「あつこさろん」 

熊本市中央区にある和裁・着付け・お茶教室。

少人数で、きめ細かい指導をいたします。

3号線沿い世安バス停前。

エベレストに登った 漆のお椀

2017年06月02日 07時14分00秒 | 日記

「 漆って

美しさだけでなく

皆さんが考えているより

柔でなく

ものすごく強いんです。」

 

と語るのは

 

蒔絵の人間国宝

” 室瀬 和美 ” さん。

 

 

「 お茶は、早く飲み頃にしていただくので

比較的冷めやすい お茶碗。

そにために

陶磁器の熱伝導の高いものでいただく。

 

ご飯は、ゆっくりいただくので

冷めにくい 木の漆塗りのお椀で。

 

これは、日本人の知恵なんです。

 

だから

飯椀、汁椀は 木偏。

茶碗は、   石偏。 なんですよ。 」 とも。

 

 

この話に くいついたのが

登山家 三浦雄一郎さんの 長男 雄大さん。

 

雄一郎さんが

80歳で

エベレストに遠征される前年のこと。

 

山での使い勝手から

 

滑りにくい形

大きさ

安定のため、椀の底の高台は低く

 

 

話し合って出来たのが

大小入れ子の漆椀 15組。

 

 

 

日中は、空気がうすく

直射熱で気温は、50度にも。

 

夜は、マイナス40度。

 

寒暖差が90度。

 

器を洗う水は、砂利まじりの雪を溶かしたもの。

シェルパの手荒さも乗り越えて

 

生き延びて帰ってきました。

 

漆のお椀は

「 零下20度でもご飯が冷めず、豊かな気持ちになれた。」

ということです。

 

 写真の 漆椀 は

実際にエベレストで使用されて

記念にと

戻していただいた椀。

 

すごいですね。

 

 

 

 

2013年

エベレスト遠征 最終キャンプ地 (8500メートル)での

 

” 世界最高所の 天空のお茶会 ”

 

 

私が

若いときには

ほとんど興味を感じなかった

漆の器。

 

お茶を習い始めた頃から

漆の器に惹かれるようになり

 

我が家には

徐々に

漆の器たちが

集まってきています。

 

 

雪の結晶描かれた、ちいさいおちょこ

 

 

 

おちょこの中には、月と桜

 

 

日本の技がこもったものは

見るだけでもいいものですね。

 

 

 

 

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