いいの,いいの。高校最後の夏だぜ? どうせなら目一杯楽しみたいだろ?」
「……まあ,な」
 確かにその意見には賛同できる。だがこいつはいささか楽しみすぎているのではなかろうか?
 俺がそれを言ってやろうとした時。昇は急に真面目ぶった顔つきになった。そしていかにも重大な話をするといった様子で,こう言うのだった。――(続く)

 ――ということで,連載第二回です。第一回を読んでいない方はそちらもどうぞ。ここで切るというのはどうか? と思いましたけど,とりあえずここまでです。第三回は早ければ明日。遅くても明後日までには公開する予定なので,どうかお待ちください。またコメントお待ちしてますので。

/prologue――シナリオ公開開始

2004-06-13 19:02:23 | 『連載シナリオ』
      /prologue

『――ミーン,ミンミンミン,ミーン』
 肌を焼くような強い日差しの中。蝉の声がこだまする。壊れたラジカセから流れているかのように,ひどくうるさいBGM。聞いているだけで,体感温度が上昇していく気さえする。それでなくとも今日は暑い。サウナの中に厚着でじっとしているような。あるいは赤道直下の砂漠で延々と走り続けているような。事実,ただ歩いているだけだというのに全身から滝のように汗が流れ出ている。それが体中にまとわりつき,粘つくような感触を残す。自分の中で不快指数が増加するのを感じる。

 七月下旬。月の入れ替わりが近づくこの日。記録的な猛暑が町を襲っていた。
                                                     
                                                     (続く)

 ――ということで,連載開始です。この後プロローグが数回に分けて続いていきます。何故に数回に分けるかと言うと,長いからというわけではなくてあまり一度に公開すると私の書く速度が遅い為更新の間が空いてしまうので……というなんともなさけないような理由からです。
 ――と,とにかく連載は続いていくのでどうかよろしくお願いします。
 他に雑記や雑文も随時公開しますので。そちらもよろしくです。

こんな話でいいのか?とは思いつつ

2004-06-12 22:06:14 | 『連載シナリオ』
 オープニングというか,序盤のあらすじのようなものです。まだ正式な本文ではないですが,これを読んでもらえればどんな物語なのか分かってくると思います。
 ネタ的にはありがちなものなので,オリジナリティーはあまり感じないかと思います。本文を書く際にはなるべくここからオリジナリティーが出せるよう努力するつもりですが……。
 ということで,とりあえず読んでみてください。感想等お持ちしてますので,どんどん書いてください。厳しいチェックも大歓迎なのでよろしくお願いします。

シナリオ  
 ――高校最後の夏休み。主人公は幼馴染の少女を河原へと呼び出した。告白するために。
 約束の時間よりも早く河原へやってきた主人公。少女を待つうちに雨が降り出した。雨やどりをしながら,雨の日が好きだと言った少女を想う。傘をさして,歩いてくる姿を想像する。告白の台詞を頭で反芻する。胸が高鳴る。
 ……そうしているうちに約束の時間がやってくる。少女はまだ現れない。
 ――10分。――20分。――30分。――1時間。
 少女は姿を現さない。おかしい。主人公は思う。少女は時間にはきっちりしていた。――いまだ降り止まぬ雨。それを見ながら不安が心を埋めつくす。諦めて帰ろうか,と思い始めたとき。主人公の携帯の着信音が鳴り響く。少女の携帯からだった。
「――もしもし?」
電話に出る主人公。聞こえてきた言葉に頭が真っ白になる。どうにか思考を取り戻すと,濡れることなどかまわずに走り出す。
少女の待つ病院へと――。

主人公のもとへ向かう途中,少女は事故に遭ったという。
 ――主人公が病院へと辿りついた時,少女は危篤状態で生死の狭間をさまよっていた。主人公に電話をかけてきたのは少女の母親だった。母親は主人公に言う。
 「車に――はねられたんですって。あの子――あなたに会うんだって――あんなに嬉しそうに――。どうして――」
 (俺が呼び出したりなんてしなければ――)
 主人公はやり場のない感情を抱く。

 数時間後。手術は終わった。少女は奇跡的に一命を取り止めた。だが医師からは無情な宣告が下った。
 「――お嬢さんは植物状態です。残念ですが,二度と意識が回復することはないでしょう……」
 その言葉に泣きくずれる母親。主人公はそれを見ながらただ呆然と立ちすくむことしかできなかった――。

 四年の歳月が流れた。高校卒業後に上京し,某医大に通っていた主人公は久しぶりに地元へと帰ってきた。
 ――あの日と同じような雨が降っていた。
 下り立ったバス停。主人公は一本の傘を見つける。赤くシンプルなその傘。柄の部分に,少女の名前を見つける主人公。少女のことを想いながら,その傘をさしてバス停を出る。――そこで主人公は,少女とよく似た女性に出会う。微笑みを残し,歩み去る女性。主人公は慌てて後を追うが,既に女性の姿はなかった。

 ――そうして一夏の淡く切ない物語の幕が開く。

とりあえず一発目

2004-06-12 02:15:52 | 『連載シナリオ』
ゲーム製作第二弾 
「Rainy Days――あの雨の日――」(仮)
             原案 奈伽塚ミント
とりあえずタイトルだけ乗っけてみます。ゲーム製作第二弾となっているのは,現在第一弾製作中のためです。そちらのシナリオも機会があれば乗っけるかもしれません。とりあえず今はこれで。これからキャラクターやオープニングなど随時乗っける予定。