先日、公園を散歩していたところ、ベンチで気持ち良さそうに休んでいる黒猫さんに遭遇しました!
気持ち良い風が吹いていて、ウトウトしていました
「ベンチに猫が座っていて、平和だな~」と感じた飼い主。
ふと、中学生の頃に国語の教科書で読んだ『ベンチ』を思い出しました。
<『ベンチ』について>
第二次大戦中のドイツを舞台にした作品です。
ドイツ人の「ぼく」に、ユダヤ人の若者・フリードリヒが、最近の出来事を語ります。
(「ぼく」とフリードリヒは、同じアパートに住んでいる幼馴染です)
ある時、フリードリヒは、幼稚園で働いている女性に恋をします。
フリードリヒと女性は意気投合して、休日に二人で公園に出掛けました。
話も弾んで、楽しく歩いていると、彼女が「ベンチに座って休みたい」と言います。
目の前にあるのは緑色のベンチです。
緑色のベンチは「ドイツ人専用」なので、フリードリヒは座ることが出来ません。
もし、座っていることが知れたら強制収容所行きになってしまいます(また、既に法律でドイツ人とユダヤ人との結婚・婚約は禁じられていました)
フリードリヒが困惑して立ち尽くしていると、彼女が思わぬ行動を取ります。
(※著作権の関係で、この辺で…)
『ベンチ』は、『あのころはフリードリヒがいた』という小説のひとつの章だと、先生から教わりました(教科書にもその旨の表記があったと記憶しています)
全体を読んでみたいと思ったのですが、近所の書店や図書館で探しても見当たりませんでした。
インターネットが身近な時代ではなかったので、「まぁ、仕方ないか」と探すのを諦めました(書店で注文するとか、他に手段があったと思うのですが…)
しかし!
夏休みを前に「推薦図書」のような形で、国語の先生からパンフレットが配られました。
中学生にお薦めの本が紹介されていて、欲しい本があったら、注文書と代金を先生に渡します。
すると、休みの前に、注文した本が先生を通じて手元に届くというシステムです。
そのパンフレットに『あのころはフリードリヒがいた』が載っていたのです!
早速、『車輪の下』と一緒に注文しました。
<『あのころはフリードリヒがいた』について>
最初に読んだ時も強い衝撃を受けましたが、時を経て、また新たに衝撃を受けました。
今回、二十数年ぶりに読み返してみました。
本当に何と表現したら良いのか、悲しくて痛ましいのです。
ただ、救いもあります。
『裁判』『先生』の章と、「ぼく」と「ぼくの両親」の存在です。
中学生の時に気づけなかった箇所もありました。
今回読み返したことで、改めて色々なことを考えさせられました。
頭と心を整理して、また読み返そうと思います。
「岩波少年文庫」ではありますが、大人の方々にも読み応えのある作品だと思いました。
もう一度、この本を読むきっかけを与えてくれた黒猫さんに感謝です!
【追記】
一緒に購入した『車輪の下』をきっかけにして、ヘルマン・ヘッセの小説を高校生の頃に沢山読みました。
ヘッセについても、いつか書きたいと思います。