魔女の気まぐれ

修行中の魔女と、愛犬メル、ピノのほんわかハッピーライフ!

賢者の一言 2

2005-11-10 11:10:38 | Weblog
今日は、長いですよ。 


 場面は戦時中、カリフォルニア州の、ある小さな町の電報局 

「話したいこと、たくさんあるんです。でも、どう言ったらいいかわからなくて。あの、ぼく、この仕事に就くまで何も知らなかったんです。いろんなこと分かってると思ってたんだけど、ほんとは半分も知らなかったんだ。一生かかっても半分も理解できないかもしれない。誰も理解できないのかもしれない。でも、誰かが分かるなら、ぼくだって分かるべきだと思います。ぼく、分かりたいです。一生、分かりたいって思い続けると思います。分かろうとすると思います。でも、ほんとに分かるってことがあるのかなあ。すべてが理解できて、すべての意味が通るってことが、あるんですか」 ホーマー(学校に行きながら働く少年) 

「うん、そりゃ、私にも分からんのだよ。だが君が、一生、分かろうとし続ける決心をしたことはいいことだぞ」 グローガン(電報局の老通信士)

「だって、一生、分かろうとするしかないって、ぼく、思います。ほかの人がどう思うかしらないけど ― それに、ぼく、ほかの人にえらそうに言える柄じゃないけど、でも、ぼくは、ほかの人にこういう奴だろうっと思われてるだけの人間じゃない。 ぼくは、それだけの人間じゃない、それ以上の何かがあるはずだと思います。自分でも、それがなんなのかわからないけど。 ~中略~ でも何か正しいことをしたいんです」 ホーマー


中学2年生のときに出会った作品です。
生涯の愛読書になるであろう
 「ヒューマン・コメディ」 ウィリアム・サローヤン 
からの一節です。
心に残る台詞が、たくさんあるので、また出してくるかも。

サローヤンは少年描写がとても上手い。これは、戦時中のお話。
ワンパク坊主たちに笑ったり、人生の悲しい場面に出会った少年にホロリとされたり・・

私は、書評が苦手なので、解説はここまで。 

昨日、とても落ち込み、この本をお風呂で、復活のため長々と読んでいました。
何度読んでも、すてきな台詞が散りばめられています。
私がはじめて読んだときは、大きな全集に入っていて「人間喜劇」という題名で、戯曲でした。

今はちくま文庫だと思います。
感動すること間違いなし。