徒然なるままに。

徒然に小話を載せたり載せなかったり。

大嫌い

2008年01月07日 | スレイヤーズ
 去り際の捨て台詞、

「大嫌い」

 ……珍しく、堪えた。



 構内で見かけたゼルガディスの背中が妙に煤けていたので、ガウリイは首をかしげた。
 本当は誰よりも熱情的なくせに、理性でそれを押さえ込んで冷静であろうとするゼルガディスが、あそこまで落ち込む姿をあらわにしているのは珍しい。
 煤けた背中を捕まえて、話を聞いてみる。
「アメリアが?」
 どうやら彼女と喧嘩をしたらしい。
「なんというか、珍しいなあ」
「……ほっとけ」
「『大嫌い』かあー」
 小柄な黒髪を脳裏に浮かべて、苦笑する。今頃向こうも同じように落ち込んでいるのだろう。
 そうして、自分の恋人がそれを慰め…………るだろうか?
 反対に、何やら発破をかけているかもしれない。
 まあ、それはともかく、今はこの友人だ。
「なあ、ゼルガディス。知ってるか?」
「……なんだ」
「女の子の『大嫌い』は、『大好き』って意味なんだぜ?」
 ゼルガディスが目を見開いた。



他のカプでもよかったけど、ガウリイに諭される(?)ゼルが浮かんだので(笑)