「 漆って
美しさだけでなく
皆さんが考えているより
柔でなく
ものすごく強いんです。」
と語るのは
蒔絵の人間国宝
” 室瀬 和美 ” さん。
「 お茶は、早く飲み頃にしていただくので
比較的冷めやすい お茶碗。
そにために
陶磁器の熱伝導の高いものでいただく。
ご飯は、ゆっくりいただくので
冷めにくい 木の漆塗りのお椀で。
これは、日本人の知恵なんです。
だから
飯椀、汁椀は 木偏。
茶碗は、 石偏。 なんですよ。 」 とも。
この話に くいついたのが
登山家 三浦雄一郎さんの 長男 雄大さん。
雄一郎さんが
80歳で
エベレストに遠征される前年のこと。
山での使い勝手から
滑りにくい形
大きさ
安定のため、椀の底の高台は低く
話し合って出来たのが
大小入れ子の漆椀 15組。
日中は、空気がうすく
直射熱で気温は、50度にも。
夜は、マイナス40度。
寒暖差が90度。
器を洗う水は、砂利まじりの雪を溶かしたもの。
シェルパの手荒さも乗り越えて
生き延びて帰ってきました。
漆のお椀は
「 零下20度でもご飯が冷めず、豊かな気持ちになれた。」
ということです。
写真の 漆椀 は
実際にエベレストで使用されて
記念にと
戻していただいた椀。
すごいですね。
2013年
エベレスト遠征 最終キャンプ地 (8500メートル)での
” 世界最高所の 天空のお茶会 ”
私が
若いときには
ほとんど興味を感じなかった
漆の器。
お茶を習い始めた頃から
漆の器に惹かれるようになり
我が家には
徐々に
漆の器たちが
集まってきています。
雪の結晶描かれた、ちいさいおちょこ
おちょこの中には、月と桜
日本の技がこもったものは
見るだけでもいいものですね。
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