さてさて、5月16日、17日とで誕生した四羽の雛たち。
巣の中をほとんど覗かない私は、過去の観察から、巣の渕からかすかに嘴が見え始めた時が、誕生から1週間あたりと判断してきました。後の巣立ちから逆算すると毎年ほぼ合っているようです。
巣の中を覗くことが出来ない方には、これが誕生1週間という目安にすると良いと思います。
1 9日目のこの日は朝から雨降り。時々風と共に横殴りの大雨に・・・
それでもツバメさんたちは、ずぶ濡れになりながら雛たちの餌を運び続けます。
ママさんは、パパに比べて羽に艶もなく、油も乗っておらず、ご覧のようにお顔も
びっしょりと濡れきってしまっています・・・
卵を産んで、じっと2週間の間温め続け、すぐに子育て・・・卵を産んだ分カルシウ
ムやビタミンエネルギーが不足してしまい、二度目の巣立ちを終わらせた頃のメ
スツバメさんたちなどは、羽もボロボロになり、おハゲが出来てしまっている姿を
多く見かけます。そしてすぐにまた南へと渡らねばならないわけですから・・
オスとメスの生存率では、やはりメスツバメさんのほうが低いことが、野鳥の会
、大阪支部で10年間調査をしてきたデータにも表れていますね。
2 隣に並んでいたパパさんです。凛々しい顔つきですね。
羽の色艶の良いこと・・雨雫がパラパラ弾いています。
ツバメさんは、いつも空を見上げていることが多くて・・・私などは勝手に
「君は空ばかり見ているね。何を考えているの?」なんて話しかけたり・・
考えているも何も・・天敵やライバルの監視を常にしているだけのことなのですが
ね。
3 9日目になって、雛たちも巣から頻繁に顔を見せ始めています
肉団子から産毛団子に・・
鼻の穴と耳の穴がくっきりと
。目も間もなく見え
てくる頃でしょう。目が開いた時に餌をくれるものを親と思ってしまうと聞いた事
あります。このあたりに保護をされた雛ならば、下手したら完全に「手乗りツバメ」
になってしまいそうですよね。
ちなみに我が家の保護メジロの命くんは、保護されたときには目は見えていまし
たが・・・ほぼ手乗りメジロ状態になってくれていますがね
4 10日目、相変わらず、パパもママも巣に戻ると必ず雛たちに声を掛け合っていま
す。 ママのほうは「ウビィッウビィッ」と パパは「チェチ゛ェッ
」と、それぞれに
掛け声が違うのです。毎年、パパとママ(ツバ美ちゃんを含めると過去四羽のお
嫁さん)とでは、雛への掛け声は違っていますから、何か理由があるのでしょうか
ね。 「パパですよ~」「ママですよ~
」と・・・?
5 10日目の雛たち、今日ははっきりと3羽確認が出来ました~。
かすかに目を開いているので、もうパパやママの顔もわかるのですね。
この頃の嘴回りを私は「ドナルドの嘴」と言っています。表現すると 「ムニュゥゥ
ゥ」・・・って感じかな。巣の渕に顔を乗せて、時々首をカクカク上下させたり、左
右にピコピコ動かしたり・・・可愛いというよりも面白い・・かな
6 11日目、パパが運んできたのは「小バエ」 雛の首って・・びよぉぉ~んってよく伸
び縮みするもんですねぇ パパは巣に両足を掛けて、燕尾をめいっぱい広げ
て体を安定させています。・・・ということは足が手、燕尾が足の代わりのような
状態になっているということなのね、この時は。
糞受けの新聞を取り替えるときに、落とした餌をチェックしていますが、はじめ
の一週間はほとんどが「蚊」「羽蟻」「ミズスマシ(のような虫) 」など小さくて柔ら
かそうなものばかりでしたが、この頃には、小ぶりの「蛾」や「小パエ」など、やや
大きめに・・・それでも落ちているということは、まだ食べにくかったのかな?
7 まだそんなに給餌に忙しくないこの頃は、時々パパとママ仲良く物干し竿の上に
止まっては、羽づくろいをしたり、ぼぉ~っと空を見ていたり・・時々
パパ 「チキチキチィ」 ママ 「ヴィヴィ
」 ツバメ語で何か会話をしています
ね。
この子達の後姿を見ていると、つくづく この小さな体で海を渡って・・国境をいく
つも越えて、我が家を目指して帰ってきてくれているんだなぁ・・と。生存率が
一割程度とも言われている中で、こうして無事に帰って来てくれることだけでも、
奇跡に近いものすごいことで・・・
この子達の背中は小さいけれど・・大きいね。
どんなことをしても守ってあげたい・・そう改めて思ってしまう。
8 12日目、「産毛団子」は「ツンツン羽団子」に・・・羽の生え始めはなんだかチクチ
ク痛そうね。尾羽も少しだけ伸びています。この頃は、羽づくろい(まだ羽って言
えないけれど)や、頭カキカキも出来るようになりました~
それまでは親が戻ると、小さく「シィーシィー」鳴いていたのが、「ピャァピャァピャ
ァ」 と少し大きく鳴くように・・・玄関の開け閉めの時に反応して口を開けて「ピャ
ピャピャ」と声を出してみたり・・・日々成長しているのですね
9 13日目、やっと末っ子が顔を出し、四羽兄弟そろっての「お披露目」
16日に3羽、17日にこの末っ子が誕生しました。今年は4羽分の卵の殻の一
部がすべて玄関と糞入れに落とされていたのでわかりました。殻の内側薄い皮
の乾き具合と付着している色で区別できます。でも4個分は珍しいことですね。
卵の殻は、カルシウム補給として親が食べてしまったり、巣から持ち出して
少し離れた場所に落とすのですが、パパ、ママ、全部私にプレゼントなの?
10 ママは巣の渕からいつも雛たちを見ています。
「我子を見つめ何を思ふ」・・などとまたまた考えてしまう私ですが・・
何てこともない。この時も、雛の「うんち」を運び出すのに時間がかかっていただ
けだったわけですがね・・この後、巣の中に顔を突っ込みゴソゴソ・・取り出した
糞を口にくわえて、お決まりの玄関前の田んぼの中にポトン・・・
この雛の糞。実は雛が生まれて数日間は、取り出してくわえた糞を、そのままモ
グモグ食べていることがありました。「美味しいの・・?
」
ツバメの糞は、植木の最高の肥料にもなりますからね(我が家は肥料代わりに)
土と混ぜ合わせて使っています~
11 14日目、このあたりの雛って・・・なんだか・・・ね。どなたかがこの姿を見て「アラ
ーキー」みたい・・と。正面から見ていると・・・笑えちゃう。
でもじっと見ていると、そぉぉぉ~っと巣の中に隠れたり、ママが玄関前で警戒
鳴きをすると、サッと巣の中に身を隠すようになるのもこの頃。
「警戒心」が植えつけられてきましたね~
給餌の時の声も 「ピャァピャァ」から 「ビャァビャァビェァ
」 に・・・
12 15日目、毎年のことながら、この日あたりを境に雛たちは急成長して行きます。
たった1日でこんなに「ツバメ」らしくなっていってしまうのですよ
私はこの姿を見てから一週間後が巣立ちといつも判断してきています。
親ツバメたちも、もうのんびり夫婦の時間、物干し竿で過ごせなくなってきました
ね~ 糞の量もこのあたりから・・・新聞取替えが大変~
次回は、「誕生から16日~巣立ち」までを・・・
今日わが家でも3羽のくちばしを確認することができました。
まだ鳴き声も小さいですが、これからどんどん大きくなるのですよね。楽しみです。
私も本当は「卵の殻」が欲しかったんですが
残念ながらどこにも見当たりませんでした。
そのかわり、小さい「羽」は記念においてます。
これってツバメさんの羽だと思ってますが・・・??
産座に敷いている羽も、ツバメさんは自分の羽根を使っていることもありますね。羽も「家宝」になるかも・・・