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竜馬がゆく

2005年11月02日 17時30分38秒 | 

 司馬遼太郎さんの大著、『竜馬がゆく』全八巻をようやく読み終えた。2年半もかかった。1冊読むのに約3ヶ月半ぐらいかかったのか…読むペース遅いなぁ。

 この小説を読むことで、竜馬とともに幕末の時代を歩くことができた。当時の人々がどういうことを考え、何を目指して生きていたのか、をありありと頭の中に描くことができた。そして、なぜ大政奉還、明治維新が実現したのか、それは、坂本竜馬の存在なくして成立しなかったということをしみじみと感じた。司馬さんも言っている通り、坂本竜馬は神が日本に与えた、幕末の奇跡と言っていい。

 奇跡といえば、司馬遼太郎さんも、現代の奇跡である。いや、奇跡といっては失礼である。この小説の一語、一文には膨大な資料、文献等による裏づけがある。司馬さんはもちろん幕末の時代を生き、自分の目でその時代を見たわけではなく、坂本竜馬や西郷吉之助、桂小五郎らの人物に直接会って話したことはない。にもかかわらず、小説の中では、例えば、竜馬と西郷の会話が詳細に描かれている。もちろん、司馬さんの小説家としてのアレンジも加わっているのだろうが、その会話の内容は決してフィクションではない。

 この小説の中で、多くの名言ともいうべきものに出会った。竜馬の言葉としては、何度も出てきた、「世に生を得るは、事をなすにあり」。また、高杉晋作の言葉としては、やや長いが、「男子は決して困った、という言葉を吐くな。…どんな事でも周到に考えぬいたすえに行動し、困らぬようにしておく。それでなおかつ窮地におちた場合でも、「こまった」とはいわない。困った、といったとたん、人間は知恵も分別も出ないようになってしまう。そうなれば窮地が死地になる。活路が見出されなくなる。…人間、窮地におちるのはよい。意外な方角に活路が見出されるからだ。しかし死地におちいればそれでおしまいだ。だからおれは困ったの一言ははかない。」(第7巻74頁)

 他にも数多くの人生の指針となる言葉があった。そういう言葉は今の時代にも通じるものが数多い。人生に迷ったとき、また読み返してみる価値はある。

 竜馬や西郷、桂、その他多くの志士たちがいたからこそ、今の日本があるといっても過言ではない。歴史は脈々と続いている。そのことに思いを馳せる時、今を生きる我々もしっかり生きなければならないという思いを強くする。


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