語学は「語楽」--英語を楽しく学びましょう

英語の学習をしていて、「おや?」と思われる点について、みんなで考えてみたいと思います。

巨大地震に思う

2011-05-09 18:02:48 | 英語の学習と研究

 目先の忙しさの中で、本質を見失うことがある。
 3月11日は朝から忙しかった。職員打ち合わせにおける情報量は相当なものがあった。瑣事片片に追われ、7時間目に入るその瞬間にぐらりと来た。この「ぐらり」は相当長く続き、私の右隣のプリンターが台から落ちそうになるのを抱っこして辛うじて落下を防いだ。頭上の蛍光灯は大きく右左・前後にゆっくりと揺れた。校舎が崩落すると確信した。
 電気が切れた。停電である。生徒を校庭に出すも、余震で地面が揺れていた。雪が降り始め、体育館に生徒を誘導しようとするが、1年生の中には恐怖でその場に凍りつく者もいた。なんとか体育館に入れたはいいが体育館の照明器具もぐらぐら揺れていた。出席を確認し、担任立会いの下教室から私物を取らせ、帰宅させた。
 巨大地震は津波を引き起こし原発事故を発生させた。大勢の人が波にのまれ亡くなった。学校は崩落はしなかった。壁にひびの入った教室がいくつか。断水。ガスもアウト。ライフラインが断たれた。真っ暗な職員室は足の踏み場もないくらいに、書籍が散乱し、本棚が横たわり、椅子が転げ、茶碗が割れ、あれやこれやが雑多に重なっていた。
 不思議な静謐が職員室にみなぎっていた。あれほど忙しかった一日が嘘のように思われた。巨大地震は、忙しさも消してしまったのだ。
 普段は忙しくて見えないもの、気付かないふりをしているものが改めて意識された。それは当り前であることのありがたさ。「当り前であること」は空気同様に意識に上ることはないのだが、当たり前でない状況において、「当り前であること」が実はありがたいものであることが分かる。
   

 


校歌

2011-05-05 15:08:31 | 英語の学習と研究

 ひょんなことから、F高等学校の校歌を英訳することになった。
 英訳に限らず翻訳の基本は、A言語の意味をできるだけ忠実にB言語で表現することにある。今回は譜面にも忠実に取り組んだ。(つまり、英訳版であっても例の節回しで歌えます、ということだ。)この作業はやり始めると実に楽しく、震災後の落ち込んでいた気持ちを和ませる効果が絶大であった。というわけで、下にF高等学校の英訳を挙げることにする。実際に声に出して歌ってみよう:

<1>
   Doth thy heart not leap up to see     
   The clouds of cherry blossoms full in bloom?
   In the centre of Osaki,
   Amidst the golden waves of rice,
   There stands our Alma Mater,
   Full of hope and pride.
   Those are amongst the things
   Are we proud of.
   Come and behold our Alma Mater.

<2>
   Didst thou see the Kurikoma yonder,
   Fathering harsh northerly winds?
   See the Funagata down hither,
   Towering high above the clouds?
   See the way they soar up, lofty,
   Shining glorious.
   Those are amongst the things
   Are we proud of.
   Come and behold our Alma Mater.

 <注>
 the Kurikoma: the Kurikoma Mountains(栗駒連山)
 the Funagata: the Funagata Mountains(船形連山)