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Maeda Niina BLOG

南青山マンダラ25周年記念 レナード衛藤2days Live 終演

2019年03月14日 15時44分44秒 | Performance2019
3/13、まさにライブなとても濃い一夜でした。

レナードさんとのパフォーマンスは、構築したシーンと即興的なシーンが折り重なるように進んでいきます。
故に本番中は色々なことが渦巻くけれど、良い意味でそれらを瞬時に捨てていき、次の瞬間そこにあるもの入ってくるものをキャッチできる柔らかな状態でいられるか、それに尽きるような気がします。
それはきっとどの世界も通ずるところがあると思うのですが。
五感も六感も筋肉も内部も、その時その瞬間の自分がもろに出現してしまうし、本番は何が起こるかわからない。

昨夜は個人的に舞台人生初のハプニングも起こり、久々に舞台の魔物を感じました。
それでもそれがライブの一部として瞬時に過去になっていくのも感じました。
舞台の魔物、それは裏を返せば舞台の神様でもあり、嘘がつけない。それがライブ。

レナードさんはじめ共演者の方々のそれぞれの生を見、感じられることも醍醐味でした。
どんな舞台も生であることに変わりはないのですが、昨日は本当の意味での“ライブ”というものを、演者としてどーん、と感じた一夜でした。

また、「意図的ではない自然のエネルギーのようだった」というような感想をいくつか頂いたのが印象的で嬉しかった。
バレエという不自由さを持つ形式美の中で染み付いた身体性が私を支えていることは間違いないと同時に、常に自由さや原初性との鬩ぎ合いの中にいるからです。


貴重な夜をご一緒させていただいたレナードさん、共演者のお三方、スタッフの皆様、そしてお客様、ありがとうございました!!







まもなく

2019年03月10日 23時54分44秒 | niina
まもなく3月11日です。


「未来のことを思い描いても必ずしもそうはならない、また、過去のことを振り返っていても進めない、だから、私は今を生きる。」

気仙沼市唐桑半島で民宿を営むおかみさんが、穏やかな笑顔で語る、この言葉が忘れられません。
おかみさんは震災に遭われたのみならず、その後、海難事故で家族3人を失うという事故にも見舞われてしまったのです。
自分だったらこんな風に生きられるのだろうか。。
いつも笑顔を絶やさず、民宿を守っていらっしゃるおかみさんのもとには、たくさんの人が集まってきます。


私たちは、「今」という一瞬一瞬を、自分ひとりで解決していかねばならない。
「解決」は、選択や解釈とも言える。ある意味で自分に嘘をついてこころに折り合いをつけることも必要だし、自分に正直にすべてを受け止め良きも悪きも、ひとしきり心に味わうことも必要だと思います。
大切なものごとがあればあるほど、その裏側も覚悟せねばならないのも確かです。
だからこそ「今」を存分に感じたい。感じることは愛だと思うのです。
おかみさんのその言葉とは重みがまるで違うけれども、確かな「今」でありたい。

そして、震災がきっかけではあったけれども、もうその域を超え、一つのバレエスタジオ同士としての気仙沼バレエソサエティとの繋がり、これからも大事にしていきたいです。




写真は唐桑半島に向かう船。もうすぐ道路が開通し、お役目が終わってしまうそうです。