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TEENAGE FANCLUB

先日、姉と電話した。「お互い、自分を表現してないね。」と嘆き合った。と、いうことで始めたブログです。

『青春デンデケデケデケ』

2006-11-15 23:07:25 | 文学
この作品、直木賞受賞作品ですが、ご存知でしょうか?

ご存知の方もご存知でない方も是非是非読んでみてください。

つーか、



読め!!



本当におもしろいんですよ!!

“青春”という言葉がタイトルについているのは伊達じゃありません!!



ストーリーとはいうと…

「1965年の春休み、ラジオから流れるベンチャーズのギターが僕を変えた“やーっぱりロックでなけらいかん”四国の田舎町の高校生たちがくりひろげる抱腹絶倒、元気印の、ロックと友情と恋の物語」

とのこと…



やっぱりポイントは『六十年代』ということと『四国の田舎町』であると思います。

そんな“六十年代の四国の田舎町”で個性豊かなバンドメンバーがこぢんまりと大活躍するのです!!



そんなバンドメンバーを紹介すると…


藤原ちっくん
主人公。ボーカル兼サイドギター。ベンチャーズのパイプラインを聞きバンドを結成することを決意する。一番普通で、僕らに近いかな?


白井清一
ギターの鬼。物静かな男前。嫌いな食べ物は魚。その理由を彼に言わせると「わしんちは魚屋じゃからな。人が一生かかって食う分量は、もう小さいうちに食ってしもうた」とのこと…


岡下巧
ドラム。ニックネームは『明石のタコ』。バイトで苦労した結果購入したドラムセットを前に「これ叩いてええんやろか?」と泣きながら尋ねるようなお人。ちなみにちっくんの答えは「真心こめて叩いたらえんとちがうか」とのこと…


合田富士夫
ベース。高校生離れした人脈と策謀の持ち主。高校生にして坊さんの仕事をこなし、女子大以外で行けない大学はないほどの秀才。なぜか学年中の恋愛相談は彼のところに来るらしい…


谷口しーさん
メカニック担当。スタンドが壊れているわけでもないのに、なぜか自転車を寝っ転がして置く。家が寝具屋であることと関係が?


どうですか?

本当に個性豊かでしょう?



“ロック”なんて言葉を聞くと何やら格好良いイメージがあるかもしれませんが、この作品の中に格好良さなんてほとんどありません!!

僕らが学生の時に感じた泥臭い喜びや楽しみがいっぱいです!!

それゆえ、僕ら自身の青春の日々を思い出すのです。



「“青春”ってなんやったっけ?」と思われている方…

そんな方に読んでいただきたい作品です。



よし!!

ビートルズの『I FEEL FINE』聴こうっと!!


『銀河鉄道の夜』

2006-03-08 21:33:54 | 文学
言わずと知れた宮沢賢治さんの名作です!!

宮沢賢治さんの作品は本当に美しいですよね…



ジョバンニとカムパネルラが体験するありとあらゆる事象…

その表現の美しさ、ことばの美しさ、音の美しさに圧倒されるのです…

ちょうど…

詩と物語が合わさったような…



『銀河鉄道の夜』は決して映像化してはならない作品であると思うのです。

映像化してしまったならば、その無限の美しさを制限してしまうような気がいたします…

その美しさは僕等の想像の世界で無限の可能性を持って存在するのです…


子どもの頃に読んだ『銀河鉄道の夜』…

十代に読んだ『銀河鉄道の夜』…

二十代に読んだ『銀河鉄道の夜』…


それぞれが、異なった輝きを発するのです…

ちょうど、金剛石が異なった光を浴びて、異なった光を発するように…


三十代に読む『銀河鉄道の夜』…

五十代に読む『銀河鉄道の夜』…

七十代に読む『銀河鉄道の夜』…


そのときは、どのような輝きを発するのでしょうか?



その輝きは、僕等の想像力如何に関わっているのかも…



この美しい作品に出会えたことを幸せに感じ…


これまで以上に美しいものと感じられるように…


明日からも精一杯生きていこうと思うのです…


『おいしいコーヒーのいれかたⅠ キスまでの距離』

2005-12-13 23:40:03 | 文学
今、僕の部屋ではビートルズの『LET IT BE』がかかっています。

それというのも、今回紹介しようと思う『おいしいコーヒーのいれかた』の第1話目のタイトルが『LET IT BE』だから…



『おいしいコーヒーのいれかたⅠ キスまでの距離』は、村山由佳さんの作品となります。

この作家さんは『星々の舟』という作品で直木賞を受賞されているそうです。「これも読んでみたいなぁ…」と思っています。



この作品に初めて触れたのは、大学一年だったでしょうか?高校でしたでしょうか?最初は小説ではありませんでした。

なんと、ラジオドラマ(でいいのかなぁ?)!!

音のみのドラマです!!

きっかけは、後輩Tがそのラジオドラマをダビングしたテープを持ってきて、「先輩、これ聴いてみてや!!」と熱く言ってきたことです…

その結果…

すっかりはまってしまいました!!

何度も何度も聴き、その挙句、そのテープを紛失してしまいました。

そのダビングテープですが、実は後輩Tのものではなく、その友人の所有物であったそうです…

あまりにもおもしろいため、無理を言って僕に貸してくれたそうです。

ダビングテープを紛失したことを報告した時の、後輩Tの言葉というと…



「先輩っ、ぶっとばすぞ!!」


彼の目は本気でした…

本当にごめんなさい…



さてさて、物語の内容についてですが…

『家庭の事情で、いとこ姉弟と同居するはめとなった主人公である勝利は5歳上のかれんの美しい変貌ぶりに驚き、次第に惹かれていく…』

というものです。

なにやら、ありがちな感じがしますでしょ?とんでもない!!

ぜんぜん、ありがちじゃないんです!!

どういう風に、ありがちじゃないかというと、この作品、タイトル見ただけですこうし赤面してしまうでしょ?

物語は、もっと、もっと、もっと!!

赤面してしまうんです!!

読んでいたら、


部屋で叫んでしまうんです!!


『青春の甘酸っぱさ』が、「もうこれ以上ない!!」ってくらい、ふんだんに盛り込まれているのです!!

「『青春』って、なんだっけ?」という方、ぜひぜひ読んでください!!

そして、大いに赤面してください!!



この作品を読んで、後輩Tとかなり熱いメールのやりとりをしました…


僕   「やっぱり勝利がかれんさんに隠し事をするのが悪いと思うな…」

後輩T 「かれんさんを傷つけたくないんす。許してもらえる自信がないんすよ。あのヤローには!!」と…



確実に作者の術中にはまっている26歳と27歳です…




でも、僕はそんな自分が大好きなんだー!!


『新選組血風録』

2005-12-11 12:00:01 | 文学
画像は京都の壬生の屯所です。



さて、『新選組血風録』読みました!!

本当は先週に読了していたのですが、ドタバタしてて…



感想はというと…


いや~、おもしろい!!


淡々と書いてあるのに、おもしろいんですよね。

不思議や…



その中で特に気に入ったのが、『鴨川銭取橋』、『沖田総司の恋』、『菊一文字』の三つです。


『鴨川銭取橋』

土方歳三と監察の山崎蒸のやりとりが絶妙です。

土方が餅を焼きながら、山崎に「あんた手を出しな」と言うあたりが最高でした。

ただただ、土方歳三の鋭敏さ、狡猾さが光る逸話です。



『沖田総司の恋』

沖田総司の無邪気さが何とも言えません…

土方と連れなって出かける清水寺のシーンは最高です!!

土方の『豊玉』の俳号を持つ一面も見えましたしね。

先日行った京都旅行で清水寺にはあまり感慨はなかったのですが、これを読んでから行っていたら、大変楽しめたのに!!

ただただ、切ない逸話です…



『菊一文字』

これまた、沖田総司の無邪気さ、お人柄に惹きこまれます。

その無邪気さ、人柄が仇になってしまうのですが…

文中に、『総司は、死が近づくにつれて、笑顔がすきとおるようになってきたといわれる』という記述があります。

この作品の中で一番印象に残った表現でした…

ただただ、沖田総司に夢中になってしまう逸話です!!



他のお話も大変おもしろく楽しめるものでした…

『前髪の惣三郎』などは、映画『御法度』の原作じゃありませんか!!

驚きました!!(映画はあらすじを知っているだけで観ていません。北野武が土方歳三という時点で…)



最近、再度、僕の中で新選組熱が蠢いております…

実家に帰ったら、『燃えよ剣』を読み返すのは確実だな、こりゃ…



やる(殺る)気はあるんだけれども…

2005-11-26 15:43:23 | 文学
文久3年(1863年)、芹沢鴨暗殺の日のこと…



沖田  「いよいよ、今日ですね…」

近藤  「芹沢はやり過ぎた…。大和屋の土蔵を焼き打ちしたのが決定的だったな…」

土方  「あの事件が無かったとしても、結局はこうなっていたさ…」

沖田  「そうですね…」



近藤  「…そろそろ行こう。」

土方  「そうだな。近藤さん、総司、せいぜい怪しまれないようにしてくれよ。」

沖田  「はい!!」

近藤  「うむ…」




1863年(文久3年)9月18日に芹沢鴨の暗殺は決行されました…

芹沢一派の横暴を見かねた会津藩が、近藤、土方を密かに呼び処分を命じたということだそうです。

京都の壬生の屯所(八木邸)にはその時の刀傷が残されています。(誰がつけたものかは不明…)

壬生の屯所(八木邸)を訪ねると、芹沢鴨暗殺までの経緯、その時の状況をわかりやすく解説してくださいました。

本や映画でしかみることのない1シーンに紛れ込んだかのような気持ちになれます…

また、行きたいなぁ…



それにしても、会話を真面目にしてみたけど、あの絵だったら、やっぱり『やる(殺る)気が感じられない人たち…』になってしまったなぁ…


やる(殺る)気が感じられない人たち…(近藤編)

2005-11-25 22:34:03 | 文学
土方  「近藤さん…。しばらく会わないうちに何やら急に老け込んだなぁ…」

近藤  「歳…、やっぱりそう思うか?」

土方  「あぁ、頭に白いものが混じり始めてるぜ。」

近藤  「最近、愛刀である『虎徹』を持つのもおっくうでなぁ…」

土方  「………(これで、膝の上に猫でも寝てたら、近所のご隠居さんだな)」




沖田が『菊一文字則宗』、土方が『和泉守兼定』、近藤が『長曾禰虎徹』をそれぞれ愛刀としていたとのこと…

近藤の愛刀である『長曾禰虎徹』は『今宵の虎徹は血に飢えている』という台詞で芝居や映画で大変有名だそうです。

それぞれが名をよく聞く名刀ですよねぇ…


やる(殺る)気が感じられない人たち…(土方編)

2005-11-25 22:01:08 | 文学
 『梅の花  
       一輪咲ても  
               うめはうめ    豊玉』



土方  「ふふ…、傑作…」



斎藤  「沖田君…、土方さんは何をしているんだい?」

沖田  「あぁ、斎藤さんはご存知なかったですね。土方さん俳句を嗜まれるんですよ。『豊玉』っていう俳号までお持ちなんですよ!!」

斉藤  「『豊玉』?あぁ、湘北と全国大会の一回戦で試合したとこだね、カリメロがいる…」

沖田  「それ、『豊玉』違いっスよ!!!」




土方が俳句を嗜んでいたのは本当の話で、上記の『梅の花 一輪咲ても うめはうめ』も実際に彼が詠んだ句です。

『豊玉発句集』という俳句集も遺しています。

『鬼』と呼ばれる人の作とは思えない、かわいらしい俳句ですよね。


やる(殺る)気が感じられない人たち…(沖田編)

2005-11-25 21:35:42 | 文学
土方  「総司!!総司はいるか?!」

沖田  「どうふたんでふか?そふなにあわへへ?」

土方  「大変なことになった!!事情は道すがら説明するから、早く準備しろ!!」

沖田  「え~!!あと三つも饅頭残っているのに…。土方さんもお一ついかがですか?」

土方  「いいから、早く来い!!」

沖田  「ふあ~い、モグモグ。(相変わらずせっかちだなぁ…)」





沖田総司は労咳(結核)を患っていたため、酒は飲まず、よくお茶と一緒にお茶菓子を食べていたというイメージがあります。

『あさぎ色の伝説』で形成したイメージかなぁ…


『燃えよ剣』

2005-11-24 21:30:54 | 文学
画像は壬生の屯所です。

芹沢鴨暗殺時の刀傷などが残っており、大変感動いたしました…

縁側に座って、「沖田総司がここでお茶をすすりながら茶菓子を食べていたのかなぁ…」とか、「土方歳三と山南敬助はここで酒を酌み交わしながら議論をしたのかなぁ…」などと想像するのは大変楽しいことでした。



さて、今日は司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』について、お話したいと思います。



僕は新選組の大ファンです!!

新選組に初めて出会ったのは姉が持っていた『あさぎ色の伝説』というマンガです。

この『あさぎ色の伝説』の作者は『スケバン刑事』や『ピグマリオ』の和田慎二さんです。

この作品、大変おもしろく僕は夢中になって読み漁りました。

僕の沖田総司、土方歳三、近藤勇等のイメージはこのマンガにて形成されたのです…



その後、これといった作品に触れることなく大学生になってしまいました…

そして、たまたま『燃えよ剣』を手に取ったのです…

「あの時、『燃えよ剣』を手に取って、本当に良かったぁ…」と、つくづく思います。



この作品は主人公である土方歳三の視点で物語が展開します。

僕はこの土方歳三の『漢』っぷりに夢中になりました…

どれくらい夢中になったかというと…

大学の講義中、教授に隠れて読んでいたのですが、あまりのおもしろさに講義が終わって教室に誰もいなくなっても、読むのを止めることができなかったほどです…

無人の教室で、土方歳三の生き様に興奮しきってしまいました!!

つくづく『格好良い』のです!!



う~ん、僕には『燃えよ剣』のおもしろさを伝える文章力はないです。

新選組に興味がある人は読んでみてください…

きっと、土方歳三の生き様に興奮を禁じえないと思います…



その後、僕はNHKの『新選組!』という大河ドラマ、『壬生義士伝』の映画・小説、『新選組血風録』という小説等、新選組をテーマにしたありとあらゆるマンガや映画や小説に触れることはありませんでした…

他の作品のイメージの違いに耐えることができないのです。

僕の中の新選組は『燃えよ剣』で完結してしまったのです…