goo blog サービス終了のお知らせ 

♪ 『 三線欲張り修行日記 』 ♪  

沖縄バンド「みいはいゆ」ちゃくらのブログです。

2020年の目標 どうしようかと考え中です。☺️♫

三線古典修行日記 『新人賞日記 ⑥』 ~カベ突破!~

2007年06月08日 | 新人賞日記(回想編)
『先生っ! 壁を突破できました! ありがとうございます!』
『よし。 前へ前へと進むんや!』
『はいっ!分かりました!!!!』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


何回歌っても、7分近くかかってしまう『伊野波節』・・・。

『もう一回やってみぃ。』
『・・・はい・・・。』

『やっぱり、じぇんじぇん長いよ。』
『・・・・・・・・・はぃぃぃ・・・。』

同じダメ出しを、何度も何度もくらいます・・・。
そしたら、テンポを上げればいいんじゃないの? 当然そう思いますよね。
でも、それは正しい答えではないんだと言われました。
『伊野波節』は、ゆっくりと情感込めて歌う唄・・・。
だから、テンポを早くすると、『伊野波節』ではなくなってしまうんです・・・。

テンポの問題ではないんです。それは自分にも分かっているんです。
でも、遅くなってしまう原因がどうしても分からない・・・。

遅くなる原因がわからないと、問題は絶対に解決しません・・。

(なんでやろぅ・・・・。もういややぁ・・・。)

歌い疲れと、自分の情けなさに、ただただボーッと放心状態の私・・・。


すると、普段は無口な先生が、私の前へ座りなおし
             さとすように話し始めました・・・。

『いいか。 あんたは一回口から出した声を、いつまでも聞いとるんや。
 一回口から出た音に、いつまでも気持ちを残したらいかんよ。
 前へ前へ進んでいくんや! いいか! わかったか?』

            『ハッ!!!』

・・・・私の中で、何かがパチッと弾けた瞬間でした!・・・・


「よし! もう一回やってみい!」
「はいっ! お願いします。」

もう一度、歌ってみます。 (前へ前へ・・・)と心で唱えながら・・。

すると! なんと驚いたことに、テンポを変えたわけでもなんでもないのに
長さは、一気に6分30秒に縮まったのです!!

      ・・・気持ちを変えただけで!・・・


「よし! これなら大丈夫や! 今の感じを忘れんようにな!」
「はいっ! わかりました!」


       『三線って人生やなぁ。 先生ってすごいなぁ。』

なぜか、清々しい気持ちでいっぱいの帰り道。

『前へ前へ・・・。』と呪文みたいに唱えながらの帰り道でした。


三線古典修行日記 『新人賞日記 ⑤』 ~挫折~

2007年06月07日 | 新人賞日記(回想編)
『どうしたんでやんすか? 三線がそこに落ちてやしたよ!』
『もうだめだぁ・・・。 試験受けるの辞めるよ・・・。』
『えっ? 何言ってるんでやんすか! 見損なったでやんすよっ!』
『・・・自信が無いんだよ・・・。』
『さぁ!もう一度三線を持つでやんす! そして自信を持つでやんすっ!』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

新人賞に向けて『伊野波節』の練習は、日々続きます・・・。

そして、ある程度練習が進んでくると、段々と細かい部分に練習は移り・・・。

まずは、息を吸う場所。 これはすごーく大事! 念入りに決めていきます。
本番では、緊張で息が続かなくなることも考慮に入れて
何箇所か増やすことも忘れずに・・・。

爪の動かし方も、先生の動きを完璧に真似て・・。

ところがっ! ところがです!!

この段階になって、大きなカベが、私の目の前に
『ドドーンッ!』 とそびえ立ったのです!


『伊野波節』は、6分20~30秒程で歌い終わらないといけない歌。
それなのになぜか、何回歌っても、どうしても7分近くかかってしまう私っ!!

ストップウオッチ片手の先生もほとほと困り顔です・・・。

「いかんっ! じぇんじぇん長いよっ!もう一回!」
「はいぃ~~~・・・。ぜぇぜぇ・・・。」
「いいか? はい、スタートォッ! カチッ(ストップウオッチの音)」

・・・もう一度、最初から歌います・・・。

「どうですか? 先生・・・。」
「ん~~~~・・・。やっぱりまだまだ長いなぁ。 6分45秒!」

       ・・・・・・ガクッツ・・・・・。


      どうすれば、このカベを打破できるのか???
            試行錯誤は続きます・・・。



三線古典修行日記 番外編 ~ショートショート~

2007年06月06日 | 修行日記
(新人賞日記は、今日はお休み。 ショートショートストーリー!)


プチトマトの山の中で・・・。

「わーい! プチトマトのプールだぁ!」
「すごいでやんすねぇ。あっしも頭にヘタを乗せてみやしたよ!」

「え~~~いっ!これでもくらえっ! プチトマ爆弾だぁ」
「あーーーーっ! やったでやんすね! んぐっ! ぐがここっ
 もぐもぐもぐ・・・・・・・・・。」

「・・どうしたの??」
「甘酸っぱい・・・。
 ん? そういえば、この甘酸っぱい味、いつか味わったような気が・・。
 なんだか変な気分でやんす・・。」

「あーーーっ! それはもしかして、『変』ではなくて『恋』じゃないの?」
「じょっ、冗談はやめるでやんすよぉ!」

    ・・・・キャッ、キャッ、キャッ・・・・・


さぁ、白チビシーサーに、再び恋の季節は訪れるのか???

 
               つづく・・・か?


三線古典修行日記 『新人賞日記』 ~その④~

2007年06月05日 | 新人賞日記(回想編)
「むむっ! この『新人賞樹海』は、相当手ごわいな!!」
「不気味でやんすねぇ・・・。 もう帰りたいでやんすよ~。」
「無理だよ! もう帰り道も分からなくなったからね。」
「どへぇぇぇぇぇぇっ! パンくず落としてこなかったんでやんすか??」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さぁ、『伊野波節(ぬふぁぶし)』 の意味も理解したし!
新人賞に向けて頑張るぞーーっ! と思ったのもつかの間・・・。

「これは大変なことや!!」

事の重大さにようやく気づいた私なのです。

とにかくこの唄、一言で言うと 『変』 なのです。
この『伊野波節』 今まで私が出会ったことのない部類の歌なのです。
何度聞いても、全く覚えられないのです・・・!

その上、歌を練習するだけじゃダメだと先生に言われ・・・。
なんと、爪の動かし方にまで決まりがあって!
休符は、爪を上下に動かして、タイミングを取るのです。

「いいか。 よく見とくんやで。 こうやるんやからな。」
「い~ち、に~、さ~ん」 上~、下~、上~・・・。

こういう場合、頼りになるのは自分の記憶だけ。
先生のお手本は、しっかり目に焼き付けたつもりやったけど
家に帰って、いざ練習を始めてみると・・・。

「いかんっ! 忘れちゅう! ぜんぜんわからんちやぁ~。」

泣きそうになりました!! 習った動き、半分以上忘れています。
ビデオでも撮っておけば良かった・・・。
どうしよう??? 次のお稽古まで、一ヶ月近くあるのに・・・。

「えーーと、確かぁ、ここはこうして・・・う~~ん、合ってるんかなぁ?」
先生の動きを、根気よくちょっとずつ、思い出していく作業です。

「せっ先生~~~~!!」

こんなに 『先生に会いたい!』 と思ったことはありませんでした(笑)

でも、とにかくやらなくては!
最後までたどり着かなくては!

この日から、車の中でも、家でも、とにかく聞けるときはひたすら
『伊野波節』 を聞きつづける日々の始まりです。

でも、なかなか憶えられない! それくらい不思議な歌なんです・・・。
猛烈な古典アリ地獄に、ズッポリとはまった私!!
それもすご~くサラサラした、細か~いナノサイズの砂粒・・・。


    この古典アリ地獄からは、当分抜けられそうにもありません・・・。



三線古典修行日記 73 ~葛藤~

2007年06月04日 | 修行日記
(ひそひそ・・・)
『このでか犬のそばに、果たして私は寄っていけるのか???
 大きな心の葛藤なのですっ!!!』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


6月に入ったんで、始めました! 古典の練習。

しかしっ!!今月は頭のイタイ問題が・・・。

実は、先月合格した3曲と、全く暗譜してない曲が1曲。
新しく、4曲の暗譜候補曲があるわけで・・・。
もちろん、4曲とも遅かれ早かれ暗譜しなくちゃいけない!

でも、ここでいつも迷うことが・・・。
先生は『何曲暗譜してこい』・・・ということは全く言いません。
つまり、全て私の自主性にお任せなのです。

だから、最悪1曲だけの暗譜でも、もちろん4曲全部暗譜していっても、いいわけで。

ここで、心の葛藤が起こるわけです。

(気楽な心)
『何にも言われてないんやから、1曲だけやってけばいいや~~ん♪フンフ~ン』

(まじめな心)
『いかんいかん! 最初からそんな気持ちじゃいかんやん!カーーーッツ!!!』

「そうやなぁ・・・。頑張ってやってみますか。」

一応、真面目な心に従って、暗譜に立ち向かう私。

でも、しばらくやってるうちに

「あ~~~~~。 全然覚えれん~~! 4曲もやってられんわ~~」
 と、イライラし始めるわけです。

と、ここで、待ってましたぁ!とばかりに登場するのが、「て~げ~」の心。

「まあまあ、落ち着いてぇ。 とりあえず間をとって、2曲の暗譜で手を打てば??」

「そやね~・・・・・。うんっ!そうしよ!」


こうして、どっちの心とも折り合いをつけて、気分一新
再び練習にはげむ私なのでした。


三線古典修行日記 『新人賞日記』 ~その③~

2007年06月03日 | 新人賞日記(回想編)
『よし。ぼくたちもおんぶに挑戦だぁ!』
『・・・って、これじゃ、後ろ足が上がってないでやんすよ~』
『じゃ、後ろ足は歩いててくれる?? けっこう疲れるからねぇ。』
『・・・こっちが疲れるでやんすよ~~! 普通に歩きたいでやんすよ~!』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


舞踊曲 『伊野波節(ぬふぁぶし)』 のド演歌の世界から、気持ちを切り替えて
新人賞試験用の 『伊野波節』 の意味を調べてみます。

(『伊野波節』 試験用の歌詞。)

『伊野波の石くびれ 無蔵連りてぃ上る にやへも石くびれ 遠さはあらな』

『不治の病(天然痘)の彼女を山に捨てに行くこの道・・・。
            こんな崖道(石ころ道)でも長ければいいのに・・』

「えっ!!!!(絶句)」

そう、この歌詞、実は、天然痘の彼女を、彼氏が山に捨てに行く唄だったんですっ!!


「うそーーっ!!!! これって、姥捨て山ってことやん??」

こんな歌詞ってあるんやおか???

村の人々の暮らしを守るために、伝染病にかかってしまった彼女を
山に捨ててこなくてはいけない無念さ・・・。 絶望感・・・。
今の時代では考えられないけど、昔はこんなことも現実にあったのかも・・・。

この唄の途中の、高いキーでの絶叫は、愛する人との永遠の別れへの絶望と
悲しみの叫び声なんだろうなぁ・・。

『こんなに長い、石ころだらけの道も、今日だけはいつまでも、いつまでも
 永遠に続いて欲しいと思うよ・・・。』

この歌に込められた思いを知ったとき・・・。

それまで、この歌は試験のための唄と割り切っていたのが
今までとは全然違う気持ちが、湧き上がってくるのを感じる自分なのでした。


三線古典修行日記 72 ~HANAUTAライブ~

2007年06月02日 | ライブレポート
『安兵衛』にて・・・。
手前左が、チャーシュー飯(350円)。 その隣りが水餃子(420円くらい?)。
ここの水餃子は、自分でスープに漬けて食べます! うまっ!

あまりの空腹に、我を忘れてがっついてしまい・・・。
というわけで、ひと息ついたあとの写真となりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日は、沖縄で二人で活動してる『HANAUTA(ハナウタ)」さんの
ライブを見に行ってきました。

ギターと三線に、昨日は特別に、ニ胡、キーボード、太鼓なんかも入って
なかなか厚みのある音で楽しかったです。

特に、ニ胡の音色はすごい! 気持ちいい! 癒される!
なんだか人間の歌い声に似てるなぁ・・・。とか思ったりして。
お母さんが子供に歌う子守唄のような、寄せては返す波の音のような・・・。

もうすっごいアルファ波が出まくりで、ライブの間中、ゆらゆら揺れてました。
そして、すんごく眠くなって、とろ~んとしてました。

写真は、ライブの後に行ってたお店 『安兵衛』。
名前の通り、安さと旨さが魅力のお店。
『オールウエイズ3丁目の夕日』そのままのレトロなお店。
最近の私のお気に入り。

どこか沖縄の居酒屋のような雰囲気も漂い・・・。アットホームでいい感じです。

ところで、アルファ波は空腹を増徴させるのか?? 
ものすごい激烈な腹減り状態で、やっとたどり着いたこのお店。
ここで、水餃子とチャーシュー飯を一気にかきこんで、ホッと一息。

「ふ~~~。 幸せ~。」
このまま、お店の軒先に布団敷いて、朝まで眠りたい・・。


「終わりよければすべて良しっ!」 と、ほんわ~かしながら帰ったことでした。


三線古典修行日記 『新人賞日記』 ~その②~

2007年06月01日 | 新人賞日記(回想編)
『こうして、ゆっくりするのもいいもんだね!』
『空がでっかいでやんすね~。』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


新人賞でお世話になることになった『伊野波節』。

この歌は、舞踊曲としては、すご~く有名なんやけど、
試験で歌う『伊野波節』は舞踊曲とは、歌詞が違います。

また、まともに歌うと10分以上かかってしまう長~い曲なんで、
1番は省略して、2番からのスタートです。
でも、それでも6分20秒~30秒ほどかかります!

『6分30秒近い歌を、丸暗記して、間違うことなく!止まることなく!
 歌いきることの大変さ! 難しさ!』

暗譜がイヤでイヤで、暗譜から離れられて最初は浮かれてた私。 でも・・・。

「あれ?? もしかして暗譜に追いかけられてた頃が天国やったかも???」

やっと事の重大さに、うっすら気づき始めた私・・。
でも、今さら受験をやめるわけにもいかず・・・。

『とにかく! まずは、この歌を知ることからスタートや・・。』

気を取り直して・・。
さぁ、『伊野波節』 の舞踊曲としての歌詞も調べておこう。

『逢わん夜の辛さ ゆすに思なちゃみ 恨みてぃん 忍ぶ 恋の習いや』
 
  逢う約束をしてたのに、逢えない辛い夜。
   あなたは他の女性のところへ行ったのでしょうか。
    そんなあなたを恨めしく思っても、あなたの元へ忍んで行く私。
     これが恋の習わし。 悲しい女の現実なのです・・・。


「どえぇぇっ!!!」 すごい女の情念の歌っ!! ビックリです!

けど、これは舞踊曲としての歌詞。
試験用の本歌は、歌詞が全然違います。 

歌詞の分かる日本語の歌はなんだか苦手で、特に恋歌が苦手な私。

『あ~。良かったぁ。 この歌詞じゃぁ、ど演歌の世界やもんね。』


古典の世界の奥深さにすっかりおののいてしまった、その日の練習でした・・。