インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

イミグラントの句座(1月25-27日)

2019-01-31 16:36:24 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
1月25日

引き潮や泡のふわりと甲撫でて

さざなみのそっと泡立ちぬくまりて

波泡の淡雪ごとし砂に降り

潮寄せて泡の消えゆく融雪ごと

波の花ふわりと咲いて儚きや

泡の華潮に溶けてしぼみゆく

泡の華斑(まだ)ら雪ごと砂に咲き

波の泡白きレースの綾織に

波フリルレース飾りの海ドレス

波の泡もろく優しい肌触り

波の泡ソフトに触れて足の甲

濡れ砂に踵めり込みざら撫でて

足裏に砂の感触ざらついて

ふわふわと泡踏み締め波打ち際

波の泡足をくすぐりまといつき

砂触(ざわ)り意識して歩く瞑想や

波の泡シャボンごと柔らかく

大入日波打ち際に金延べ棒

濡れ砂に泡のぶくぶく貼りついて

引き潮や波泡つぶし戯れて

泡踏みて童心帰る楽しきや

泡遊び足でつぶして面白し

柔らかな泡のタッチに安らぎて

浜沿いに東進翻って日没や

シシカバブ香ばし匂い夜の町

こぼれ砂床やベッドに浜土産

1月25日

洗礼や足を浄めて波シャボン

引き海や歩く瞑想もってこい

ぺたぺたと濡れ砂踏みて歩(ほ)瞑想

波の泡素足にまとい白ソックス

醍醐味や波打ち際の泡踏みは

泡沫や汀に地図を描(か)き残し

波の泡自然シャボンの浄らかき

式場のマイクテストや浜こだま

引き潮や泡と戯れ日の落ちて

裸眼にて見える幸せまだ見える

コップ半水まだあるもうないどちら

まだあるととりたい吾は肯定派

1月26日

牛鳴きて鼻息荒らしいびきごと

もうと鳴く黒牛のろと浜よぎる

迷い牛浜に紛れて海愛でる

1月27日

珍妙やからすみ軽くあぶり焼き

煎じ茶や目薬の木の通じよし

推敲や五十回余脱稿せず

手ごわきは伝記小説いつ上がる

麗俳女恋も句も情熱のまま

同郷の夭折す美人俳姫(はいき)


<熾=もゆる>

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