父の看護で、精油がいろんな場面で助けになりました。
自然の力というのは不思議なもので、同じ抗菌作用を選ぶにしても、精油の方が良かったとことが何度もありました。
メディカルな精油の応用は、やはり医師との相談が望ましいですが、父のようにターミナルケアの場合は、特に大きな助けとなりました。
父は応用昆虫学を修めていて、科学者特有の論理的マインドを持った人でしたが、最後の方は、とても感覚的な言語を使っていました。
母は、おそらく戸惑ったと思いますが、父の表現しようとしていることは、よく分かりました。
何度か、例えばマッサージをしたり、精油をブレンドしたマウスウォッシュで口腔ケアをしているときに、よく「広がった」という表現をしていました。
病院では口腔ケアにもイソジンが用意されていましたが、父が感じた開放感を伴う心地良さは、精油ならではのものでしょう。
持って行っていた精油のほかにも、友人が送ってくれたフラワーエッセンスを部屋にスプレーすることもありました。
そうしたことは、とても微細にですが、父にも感じられていたようです。
寝ている時にも、僅かに表情に変化がありました。
庭には父が育てていた花がありました。
そうした花を部屋に飾りもしました。
庭に出ることができない父に季節の様子を伝えたかったし、さりげない花は優しさをもたらしてくれました。
摘むときには「どうぞ父に明るさを運んで」とお願いしました。
病室でAnn Worwood のFragrant Heavenを読んでいました。
何度も中断して、なかなか進んでいないのですが、とても好きな本です。
植物にどのように向き合うかとことを、あらためて思い出させてくれます。
彼女のアプローチを少しずつアロマの生徒さんに紹介できたらいいなと思います。
自然に向かい合う時、もうすぐ再開するボイスやギターレッスンで音楽に触れるとき、詩を読んだり絵を見るとき、そして、内側の沈黙に触れるとき、父もそこにいられる特等席を用意しています。