リアス式読書日記(仮)

本好きのマヨネぽん酢が、読んだ本の感想をのらりくらりと書きます。よろしく!

ほっと一息、やすらぐ飲み物は? TB練習板

2005年05月28日 | Weblog
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無類の緑茶人です。
ひとたび緑茶を飲めば、体の中でスイッチが入ったみたいにリラックスモード突入です。
本を読むときやテレビをみるとき、インターネットやゲームをやるときも緑茶は欠かせません。だから、いまこの記事を書きながらも緑茶を飲んでいるわけです。
そんなことをしていたら、先日ノートPCに盛大に緑茶をこぼしてしまい、ふき取る暇もなくキーボードの隙間に浸透してしまいました。
あれは大丈夫だったのかな。いま、正常に動いているところをみると大丈夫なのだろうけど。

そういえば、アメリカには緑茶味のコーラがあるそうで。
さすが、アメリカのひとはやることが違う(しかし、緑茶の香りは意外と炭酸系にもあうかも)。

話がかわりますが、いま読んでいるオリヴァー・サックスという人の本が面白いのなんの。
医学エッセイということで、脳神経のはなしがたくさんでてくるわけで、シロウトには少々難しくて退屈な本かなと思っていたのですが。
それが、違うんですよね。まるで良質の映画でも観ているように情景が鮮やかだし、人物があまりにも生き生きとしているんです。
こういう本を読むと、ふだん読んでるような小説が遠く感じてしまうなあ。

『人面町四丁目』北野勇作

2005年05月24日 | エンターテイメント小説全般
■詳細
出版社:角川ホラー文庫
発行年月:2004年7月
価格:580円
ジャンル:SF/ホラー

■感想
角川ホラー文庫から出ているけど、たぶんホラーじゃないんじゃないかなあ、なんて思いつつ読み始めたのだけど……。

この小説はタイトルにあるとおり、〈人面町〉という町を舞台にした連作短編集。
主人公の売れない作家が、奥さんの実家がある〈人面町〉という町で暮らしているのだ。
この〈人面町〉というのがヘンテコな町で、なんでもむかしは人面工場がたくさんあって、〈人面〉が大量生産されていたらしい。〈人面〉っていうのはなんだかよく分からないけど、いまでも工場はたくさん残っている。
そんなヘンテコな町だから、作家の日常も不可解なことだらけなのだった。

けっこうシュールな描写もでてくるけど、やっぱりホラーではないなあ。少なくとも、怖くてトイレにいけなくなるような本ではない。まあ、ホラーじゃないなら何なのかときかれても、困るけれど。
いずれにしろ、読んでいて不思議と懐かしさを覚える心地よい作品だった。

■満足度
(7)

『滅びの都』A&B・ストルガツキイ

2005年05月22日 | 純文学
■詳細
出版社:群像社/群像社ライブラリー
訳者:佐藤祥子
発行年月:1997年3月
価格:2163円
ジャンル:ロシアSF

■感想
私のストルガツキイ体験、2冊目。
この本は前に読んだ『みにくい白鳥』より動きがある分読みやすいかなあ、なんて思っていたのだけど、読み終わるのにやたらと時間がかかってしまった。
きっと、長いからかな。でも、私としてはこっちの本のほうが好き。
おサルが町なかで暴れたり、スターリンとチェスで対戦したりで、なかなかファンタジーを感じるからね。

この本を読もうと思ったのは、作品の設定の異様さにひかれたから。
なんたって、〈都市〉というどこだか分からない世界で、万人の幸福を実現するための〈実験〉が行われているというのだ。
しかも、参加者たちは〈実験〉の目的を知らされていなかったり、定期的にランダムに決定された仕事につかされたりで、たぶんに共産主義的ないろあいの濃い〈実験〉だ。なので、参加者たちの生活は苦しく、〈都市〉には退廃的なムードがただよっている。

そんななか、ものがたりの中盤で大きな動きがある。
ファシストのクーデターで、新体制が確立されるのだ。それによってなにが変わるかというと……。
恐ろしいことに、何も変わらない!
以前の全体主義が、別の全体主義にすりかわっただけなのだ。たしかに貧困は解消されたけど、それは本質的なことではなかったのだ。
このあたりは、深く考えるとなにやら空恐ろしくなる。

さらに、ものがたりの終盤はもっと恐ろしい。
謎につつまれた〈都市〉の北方地帯を探査しに行くのだけど……。
ここにいたって、〈都市〉はもはや惰性によってしか存続できない、というような印象を受けた。
北には何もない、それを分かっていながら、〈アンチ都市〉などという幻想をでっちあげてまで、〈都市〉は存続しようとする。

恐ろしいのは、〈アンチ都市〉が存在しないと知ってしまうときだろう。
その場合、〈都市〉も、そこに住む人間も、目的をなくしてしまう。
はたして、目的を失った人間に生きる意義があるのだろうか。
いや、おそらくあるのだろうな。
主人公の友人のユダヤ人は、〈神殿〉という独自の哲学に到達する。そこに人間のあり方を見出すわけだ。
ただし、主人公はこの友人の考え方にあまり乗り気でなかった。きっと、彼は彼なりに生き方を発見するんだろうなあ。

……しかし、この〈都市〉のある世界は一体どういう形をしているのやら。
最初、リング状の構造物の内側を想像したのだけど、後半の描写から考えるともうちょっと複雑だ。
四次元トーラス状の空間の内側だろうか。
北と南、西と東が、どこかでつながっているのかもしれない。ひょっとしたら、過去と未来もどこかでつながっていて、時間線が環状に閉じられているのかも。
う~む、このあたり、立派にSFしてるじゃないか。深いなあ、ストルガツキイ。

■満足度
(6)

10段階にするか。

2005年05月22日 | Weblog
本のお気に入り度を5段階であらわしていましたが、なんとなく10段階にしてみたくなりました。
あいまいな評価基準を、さらにあいまいにしようと思っているわけです。

そんなわけで、ためしにカエルを10匹ならべてみた……。



う~ん、なかなか不気味。しかも横に長くなってしまうし。
このさい別の絵文字を使おうかな。



これなら横幅もとらないなあ。よし、これに決まり。

読前感想

2005年05月16日 | Weblog
昨日は近所のショッピングセンターに靴を買いに行きました。

革靴は高いやつほど長持ちするが、運動靴は高くても安くても一緒だ。
というのが、うちの父の名言であり、それにならってもっとも安いカジュアル用の靴を購入。帰りはものすごい土砂降りの雨に打たれつつも、ブックオフによって本を購入しました。

私の場合、買った本でじっさいに読むのは5冊のうち1冊くらいなので、かなり読まずに積む本は多いです。
そこで、ただ積んでしまうだけではつまらないので、積む前に感想を書いておきます。
本を読んだという体験の感想ではなく、本を買ったという体験の感想です。小学校の宿題の、読書感想文を思い出しますね。あれ、中身読まずに適当に書くのが楽しいんですよね。


『宇宙生命図鑑』小林めぐみ/徳間デュアル文庫
ジャンルは、ライトノベルかな? 小林めぐみは、本当は富士見ミステリー文庫で出ている短編集を読みたかったのだけど、売ってなかったので適当にこれを買いました。というか、105円ならなんだって買いますから。
あらすじを見るかぎり、ジェンダーSFかな。この本はなかなか面白そうで、期待度高いです。

『クラゲの海に浮かぶ舟』北野勇作/徳間デュアル文庫
北野勇作の本で、まだ持っていないやつを本屋で見つけたら無条件で買うことにしています。
この本は、タイトルからして不思議な雰囲気が出ています。あとがきをちょっと読んだところ、いつもとかわらぬ北野勇作のあとがき。期待度かなり高いです。

『火星の人類学者』オリヴァー・サックス/ハヤカワ文庫NF
これは、タイトルからしてSFかなと思って手にとったら、じつは真面目な医学エッセイでした。まあ、これも何かの縁だろうということで即購入。
ところがところが。
アマゾンでどんな本なのか確認したところ、かなり面白そうだ。
それで、ぱらぱらとめくってみたところ、なるほどかなり面白そうだ。
この本も、期待度高いですね。


さて。はやく次の本を読むためにも、『滅びの都』を読み終えなければ。

『順列都市』グレッグ・イーガン

2005年05月08日 | SF(海外)
■詳細
出版社:ハヤカワ文庫SF
原題:Permutation City
訳者:山岸真
発行年月:1999年10月
分冊:上下巻
価格:各651円
ジャンル:SF

■感想
まったく、イーガンは何を読んでも面白い。あきれるほど面白い。
イーガンが現代最高のSF作家であるという確信は、読むごとにひたすら深まる一方。

『順列都市』のテーマは仮想現実だ。
この小説の舞台では、人間の意識をコンピュータ上に移すことが可能になっている。そして、コンピュータ上に移された意識は〈コピー〉と呼ばれていた。
自家用のスーパーコンピュータを所有しているような富豪の場合、肉体的な死後も〈コピー〉を走らせて不死を獲得できるわけ。また、スーパーコンピュータを持っていないような中流階級のひとでも、公共ネットワークで余剰計算能力を買うことで〈コピー〉として生きられる。
この場合に面白いのは、富豪と一般人で使える計算能力が違うこと。つまり、〈コピー〉が走っているコンピュータの性能に差があるのだ。コンピュータの処理能力の差は、そのまま〈コピー〉の主観時間の違いになってあらわれる。
このあたりの細かいディテールの面白さはイーガンならでは。
もちろん、イーガンの御家芸であるアイデンティティの問題も登場する。
〈コピー〉のアイデンティティの問題だ。このあたりの面白さも、やはりイーガンならでは。

そして、なんといってもすごいのが〈塵理論〉。これがまたなんとも壮大なハッタリなのだ。
小説の後半では〈塵理論〉にもとづいて、主人公の男が無限に続く宇宙をつくってしまう。
その宇宙の首都が、じつはタイトルにある〈順列都市〉なのだ。

スケールの大きさがSFの醍醐味なら、この小説は間違いなく傑作。
主人公の男がつくりだした宇宙は、確実にSF史上最大級の構造物だろうから。

■満足度
(9)

362文字/毎分

2005年05月03日 | Weblog
どうでもいいけど、本を読むのが遅いです。
いや、以前から自分が速読家でないことは分かっていましたが、今回その事実に確証をあたえてみました。

実力測定
あなたの読書速度を測ってみませんか


こんなページがあったので、測定してみたわけですよ。
ちなみに、日本人の平均的なスピードは「1分間速度」で400~700字程度なんだそうです。
ということは、私は平均以下のスコアを出してしまった、と……。
本読み失格。

まあしかし。
本を読むスピードは、読む本の種類にもよりますよね。
私の場合、SF小説が一番読むのしんどくて、時間がかかってしまいます。
……もはやSFファンとしても失格。