映画で綴る鑑賞ノート

ドキュメンタリーを中心に、新作映画を楽しく語ります。
鹿児島弁のコーナーもあるよ。

ブラック・セプテンバー 五輪テロの真実

2006年02月19日 | TV
スピルバーグの“ミュンヘン”と並べて語られるのは、監督のケヴィン・マクドナルドにとっては、嫌なものかもしれませんが、
“ミュンヘン”の公開で、注目されたのは事実。グッズ・ショップでDVDが売られていました。

“ミュンヘン”は、事件後を描いていましたが、こちらは、事件そのものに焦点を当てたドキュメンタリー映画です。

注目すべきは、犯人側、つまり、事件を起こしたパレスチナ・ゲリラ“ブラック・セプテンバー”で、
唯一生き残った、ジャマール・アル・ガッシーを登場させているところです。
これには、驚きました。

事件をイスラエル側からだけでなく、パレスチナ側からも描くためには、
彼をカメラの前に引っ張り出すことが必要だと、監督は考えたのでしょう。
それにしても、よく出演してくれたものだと思います。

事件を時系列に並べ、当時のニュース映像や、当事者へのインタビューを挟み込む構成は、
まるで、事件を知らない世代のために作ったかのように、とてもわかりやすくなっています。

そして、パレスチナ側、イスラエル側、双方にカメラを向け、最後は両者の遺体写真を隠すことなく曝け出したこの映画は、
パレスチナ問題を語る上で、“ミュンヘン”以上に重要な作品だと思いました。

ブラック・セプテンバー 五輪テロの真実
★★★★ 1999 スイス、ドイツ、イギリス
監督:ケヴィン・マクドナルド

追記

 ドイツのおまわりさん、「任務の放棄を決めた」って、そりゃないよ…


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