Wanderers

試行錯誤のリターンズ はじめよう、ここから 日々のあれこれ・思うことなど 

冷たい指先

2014-10-17 02:30:00 | 詩興より
少しの緊張とともにあなたに逢う

変わりようはないんだけれど

髪をおさえる自分を鏡に映す女心

待ち合わせ、手を振って近寄ってきてくれたあなた

どれほど嬉しかったかあなたは知らない

久しぶり、と変わらぬ声

何でもないことのように返す私

知られたいような知られたくないような

でもきっと気づかれてる心の内

あなたといると時間が倍の速さで過ぎていく

チラリと時計を目に入れては、お互い見ないフリをする

会いたい

会いたかった

それは背徳に支えられた逢瀬

つながる指先に少しだけ心が震える

それは冷たさのせいじゃないってきっとわかってる

隙間をうめるように詰める距離

触れる肩 交わる視線

私だけなの、躊躇われるのが怖くて聞けない私

壊したくない

これまでも これからも




 

理由なき

2014-03-19 12:29:14 | 詩興より
何を求めているんだろう

どこに向かって行きたいんだろう

もしかしたら、ただこの胸のざわめきを懐かしみたいだけなのか

ときめきや不安やせつなさや

会いたいと言われる喜び

全てを引き換えにはできないけれど

誰のせい

2014-03-15 11:46:22 | 詩興より
例えば、あなたに逢うときにだけ着けるお気に入りのピアス

例えば、あなたに触れて欲しくて飾る指先

あなたに逢うためのいくつかの心持ち

あなたに逢うために重ねたいくつかの嘘

あなたのためなようであって、自分を満足させるものたち

あなたに逢いたいのは私

あなたに触れたいのは私

たとえあなたの方から誘ってきたって

それを待ち焦がれてるのは私

次の約束も決められないまま、またねと手を振り離れる二人

言えない一言

2014-02-18 12:42:32 | 詩興より
急に電話をしたのは
話したいことがあったからだけじゃないんだ

電話をしても大丈夫なんだって許されたかった

あなたの声で大丈夫って聞きたかった

あの頃より遠く離れてはいないと感じたかった

あなたが私に割いてくれてる時間がささやかな幸せなのに
声を聞いたら会いたくなるワガママな私

会いたいとは言うけれど
会おうよと切り出せないふたり

だったらいいのに

2014-01-21 12:44:35 | 詩興より
期待しちゃいけないのに
期待しちゃいけないから
期待してない風を装って
いそいそとメールを確認する

誰が見ているわけでもないのに
何でもないフリをするのは
私が私に落ち込まないため

期待した分だけのガッカリは
止められないあなたへの気持ち
胸によぎる切なさは
膨らんでいくあなたへの想い

知らしめられる自分の気持ちを
受け止めるのは自分しかいないのに
受け止めたくないから期待を避ける

落ち込まないために
あなたに左右されてしまう自分に落ち込まないために
落ち込むんだろうと考えてる自分に落ち込まないために



慣れてるんでしょ?

2013-12-25 07:36:05 | 詩興より
ずるい人

あなたの一言ひとことに心踊らされ乱されて
それなのにあなたは涼しい顔をして

また会いたい、なんて言う

落ちた迷路は意外にも
出口は近くに見えていて

だけども見える出口は二つ
どちらにも進めない私はただの臆病

まだしばらく、この迷路をただ歩いていたい
あなたとただ歩いていたい



ごめんねとありがとうの狭間

2013-11-03 12:07:22 | 詩興より


冷たくなった手を差し出す私
冷たさを確認するふりして手をつなぐあなた

見透かされてるのがわかってて繰り返す私
咎めずに握り返してくれるあなた

指先の冷たさを消すように何度も握りなおして
温もりをわけてくれる
その距離が嬉しかった

甘えたい私
甘やかすあなた

甘えてるのを分かってる私
許してくれるあなた

あなたの優しさが降り積もって温かくなる
手をつなげない日も私を温かくする

会いたくて
でも会いたいとは言えないけれど