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日々の工作など

正相型12dBネットワーク 6

2015-06-30 00:09:17 | オーディオ
チャンネルデバイダーを正相12dBクロスでメインスピーカの10cm2ウェイで試聴を続けています。

音のキャラクターはとにかく音が前に出ます。音場も平面的には結構広がった逆相型12dBクロスでも結構気に入っていましたが、更に前方に音が広がり3次元になったような感じです。

今までの音はなんだったのかと思わせます。ただウーファーの帯域が4400Hzまで持たせていいるせいなのか少し音に荒らさを感じます。

そこでウーファーの担当帯域を下げられるかを試してみることにしました

まずシミレーションしてみます。

安井先生の方法ではクロスオーバー周波数に対してウーファーは2.1倍(これを正相定数といいます)ツイーターは2.1分の1ですが

これを先ず正相定数を1.5にしてみます。するとツイーターは1000Hzのまま、クロスオーバー周波数は1500Hz、ウーファーは2250Hzにしてみます。







これではやはりクロスオーバー周波数の部分のレスポンスの低下が強くだめそうです。

次に正相定数を√3にしてみます。ツイーターは1000Hzのまま、クロスオーバー周波数は1730Hz ウーファーは3000Hzにしてみます。





となんとかなりそうな気がします。



デバイダーの調節はこれくらいです。周波数調節ツマミの回転角度による周波数の変化が大きい部分なのでわずかしか動かしません。

試聴しましたが、むしろ音が荒くなってしましました。周波数特性のうねりが大きいと音質的にはやはりダメなようです。

ついでに2200Hzくらいに調節しましたがさらにだめです、ほんのわずか半メモリ回しただけですがだいぶ音色が変わります。

最終的にはやはり正相定数は2.1がベストのようです。思いっきりウーファーのカットオフ周波数を4400から4500位にまで上げますが、ウーファーにより高音の帯域を分担させているはずなのに不思議と荒い感じがしません。
ツイーターとウーファーのレベル調節もデバイダー側で調節して固定、音量はアンプ側で調節するようにしました。この方がボリュームのつまみが大きくて楽です。



このような設定になりました。
しつこくなりますがとにかく音質の変化はすごいです、逆相型12dBにもどして再度比較試聴をする気になれません。




正相型12dBネットワーク 5

2015-06-27 23:37:48 | オーディオ
機器の準備が終了、フィルター付のアンプの試運転もウーファーで行い問題なく恐る恐るツイーターに接続します

まずCDプレーヤーからチャンネルデバイダーに接続します。二股のコードを使用します。作り間違えて一方は左右さかさまにしたため赤ビニールテープで印をつけています。デバイダーの上が高音用で、低音用の出力は空いています。下が低音用で高音用の出力は空いています



パワーアンプとスピーカーの接続ですが上側のアンプが高音用ですが、このMOOKチャンネルデバイダーは高音の出力を反転していますので、この場合は正相接続するためにプラスマイナスを逆に接続しています。



チャンネルデバイダーの周波数の調節は、上の高音用は1000Hzめもり1~2に、下の低音用は4400Hzになるように0時よりやや左に調節します。



いよいよ試聴ですが、音量調節を両方のデバイダーのボリュームで調節しなければならず、双方のボリュームの回し方の差で高音と低音のバランスが変わりやすく不便です。

出た音ですが、キャラクターがまるで違います。

元の逆相型はスピーカーの分割振動を避けるようにして周波数を分割していたため、荒れたとこらが全くなく、クールな感じの音でした。

正相接続ではウーファーを4400Hzまで使用しているため少しあらめな肌触りがわずかに感じます。しかし音の躍動感がすごいです、音が飛んで来る来ると言う感じで、いかにネットワークのせいで音にリミッターがかかったようになっていたかがわかりました。、今までのクールな感じとはリミッターのかかった様な音のことだったのかと思い知らされました。

正相型12dBネットワーク 4

2015-06-27 01:53:39 | オーディオ
いよいよ正相型12dBネットワークの実行に移ります。接続はこのようなブロックダイアグラムになります。


CDプレーヤーから2つに分岐して2つのチャンネルデバイダーに接続するために2股のケーブルを作ります



チャンネルデバイダーも2つ必要になるため2つ目のMOOKを購入しました
蔦屋のポイントが5000点たまったので購入しました。これで3ウェイも構成できます




高域用のアンプはチャンネルデバイダーの分割が1000Hzのためツイーターの負担が大きいため6dBのネットワークを追加する予定でしたが、デバイダーのカットオフ周波数の1000Hzとの干渉を避けるため3分の1くらいの周波数まで下げて360Hzくらいのカット行うのですがスピーカー前に入れると55μFととても大きくて高価になってしまうのでパワーアンプの前段に入れることにしました。

アンプのボリュームは20kΩで常用するのは12時くらいの位置ですがこれで分割抵抗は18kΩ:2kΩくらいなので入力抵抗は20kΩマイナスαで良いようです。

スピーカーの6dBネットワークと同じですが計算すると



かなり小容量ですみます、部品は



赤いフィルムコンデンサーが0.022μFで60円でした、入力にコンデンサーのままでは静電気がこわいので入力に1MΩもいれますこれは10円です。回路はこんな感じになります。



基盤を一応組みあげ、コネクターで抜き差式でフィルターなしとフィルターありを切り替えられるようにしました。アンプの入力ピンジャックの一番右がネットワークなし入力、その左どなりのピンジャック入力をネットワークあり入力にしました。






特性をマイスピーカーで測定しました



まずまず予定通りのようです







正相型12dBネットワーク 3

2015-06-20 18:53:44 | オーディオ
正相型12dBネットワークを構成するにはツイーターのカットオフ周波数が低めなためツイーターのFsによるインピーダンスの上昇が特性に影響しやすいためインピーダンスの補正回路が必須になり結構コストがかかってしまうのが問題となります。

そこでチャンネルデバイダーの使用ではどうかと自然に思いつきます。ただツイーターのカットオフ周波数とウーファーのカットオフ周波数が異なるため2台のチャンネルデバイダーが必要になりますがSTEREO誌のMOOKのデバイダーは大変お手頃価格で、ちょうど蔦屋のポイントが5000点たまったので追加のチャンネルデバイダーも購入しました。

シミレーションのための計算をします



数値をいれて特性を見ます





特性を見ると



周波数特性のうねりはまあまあ、位相特性は問題ありませんがやはりツイーターの低音部の負荷がやはり厳しい気がします。

そこでもう一段コンデンサーを入れてみました。前段のクロスオーバー周波数と接近すると特性がみだれるので、コンデンサーの容量を3倍以上にとってみました。





特性は少し改善されています。ただ55μFは大容量で特性のすぐれたコンデンサーの用意は大変なので、パワーアンプの前段にいれたらよさそうです。

正相型12dBネットワーク 2

2015-06-17 00:26:39 | オーディオ
正相型12dBネットワークの数値をもとめてシミレーションしてみます

数値の求め方は無線と実験の2012年4月から7月までの安井章先生の掲載を参考にしています。詳しくはそちらを参考にしてください。

クロスオーバー周波数でのディップを埋めるため

ウーファーはクロスオーバー周波数の2.1倍の高い周波数でカット。
ツイーターはクロスオーバー周波数の2.1分の1低めの周波数でカットする。
ディップを埋めるためにはクロスオーバー周波数まで減衰の少ない方がよいので、制動定数は1にしています。




求めた数値を入力して特性を出してみると







このような特性になります。

クロスオーバー周波数の前後の広帯域にわたってウーファーとツイーターがオーバーラップしていますが。合成した特性の白いラインは多少のうねりはありますが大体平坦になっています。

また緑のラインの位相特性はかなり平坦でクロスオーバー周波数の所ででも逆相型12dBのような位相が180度変わることもないためスピーカを正相に接続することできるので、逆相による打ち消し合いがなく,振幅の減衰も軽微ですむこでリミッターのかかったような音になることもなく、躍動感にあふれる音色が期待できます。

また比較的コスト高になり品質面でも気になるウーファーに直列に入るコイルの容量が小さくてすむのはかなり魅力的です。

ただツイーターのカットオフ周波数が低めなのが問題で、ツイーターのFsでのインピーダンスの上昇による特性の乱れが生じやすくないます。このシミレーションでは特性を見やすいようにツイーターのFsを1300Hzから130Hzに変えておこなっていますがFsを本来の1300Hzに直すとこのようになります。



ツイーターの低域の急激な減衰がえられますが位相特性が乱れうまくありません。

ツイーターのFsを平坦にするためのインピーダンス補正回路が必須になりますがPT20ではこの様な定数になります。



必ずしもお手軽では無い、容量の大きな、コスト的にも高い素子が必要になってしまします。

やはりチャンネルデバイダーのほうが安くできそうです。