多感な時期に母親を失ったトラウマでつながった朋輩JohnとPaul。PaulはYesterdayを作ることで鮮やかに超克しましたが、これはJohnにとってエバーグリーンな名曲で喪失感を昇華されたことで2重のトラウマとなりました。屈折した愛憎は、The Dirty Mac(E.C.やKeith,M. Mitchellとのスーパセッション) など露骨な面当てなどなど・・・そして瓦解へとつながって行きました。
Johnはソロになって「ジョンの魂」のMotherで超克しましたが、音楽・歌詞的にYesterdayのように技巧を凝らさず、当時受けていたプライマル・スクリーム療法の影響のもと、心の奥底から懊悩をありのままに吐露することによって解放されました。実生活でも符合して、代理母としてグレートマザー(太母)的なYokoとLindaを授かりました。
Two of Usの歩んだ道を辿ってみると、JohnがIn my Lifeで故郷を読み込めばPaulはPenny Laneで、さらにMull of Kintyreで(Pubでの?)国民的愛唱歌を作りました。JohnはImagineで、先行したPaulに決定的なコンプレックスを与えました. Pipes of Peaceなどではまだまだメッセージの飛距離が足りません。未だに決定打が出せずにいます...。
そう見ると2人には相聞歌がたくさんあります。さっと思いつくだけでも、Lovely LindaとOh!Yoko、The Luck Of The IrishとGive Ireland Back to the Irish、Happy X'masとWonderful X'mas 、Well Well Well とLet Me Roll It・・、打合せしたかと思えるほどシンクロしています。もしこれら一緒に制作したなら、とてつもない影響力をもった楽曲になったはずですが・・単純にI've Got A Feeling的合体でも。PaulはWanderlustでは1人で2人分演じて船出しようとしましたが。
そしてPaulにもう一つ残されているJohnへの負い目は、JohnがGodで成し遂げたBeatlesの超克です。Paulにとって、これは常にBeatlesの幻影を求め続け巨大化する私たちBeatles fanの超克でもあります。
ダコタハウスでは門前払いされていたPaulが、1974年Wings全米ツアー中に失われた週末中のJohnのもとを訪れ、S.Wonderを交えてセッションを行いました(画像参照)その後JohnがYokoのもとへ戻り主夫生活に入ると、Paulの音楽活動もスローダウンすることに・・。
そしてJohnが凶弾に倒れた後、Paulは永遠に回帰する日々を永遠に成長しながら過ごす超人のように、精力的に活動しています・・天国でJohnと再びまみえる日に向けて。今年もまもなくJohnの命日を迎えますが、こんなことを思いました。