灰谷健次郎の繊細な少年・少女の心を描いた作品が好きでした。
最近は、作品内での社会批判が強すぎて、ちょっと離れていたけれど、
「太陽の子」「少女の器」「天の瞳 幼年編」は、今でもときどき読みます。
「天の瞳」の主人公・倫太郎が理想の彼氏と言っていたほど入れ込んでいた時期もあったほど・・・。
灰谷氏に、現在のいじめ問題やそれによる自殺について語っていただきたかったです。
*倫太郎の祖父の言葉を引用させていただきます
神様が、人間に授けてくれた記憶という宝物は、つまらんことを覚えるためにあるわけじゃない。自分につながった人間の魂を、いついつまでも覚えていて、その人を生かしておくためにある。死んだ人を生かし続けるのは、たぶん人間だけじゃろ。人間が人間になるということは、そういうことじゃ。
記憶の「憶」という時の意味は、心で言葉が立つ日に心が宿る、ということじゃ。話す人の記憶と思いがしっかりしていて、きく心のある相手に、それがとどいたとき、はじめてその話に心が宿る、というわけじゃ。
「記」は「言」という漢字に「己」と書く。言う己が、しっかりしとらん者には、記憶が授からん。