語学は「語楽」--英語を楽しく学びましょう

英語の学習をしていて、「おや?」と思われる点について、みんなで考えてみたいと思います。

番外編

2008-01-04 17:26:33 | 英語の学習と研究

 今日は1月4日(金)で仕事始め。職員室は、Tセミナーの指導で1,2年生の先生方はフォレストビルに出払っており、3年生の先生方がひっそりと質問受付をしているという実に静かな雰囲気だ。その中、19回生旧3年7組の男子卒業生が4人ほど私を訪ねてきた。
 このクラスは男子も女子もとても元気がよく、担任である私は大声を張り上げる毎日で、実に充実した日常を過ごしていた。その中でもこの4人は、とりわけ私に叱られることの多い生徒だった。
 話が受験に及び、Wings君がこんな思い出を語り始めた。
 「そういえば、この時期、先生に言われたことで絶対忘れられない言葉があります」と言う。
 「さて、何だっけ?」と私。
 「Wings(=生徒の名前)。お前な、この時期勉強に集中しないで、ふらふらしていたら絶対、大学に受からないぞ!と言われたのです」
 「そんなこと言ったっけ?」
 「先生はさらにダメ押しで、『断言する。お前は絶対合格しない!』とまで言ったのですよ」
 周りの3人は、くすくす笑い出した。尋ねてみると、こういう返事が返ってきた。
 「うちのクラスの誰もがあの頃のWingsの様子を見ていて、合格できるとは思っていなかった。みんなが勉強に集中している中、彼だけが浮いていた。むしろ先生のあの言葉こそ、クラス全員が彼に対して抱いていた気持ちだったのです」と言う。
 叱った当方には全く記憶がないが、それにしても、よりによってこの時期によくもひどいことが言えたものだと反省することしきりである。
 別の卒業生がこんな思い出を話してくれた。
 「叱るといえば、リーディングの4月の一番最初の授業で、先生がGreenfield(=生徒の名前)に本文中のglobeの意味を尋ねたら、彼は野球の『グローブ』と答えた。そこで、先生は辞書でもう一度この単語の意味を調べなおしなさいと言ったら、返ってきた答えが『辞書を持っていません』。これに先生は相当ブチギレていましたよ。こりゃ、相当ヤバイと誰もが思いました。Greenfieldは会うたびにこの話を持ち出してきます」と言う。
 これまたブチギレた当方には全く記憶がない。ただ、辞書を引くことの重要性については、古今東西、未来永劫変わることのない真実だと思う。Globe(地球・地球儀)をgloves(手袋)/ a baseball glove(野球用グローブ)と取り違えても、実生活には大して影響しない。しかし、語尾が-beで終わるか、-ve(s)で終わるかで、直前の母音の発音が[おぅ]になるか[あっ]になるかがわかるし(類例:lobe / love)、globalize ( v. ), globalization ( n. )など単語のネットワークが張り巡らせるし、辞書を引くことで蒙る被害(?)よりはそこから得るもののほうがはるかに大きいということは声を大にして伝えて行きたい。
 さて、小一時間ほど昔語りをした後で、件の4人衆はこれから新年会だと言う。若いというのは羨ましい。20代前半では、なにかとんでもない失敗をしてもやり直しがきく。その意味で大胆になれる。50を過ぎると先が見えているので、どうしても臆病になってしまう。そんなことで、生徒を叱れなくなったのかなあ、と複雑な気持ちでこの文章を書いている。


Intellectual Honesty(知的正直)

2008-01-04 10:11:04 | 英語の学習と研究
2008年1月4日の課題です。

問題 以下の英文を分かりやすい日本語で和訳せよ。
   The one habit of thought of real value that I acquired there was intellectual honesty. This virtue certainly existed not only among my friends, but among my teachers. I cannot remember any instance of a teacher resenting it when one of his pupils showed him to be in error, though I can remember quite a number of occasions on which pupils succeeded in performing this feat.        
                                                                 Bertrand Russel, Autobiography I

毀誉褒貶

2008-01-04 09:51:18 | 英語の学習と研究
 最初の文ではso … that S’V’構文を押さえることと、名詞句が能動的意味か受動的意味かを判別する。The desire for praisethe desire to be praised、またthe fear of blamethe fear of being blamedという受動的意味を押さえる。2文目のthe fear of disgrace in the event of discoveryは「(不正乗車が)発覚した時の不名誉を恐れる気持ち」。
 
 訳文を挙げます:


人から褒められたいという願望と、人から非難されることを恐れる気持ちは実に強力で、他の全ての動機に勝ることがある。「不名誉よりも死を」という気持ちは好ましいものと考えられているが、厳密に言えば私利私欲を離れた気持ちではない。同じような気持ちは慎ましやかな形で働いている。例えば、切符を持たずに電車に乗って鉄道会社からせしめてやろうという気持ちが働いたとしても、不正乗車が発覚した時受ける恥辱を恐れる気持ちが法的処罰よりもはるかに強力な抑止力として働くのである。このように、毀誉褒貶(きよほうへん)は、個人の利害を社会の利害に調和させる点で刑法を補完しているのである。