彼女――ランファの親友、ミルフィーユ・桜葉を一言で言い表すとすれば、『強運の持ち主』であることは、ミルフィーユを知るものなら誰もが知っていることだ。
この場合の『強運』というのはつまり、読んで時の如く『運が強い』を意味している。
幸運と凶運のどちらも、他の人にはあり得ない高い確率で引いてしまうのだ。
そもそも――、とランファは肩で息をしながら考える。
ミルフィーユに初めてあったときからそうだった。
忘れもしない、皇国士官学校の入学式の朝、例によって例の如くトラブっていたミルフィーユを何故だか放っておけずにいたら、初っぱなから遅刻してしまった。
野外訓練の時に、絶滅したと思われていた動物に偶然出くわしたこともあった。
エンジェル隊に就任するときも、≪白き月≫へ向かうシャトルがトラブルを起こして運休になってしまったし――結局この時は遅刻せずに済んだのだが、その代わり荷物がパアになった。
もしかしてもしかしなくても、エンジェル隊の中では一番、ランファがミルフィーユの強運に巻き込まれているに違いない。
だから今もこうして、予定外に走り回る羽目になっているのだ。
「ランファ~、だいじょうぶ~~?」
隣を見ると、同じく肩で息をしながら地面にへたり込んでいるミルフィーユが、それでも心配そうにランファを見ていた。
ああ、だから。
きっとランファは、彼女の親友であることをやめたりはしない。
この場合の『強運』というのはつまり、読んで時の如く『運が強い』を意味している。
幸運と凶運のどちらも、他の人にはあり得ない高い確率で引いてしまうのだ。
そもそも――、とランファは肩で息をしながら考える。
ミルフィーユに初めてあったときからそうだった。
忘れもしない、皇国士官学校の入学式の朝、例によって例の如くトラブっていたミルフィーユを何故だか放っておけずにいたら、初っぱなから遅刻してしまった。
野外訓練の時に、絶滅したと思われていた動物に偶然出くわしたこともあった。
エンジェル隊に就任するときも、≪白き月≫へ向かうシャトルがトラブルを起こして運休になってしまったし――結局この時は遅刻せずに済んだのだが、その代わり荷物がパアになった。
もしかしてもしかしなくても、エンジェル隊の中では一番、ランファがミルフィーユの強運に巻き込まれているに違いない。
だから今もこうして、予定外に走り回る羽目になっているのだ。
「ランファ~、だいじょうぶ~~?」
隣を見ると、同じく肩で息をしながら地面にへたり込んでいるミルフィーユが、それでも心配そうにランファを見ていた。
ああ、だから。
きっとランファは、彼女の親友であることをやめたりはしない。