昨日の将棋電王戦はPonanzaが勝利しましたね。
Ponanzaの開発者、山本一成さんとの対談、2回目の記事がアップされました。
主に李世ドル9段とAlphaGoの1~3局を振り返っています。
コンピューターについても山本さんのコメントが分かりやすいです。
続きもお楽しみに~♪
昨日の将棋電王戦はPonanzaが勝利しましたね。
Ponanzaの開発者、山本一成さんとの対談、2回目の記事がアップされました。
主に李世ドル9段とAlphaGoの1~3局を振り返っています。
コンピューターについても山本さんのコメントが分かりやすいです。
続きもお楽しみに~♪
皆さんこんにちは。
ご無沙汰しておりました。
久しぶりのブログ更新です。
突如やってきたAlphaGoは黒船に似て、新時代の幕開けを感じさせました。
私がコンピューター囲碁と関りを持ったのは
2012年のZenとの9路盤対局の少し前からですので、およそ5年ぐらいになります。
2012年の対局ですが、本来は2011年の3月に4つのソフトと9路盤で8局打つ予定でした。
その中の一つに台湾のソフト「Erica」がありました。
しかし、3月11日の東日本大震災でこの企画は仕切り直しとなりました。
それ以来、コンピューター囲碁大会に「Erica」の名前は見られなくなり、開発者のAjaさんは今ごろどこで何をしてるのだろう?
と、みんなで噂していました。
もうお気づきかと思いますが、「Erica」の作者、Ajaさんは今回、李世ドル9段の前で着手していたあの方です。
ちなみに私は練習で「Erica」と打ったことはありますが、Ajaさんとはこの時はお会いできませんでした。
この時以来コンピューター囲碁に興味を持ち、Zenを使って9路盤の研究をしたりしてきましたが、
このような怒涛の展開になるとはさすがに予想出来ませんでした。
この間の研究の甲斐があってか、
たくさんの取材や、講演の以来を頂きまして、棋士になって一番忙しい月になりました。
こちらでは将棋ソフトPonanzaの山本一成さんと対談しまして、自分で言うのも変ですが
週ごとに更新され、2回目以降は公開の後、一定期間が過ぎると有料になるようです。
興味をお持ちの方はこまめなチェックがおススメです。
またもうすぐ発売の碁ワールド5月号でも、王銘琬九段、マイケル・レドモンド九段、私の対談記事が掲載されますので
合わせてご覧いただきたいと思いますm(_ _)m
いよいよ、明日に迫ってきました。
李世ドル9段 vs AlphaGo
李世ドル9段といえば、直近での農心辛ラーメン杯最終ラウンド。
鬼神の如き強さを見せて3連勝。
こんな強い人に勝てる人(人に限らず)いるのか!?と思いましたがしかし
中国柯潔9段が最終局に勝ち中国優勝。
しかも一見サラサラと打ってるように見えるのが凄い。
そして昨日中国でも異構神機なるAIが登場し、柯潔9段との対戦を模索中という発表があったようです。
さてAlphaGoに話を戻しまして、Google、Deepmindが開発したこのAIは未だ実力を伸ばしているという噂
どのような展開になるか、蓋を開けてみないと分かりませんね。
私達世代が、ラストサムライならぬ、ラストヒューマンになってしまうのでしょうか?
3月になって数日経ちましたが、また寒くなって冬に戻りそう。
少し乾燥気味ですが、今日は手合い。
乾燥対策でリップのメンソレータムを必死に探してやっとこさ置き場所を思い出して見つけて出かけたら
なんと財布を忘れました。。。
気付いた時はすでに電車に乗ってしまって・・・(スイカは持ってる)
う~む。流れが悪い。
こういうことがあると、念入りに読んでも何か読み抜けがあるんじゃないかと不安になる。
というわけで、対局開始時は穏やかに打とう、と思いました。
本因坊戦の予選で青木紳一九段と、私の白番です。
1図 黒3と意欲的に高目に布陣されてさてどうしようかと悩む。
2図 少し考えて白4から6で一局打ってみようという心境に至る。どうも隅より辺に石がいきがち。
3図 例えば普通に一間ジマリならこんなイメージ。
4図 はさんでくれば隅に化ける。これはこれで一局ですが、星の定石に比べて左上隅が一路大きいので黒は気分的に選びづらい。
5図 実戦進行 黒は隅、白は辺という分かれ。互角でしょうが、どちらがお好みでしょうか?
中央を華麗に捨てられて、うまくしめつけられたときは悪いかと思いましたが最後はなんとか勝ち。
188手完 白中押し勝ち 残り黒6分54秒 白1時間17分
p.s. 財布を忘れましたが救いの女神が現れてなんとか危機を脱しました。
普段当たり前に感じてたことに、改めてありがたみを感じつつ冷静に帰宅。
それでは良い夢を
つらつらとツイッターを見ていたら
謝さんのツイートで面白そうなのを発見。
どうやらニーチェ先生が10円玉で囲碁を打ってるらしい。
ピシっ パシッ
おお、本当に囲碁っぽい。このサイズは9路盤か?さてはニーチェ先生も囲碁クエで鍛えているのか
局面が進み・・・
んなんか見覚えがあるぞぞぞ
なんと元ネタはぼくとZenの碁でした
今日放送のSpacemanは豪華ダブルゲストの対局となりました。
アンティトルマネン初段vsZen
13路盤で手合い割りは先。
AlphaGoの登場からコンピューター囲碁が熱いです。
3月には李世ドル9段vsAlphaGoの5番勝負はもちろんですが、UEC杯と電聖戦があります。
どうやら打倒AlphaGoでZen、CrazyStoneなどが動き始めました。
facebookのAI DarkForestもこのまま黙ってるとは思えませんし
DolBaramや他の新しいソフトもどんどん出てきそうな気配です。
UEC杯はかつてないほどハイレベルな戦いが予想されます。
Googleの論文、私は一人で読解する力はありませんが、
AlphaGoはGoogleの強大なハードのパワーをフル活用している、という事は分かりました。
他のソフトはGoogleのやり方を真似したくても簡単には出来ないし、また真似をする意味も無いような気がします。
AlphaGoで成功したニューラルネットワークの手法を取り入れつつも、ハード的により効率的な方法の模索が始まるでしょう。
さて今日のZenに話を戻しまして。
Zenの強み(弱点とも言える)はとてもコンピューターっぽい所です。
詳しくは動画を見て頂くと分かりますが、随所に人間には気付きにくい手が出ています。
現時点での私の印象を、AlphaGoとZenそれぞれ一言でざっくり表すと
「人間っぽい思考回路を真似て、それに囲碁打たせたら強かった」 これがAlphaGo。
「囲碁の強いAIを目指して作ったら人間とはちょっと打つ手が違うみたい」 これがZen。
この二つは究極的には一致することが望ましいですが、藤原佐為の言う神の1手はまだまだ遠い気がします。
Zenの現在の実力は、13路ならばトップアマと遜色ないレベルに来ています。
明日に迫った今月のスペースマン。
ゲストはドイツのカリンさんとマレーシアのスザンさんでした。
華やかでしたね~
さて明日はダブルゲストでアンティ・トルマネン新初段vsZenの13路対局をお届けします。
対局が熱くなることが予想されますので、午後3時15分~4時30分の拡大版でお送りします。
おなじみZenの加藤さんと、最近ホットなコンピューター囲碁のあれこれについて
ズバッと斬り込んだトークが出来ればと思います。
現地観覧のお席もまだ御座います。ワンドリンク付きで1000円となっております。
お楽しみに~
昨日の棋聖戦第4局に井山棋聖が勝ち、4連勝でストレート防衛。
囲碁界初の7冠がいよいよ現実味を帯びてきました。
さてその水面下では着々とトーナメントが進行中。
昨日私は棋聖戦FTの決勝でした。
棋聖戦は前期からシステムが変わりまして、まずはそれを簡単に説明します。
S、A、B、C、4段階のリーグがありSの1、2位とA、B、Cの各1位、計5人のパラマス戦で挑戦者が決まります。
パラマス戦とは階段状の変則トーナメント戦のことです。
そしてFTはファーストトーナメントのことで、ここを勝ち抜くとCリーグに入ります。
FT決勝の相手は安達利昌三段。安達三段は昨年から今年にかけて15連勝を記録しています。
私の黒番。
1図 この時点ですでに右辺の黒がぺっちゃんこでイマイチかもしれません。
ここで更に白1からの追及が厳しい
2図 黒4から取ることは出来ますが、ビシビシ決められて黒悪そう。
3図 実戦進行 2図の形は辛すぎるので黒4と頑張りましたが黒6がひどい凡ミス。。。
なんと白7と曲がられて攻め合いは劫。しかも色々な具合が黒に不利・・・
ここで負けにしたと思いましたが黒10からひたすら粘って最後はなんとか勝ち。
297手完 黒中押し勝ち 両者残り1分
リーグ戦も頑張ります。
月曜日は阿含桐山杯の予選がありました。
アマタイトルホルダーも参加できるこの大会。
芝野龍之介君と当たりました。
昨年史上最年少アマ本因坊を獲得しての出場です。
また勝率一位になった虎丸君のお兄さんでもあります。
詳しく知りたい方は「洪道場秘伝問題集」がおススメ。
芝野兄弟の問題は形が個性的です。
どんな詰碁を解いてたら、こんな問題が作れるようになるのか・・・・・って責任の半分ぐらいは、私にありそう 苦笑
この碁も巨大詰碁になりました。私の黒番。
1図 黒1に白2とつながれた。どうもこれが最強のようです。
実戦は次の手を間違えて負け。昨日一日考えて、どうやら良いコースを発見しましたが。。。
詳しくは毎日新聞に掲載されますので、そちらをご覧下さい。
さて切り替えて明日の対局をがんばります。
昨日は本因坊戦の予選で知念かおり五段と打ちました。
私の黒番。
1図 白△と受けられたところ。ここで悩ましい。
2図 気持ちとしては豪快に黒1から全体を攻めたい。しかし右下方面でさばかれると得るものが無い気がする。
白4などと打たれても白△が働いてきそう。右上も封鎖されると白Aが先手になってくる。地味に痛い。
3図 なので女々しいかと思いつつも実戦では黒1と進出。辛い(つらい)ではなく辛い(からい)と信じる。
しかし中央の△2子はどうしよう・・・実はこの進行を選んだのは、この後にとある手が魅力的に写ったからなのですが・・・
4図 実戦進行 黒7が黒1と打ったときから打ちたかったツケ
5図 実戦進行続き 白8から10の切りが最強の反撃。黒も11と返してここから乱戦に。
大乱戦でしたが最後はなんとか勝ち。
189手完 黒中押し勝ち 残り黒32分15秒 白1分