
現UP州の首相は、ダリット(壊された民の意)というカースト外最底辺層
出身の、マヤワティ女。
彼女には過去二度の州首相歴があるが、いずれも連立政権で短命だっ
た。が、先州議選で、過半数を獲得し、所属するBSP(バフジャン<ダ
リットの別称>・サマジワディ<理解>・パーティー)一党独裁の安定
政権が樹立されたのである。過去ダリット出身の有名な政治家には、イ
ンド憲法の父といわれる故アンベドカル法相らがいるが、女性の身にし
ての大快挙。
早速、ダリット層の優遇対策を打ち出すなど、虐げられているおのが階
層の救済に乗り出した。

ダリットとは、ブラーミン(司祭)、クシャトリア(王侯・戦士)、
ヴァイシア(商工)、シュードラ(奴隷)の四姓にくみしないカースト
外の最底辺層で(インド全土に一億以上いるといわれる)、庭・トイレ
掃除、洗濯夫(ドービー)、革職人・くつ使い、死体運搬人、人な
ど、カースト内ヒンドゥが穢れるといって避けたがる職分を請け負う。
がために、21世紀の今になっても、根強い差別待遇を受け、井戸水を共
用させてもらえなかったり、インカーストの影を踏んだり、おのれの影
で覆うことすら禁じられている。
法的にはこの不可触(アンタッチャブル)は禁止されたにもかかわ
らず、カースト制度がいまだに現存し、職業世襲制の連綿と続く階級社
会だけに、いっこうに差別がなくならない。マハトマ・ガンジーが彼ら
をハリジャン、神の子と呼んで差別撤廃を訴えたのは有名な話。が、今
もって、アウトカーストは虫けら同然に扱われ、上位カースト層に無残
に殺戮・強姦されたりの事件はしょっちゅう。

四姓の比率のおおよそは、ブラーミン5%、クシャトリア7%、ヴァイシ
ア3%、シュードラ60%、アウトカースト25%といわれ、なんと下層
カーストはトータルすると85%もの高率になり、ヒンドゥ教徒の八割方
はバックワードカーストと、後進層ということになってしまう。
戦後、政府がこの指定カースト(スケジュルード・トライブといわれる
原住民も含まれる)の優遇政策を打ち出し、公務員職や大学などの教育
機関の割り当てが現時点で27%まで引き上げられたが、この政策にも欠
陥があり、優遇策がクリームレヤーといわれるダリットの中でも比較的
恵まれている層に集中して同階級間での格差が出たり、カースト内ヒン
ドゥ、とくに学生から抗議のストに遭遇したりもしてきた。

政治家として成功するようなまれに見る幸運をものにできるのは僅少、
その他大勢は、人の嫌がる穢れ職を甘んじて引き受け、差別待遇にじっ
と耐えている最貧民層なのである。
マヤワティ女性首相は頑丈な体格の、髪を短く刈り上げたショートカッ
トでボーイッシュな風貌。51歳の現在も独身を通しているが、メントー
だったBSPの創立者、故カンシー・ラムとの関係が取りざたされたことも
あった。彼女自身は純粋に政治的な交流と否定していたが。肌黒い顔の
がらがらほえるような声での演説は凄みがあり、さすがダリットかつ女
性というハンデを乗り切っただけのことはあって、なかなかの政治的手
腕。UP州は治安も悪化する一方だったのだが、鉄血女性相、無論そちら
方面の良化にも手抜かりない。
町はみるみるきれいになり、計画停電も以前に比べ減っているようだ。
警察や官僚ににらみのきく鉄腕ぶりを発揮し、住民の苦情受け入れ体制
も万全。何せ、前政権のアナーキーぶりに業を煮やしたアッパーカース
ト層の支持も抜け目なく勝ち取ったため、全UP民援護で向かうところ敵
なし。
いずれは中央政権掌握の野望もひそかに抱いているとの風評も流れ、果
たして、インド初ダリット女性首相の誕生なるか?というところ。もっ
ぱら民族服パンツスーツ一辺倒の男性的かつ、カリスマ性抜群のマヤワ
ティ女性首相の今後よりいっそうの活躍が期待される。

出身の、マヤワティ女。
彼女には過去二度の州首相歴があるが、いずれも連立政権で短命だっ
た。が、先州議選で、過半数を獲得し、所属するBSP(バフジャン<ダ
リットの別称>・サマジワディ<理解>・パーティー)一党独裁の安定
政権が樹立されたのである。過去ダリット出身の有名な政治家には、イ
ンド憲法の父といわれる故アンベドカル法相らがいるが、女性の身にし
ての大快挙。
早速、ダリット層の優遇対策を打ち出すなど、虐げられているおのが階
層の救済に乗り出した。

ダリットとは、ブラーミン(司祭)、クシャトリア(王侯・戦士)、
ヴァイシア(商工)、シュードラ(奴隷)の四姓にくみしないカースト
外の最底辺層で(インド全土に一億以上いるといわれる)、庭・トイレ
掃除、洗濯夫(ドービー)、革職人・くつ使い、死体運搬人、人な
ど、カースト内ヒンドゥが穢れるといって避けたがる職分を請け負う。
がために、21世紀の今になっても、根強い差別待遇を受け、井戸水を共
用させてもらえなかったり、インカーストの影を踏んだり、おのれの影
で覆うことすら禁じられている。
法的にはこの不可触(アンタッチャブル)は禁止されたにもかかわ
らず、カースト制度がいまだに現存し、職業世襲制の連綿と続く階級社
会だけに、いっこうに差別がなくならない。マハトマ・ガンジーが彼ら
をハリジャン、神の子と呼んで差別撤廃を訴えたのは有名な話。が、今
もって、アウトカーストは虫けら同然に扱われ、上位カースト層に無残
に殺戮・強姦されたりの事件はしょっちゅう。

四姓の比率のおおよそは、ブラーミン5%、クシャトリア7%、ヴァイシ
ア3%、シュードラ60%、アウトカースト25%といわれ、なんと下層
カーストはトータルすると85%もの高率になり、ヒンドゥ教徒の八割方
はバックワードカーストと、後進層ということになってしまう。
戦後、政府がこの指定カースト(スケジュルード・トライブといわれる
原住民も含まれる)の優遇政策を打ち出し、公務員職や大学などの教育
機関の割り当てが現時点で27%まで引き上げられたが、この政策にも欠
陥があり、優遇策がクリームレヤーといわれるダリットの中でも比較的
恵まれている層に集中して同階級間での格差が出たり、カースト内ヒン
ドゥ、とくに学生から抗議のストに遭遇したりもしてきた。

政治家として成功するようなまれに見る幸運をものにできるのは僅少、
その他大勢は、人の嫌がる穢れ職を甘んじて引き受け、差別待遇にじっ
と耐えている最貧民層なのである。
マヤワティ女性首相は頑丈な体格の、髪を短く刈り上げたショートカッ
トでボーイッシュな風貌。51歳の現在も独身を通しているが、メントー
だったBSPの創立者、故カンシー・ラムとの関係が取りざたされたことも
あった。彼女自身は純粋に政治的な交流と否定していたが。肌黒い顔の
がらがらほえるような声での演説は凄みがあり、さすがダリットかつ女
性というハンデを乗り切っただけのことはあって、なかなかの政治的手
腕。UP州は治安も悪化する一方だったのだが、鉄血女性相、無論そちら
方面の良化にも手抜かりない。
町はみるみるきれいになり、計画停電も以前に比べ減っているようだ。
警察や官僚ににらみのきく鉄腕ぶりを発揮し、住民の苦情受け入れ体制
も万全。何せ、前政権のアナーキーぶりに業を煮やしたアッパーカース
ト層の支持も抜け目なく勝ち取ったため、全UP民援護で向かうところ敵
なし。
いずれは中央政権掌握の野望もひそかに抱いているとの風評も流れ、果
たして、インド初ダリット女性首相の誕生なるか?というところ。もっ
ぱら民族服パンツスーツ一辺倒の男性的かつ、カリスマ性抜群のマヤワ
ティ女性首相の今後よりいっそうの活躍が期待される。

インドについて調べていると、カースト問題と不可触民の女性の受ける被害の問題ばかりに目がいき暗澹とした気持ちになっていました。
けれどダリット出身でこんなふうに認められている方もいるんですね!勉強になりました。もっとインドに興味がわいてきました。ありがとうございます。
今現在彼女は州首相の座を追われ、野党に下っています。
カリスマ性のある女性政治家なのですが、汚職が問題になっています。
まあ、彼女はやることなすこと、派手で、自分の彫像をいたるところに建ててしまったり、党大会で何億ルピーのお札でできた特大花輪をかけられ、ひんしゅくを買ったり。靴とバッグのフェティッシュでもあります。
それでも、アウトカーストのダリット貧民にとっては希望の星、本四月に総選挙がありますので、首相になる野心は捨ててないでしょう。ただし、本命は現野党、インド人民党(BJP)のナレンドラ・モディで、マヤワティは下馬評にも上がっておりませんが。
近年、長年の優遇策でダリットが台頭してきています。かえって、最上カーストのブラーミンが貧しかったりして、インドのカーストは複雑です。
それでも、アウトカーストの差別は依然なくなりません。
昨今の兆候として、カーストよりも社会的成功を重んじる傾向が強まっていることは確かですが、カーストはヒンドゥ教と密接に結びつき、職業の世襲制ともなっているので、撲滅不可です。カーストがなくなると、インドの社会構造、ヒエラルキーが根底から崩れてしまうからです。
ちなみに、初代法相、ダリット出身のアンベドカルは死の直前、仏教に改宗しました。大臣にまで上り詰めながらの間際の改宗、ここにダリットであることの苦悩が覗いていますね。
ダリット出身の政治家というのは近年少なくないですが、自分の娘を最上カーストの男性のもとに嫁がせ、卑しい生まれを抹消しようとする者もいますね(結婚すると、夫のカーストに組み入れられる)。
インドはカーストのみならず、多宗教・多言語・多民族国家なので、その違いに端を発する差別も多いですよ。
少数派のイスラムはかなり不利ですし、キリスト教徒も差別されています。
インドの北東地域(マニプール、アルナチャルプラデシュ、ナガランド、アッサムなど)の人たちも継子扱いされています。
最近、デリーで北東地域出身の19歳の学生が、ヘアスタイルをチン(中国人)と揶揄され、商店主たちに殴る蹴るの暴行を受け、死亡する事件がありました。
北東地域の人たちはどちらかといえばアジア系の顔立ちで、内陸部のバタ臭い顔立ちとは異なります。日本人に近い感じ。ちなみに、うちの日印混血息子も北東地域出身と思われることが多いです。
とにかく、広大な亜大陸、モザイク国家なので、宗教、カースト、民族、言語の相違に発する紛争(コミュナリズム)が跡を絶ちません。自治闘争も盛んです。
近年、インドも経済発展著しいですが、持てる者はますます富んで、貧富の差が拡大するばかりです。飢餓がいまだに大きな問題で、貧困層撲滅には程遠い現状ですが、最下層から這い上がるケースも少ないながら、出てきていることは確かのようです。
BOPビジネスとは、企業の利益を追求しつつ、低所得者層の生活水準の向上に貢献できるビジネスのことですよね? 最初うっかりBusiness process outsourcing (BPO)と勘違いしてしまいましたが。
コメント、重ねて御礼申し上げます。