リアス式読書日記(仮)

本好きのマヨネぽん酢が、読んだ本の感想をのらりくらりと書きます。よろしく!

さて、次はなんのゲームをやろうかな

2005年04月27日 | ゲーム
GT4もそろそろ一段落かな。

ゲーム達成率 96,2%
A-specポイント 64245pts


結局、100パーセントにはなりませんでしたが、十分すぎるほど楽しみました。
これだけプレイできるゲームはなかなかないですよね。
ただひとつ心残りなのは、新旧メルセデス・ベンツ対決をクリアできなかったこと。
これをクリアした人、尊敬します。私はどうがんばっても、裕次郎の愛車300SLに追いつきませんでした。あれ、速過ぎですよ。

さて。
GT4はレースゲームとしてほとんど完璧で、私なんかが言うことはひとつもないのですが。
今回、さらにフォトモードが加わったのは大きかったですよ。
USBに保存できるっていうのは楽しいよなあ。ほかのゲームにも、こういう遊び方はあっていいと思うなあ。



さてさて。
次はなんのゲームをやろうかなと、考え中です。
なにか面白いゲームはないかなあ。

『みにくい白鳥』A&B・ストルガツキイ

2005年04月26日 | 純文学
■詳細
出版社:群像社
訳者:中沢敦夫
発行年月:1989年11月
価格:1730円
ジャンル:ロシアSF

■感想
ストルガツキイ兄弟の本を読んだのは初めて。
この本はなかなか難しい本らしい、ということを読み始めてから知ったのだけど、そのときにはもう手遅れだった。それを知っていれば、別の作品からストルガツキイの世界に入ったんだけどなあ。まあ、いいや。

『みにくい白鳥』は新人類と旧人類がテーマのお話。
――雨ばかり降っているとある町、そこには癩病院があった。
癩病院に収容されているのは、〈濡れ男〉と呼ばれる謎の遺伝病患者たち。彼らは黒い服を着、顔に黒い包帯をまいたちょっと不気味な存在だ。
で、どうやらこの〈濡れ男〉、町の子供たちになにかよからぬことを吹きこんでいるらしい。だから、大人をバカに仕切った態度の、賢くて〈早熟〉な子供たちが数を増しているのはきっとそのせいなのだ。
いったい〈濡れ男〉は、子供たちを癩病院にあつめて何をおっぱじめるつもりなんだろう?
作家のヴィクトルはひょんなことから〈濡れ男〉たちをめぐる謎に首を突っ込んでしまうのだけど――。

この作品の素晴らしいところは、〈濡れ男〉たちの正体や新世界の行く末などについて、作中に少しの示唆も見当たらないところ。
これは物語としてはものたりなく感じるかもしれないけれど、SFとしてみれば100パーセント正しい書き方だと思う。
それは、ある方程式において、〈解なし〉という拍子抜けな解が明確に成り立つのと、たぶん同じことだろうね。

だから個人的には、新人類と旧人類、理性と本能という図式では、必ずしもこの小説を読まなかった。
むしろ、知性の上昇というテーマが底流にあって、それが副次的な結果として、人間の理性的な側面と本能的な側面を表面化させた、という感じで読んだわけ。
読み方間違ってるかな? まあ、いいや。

■満足度
(4)

『先生はえらい』内田樹

2005年04月22日 | ノンフィクション・紀行文
■詳細
出版社:ちくまプリマー新書
発行年月:2005年1月
価格:798円
ジャンル:教育

■感想
「ちくまプリマー新書」というのは、中高生向けに新しくできた新書シリーズ。

まず、タイトルに反発した人は、ぜひこの本を読んでほしいな。
私なんて、「自分が人生で出会った先生は、一人残らずろくでもないやつらばかりだった」と確信しているからね。
そういう人こそ、つまり「先生はえらくない」と思っている人こそ面白く読める本じゃないかな。

この本はタイトルから想像できるような、先生のえらさをひたすら強調する本ではないのだ。
学ぶ側の主体性ということを、丁寧に、分かりやすく、それでいて適度に分かりにくく、教えてくれる本なのだ。
この、噛んで含めるように丁寧でいながら、適度に脱線するところがいいんだな。話が脱線する本は、脱線しない本よりも多くのことが学べるわけだから。

また、この本は師弟関係だけについて書かれているわけではなく、幅広く人間関係全体について書かれている。
だから、この本は教育論というよりも、むしろコミュニケーション論じゃないかな。
前半で対話について書かれる部分があるのだけど、個人的にはその部分を一番面白く読んだ。誤解の幅によってなりたつコミュニケーションだなんて、かなり素敵な考え方だと思うな。

とにかく、この本は中高生向けの本なのだけど、だからといって中高生だけに読ませておくのはもったいない。
大人もどんどん読もう。

■満足度
(6)

クールなサイトを見つけました

2005年04月22日 | Weblog
インターネットは本探しに便利ですよね。
そんな便利なインターネットの中でも、最先端を行ってるにちがいないサイトを発見しました。

こちらです。新書マップです。

なんと、連想検索ですよ!
ほとんど、SFの世界ですよ。
とりあえず、このサイトの検索窓に量子力学とかハンニバル戦争とか花粉症とか適当に入力してみました。

おお! キーワードに関連するテーマがでてくるでてくる。
しかも、動きがなめらかでカッコイイ。

さらに、適当に入れてみる……。
カモノハシと入力したら、進化論関連のテーマが。
マクドナルドと入力したら、経営戦略関連のテーマが。

すごいな。これは、連想検索がちゃんと機能しているということだな。
さらに、抽象的な言葉を入れてみる……。

永遠と入力したら、なんか深みがありそうな関連テーマが出てきた。
ピラミッド、ローマ、ヨーロッパの歴史都市、宝石、貧困史、ニーチェ、モーツァルト……。もはや、どこでどう永遠とつながってくるのか分からないものまであるし。

とにかく、このサイトは深いです。触ってみるだけでも面白いですよ。
これと同じような構造で小説を検索できるサイトがあったらうれしいなあ。

『感じない男』森岡正博

2005年04月21日 | ノンフィクション・紀行文
■詳細
出版社:ちくま新書
発行年月:2005年2月
価格:714円
ジャンル:セクシュアリティ

■感想
いや、この著者の決意は、ちょっと並々ならぬものがあるぞ。
まず、表紙に書かれた3行に注目。

「……この本では、「男は感じてないんじゃないか」ということを書いていく。
感じていないから、ミニスカートだの、制服だの、ロリコンだのといった妄想にふりまわされることになるのだ。
そのことを裏付けるために、私は、自分自身のことをたくさん語ろうと思う。」

この、「自分自身のことをたくさん語ろうと思う」というところが本書の肝なのだ。
著者は、「男はなぜこうなんだろう?」という推測を、「私はなぜこうなんだろう?」という次元からスタートさせる。最初から一般論でえらそうに語ったりはしない。まず、自分自身をさらけ出してみせる。
これは、すごいことだよなあ。
だって、制服フェチやロリコンについて考察する時に、この学者先生ったらなんと、自分にもそのような感受性があるということを肯定する、ってところから始めるんだもんな。いさぎよすぎる。

さて。
一番の読み所は、「男の不感症」について書かれる第二章だろう。
著者はここで、「射精の神話」を暴こうと試みる。
――多くの男性にとって、じつは射精という生理現象はそれほどの快感を伴うものではないのではないか?
著者はそのような仮定から、男性のセクシュアリティの本質に迫ろうとする。この章はまさに目からウロコが落ちるというか、セクシュアリティの考え方の一つとしてなかなか面白いのではないかなと思う。

問題は、制服、ロリコンというテーマに踏み込んでいく第三章と第四章だ。
ここもたぶん本書の読みどころのひとつだろう。ただ、どうにもこうにも想像力が飛躍しすぎているような印象も受ける。
制服を通して透かし見る洗脳の場としての学校、という部分は分かるような気がする。けれども、そこから導き出される結論めいた部分がどうも釈然としない。
また、ユニセックスな状態からの分岐点をじつは向こう側に曲がりたかったという心理も、私にはさっぱり分からなかった。

……まあ、しかし。
誰もがあえて踏み込もうとしないであろう気恥ずかしいテーマに、自ら退路を断って挑みかかるその姿勢。
著者のこの真剣さと、この度胸は買わないわけにはいかないよなあ。それに、最後の章はなかなか泣かせるよ。

ガンバレ、感じない男!

■満足度
(2)

『神狩り』山田正紀

2005年04月20日 | SF(国内)
■詳細
出版社:ハヤカワ文庫JA
発行年月:1976年11月
価格:504円
ジャンル:SF

■感想
タイトル通り、神を追い求める小説。

――弥生時代の石室から見つかった謎の〈古代文字〉。
情報工学の天才、島津圭介は石室の調査中に落盤事故に巻き込まれる。奇跡的に一命を取り留めた彼は、手元に残った写真から〈古代文字〉の解読にとりかかった。
やがて〈古代文字〉は人間には理解不可能な構造をもった、〈神〉の言語であることが明らかになる――。

言語の構造を解き明かしていく部分は、純粋に面白く読んだ。十三重の関係代名詞、2つしか存在しない論理記号……。このへんは、とてもわくわくする設定だと思う。
ただ、せっかく〈神〉と〈言語〉がテーマになっているのに、どうも硝煙の香りがするんだよなあ(笑)。話の展開がやたらと物騒なのだ。謎の組織とか、諜報機関とかよく出てくるし。主人公も絶えず拳銃を携帯しているし。
お話としてはもちろんそこが面白いのだけど、それじゃあ、けっきょく人間同士の争いじゃないかと思えてしまうんだよね。

とりあえず、『神狩り2 リッパー』に期待しとこ。

■満足度
(3)

『クラウド・コレクター[手帖版]』クラフト・エヴィング商會

2005年04月18日 | 幻想文学・ファンタジイ
■詳細
出版社:ちくま文庫
副題:雲をつかむような話
発行年月:2004年4月
価格:998円
ジャンル:幻想文学/ファンタジイ

■感想
著者のクラフト・エヴィング商會とは、吉田浩美・吉田篤弘のユニットで、作家・デザイナーとして活動しているらしい。
本を書くだけでなく、ブックデザインや装丁も手がけちゃうなんて、世の中には多才なひとたちがいるもんだね。

それで、どんな本かというと。
――クラフト・エヴィング商會(作中にもこの商会が登場するのだ)の三代目が倉庫を整理していると、先代である祖父の残した珍奇な品々がたくさん出てきた。
「雲、売ります」と書かれた広告、不思議なラベルを貼られた21本の壜、ほかにも〈なんだかよく分からないものたち〉がたくさん……。
そして極め付きは、祖父愛用のトランクの隠しポケットから出てきた手帖。そこには、不思議な国〈アゾット〉に関する旅行記が、日記形式で記されていた――。

というわけで、先代の〈アゾット〉旅行記を三代目が読み解いていくわけ。
この本はお話としても面白いのだけど、なんといってもイラスト満載なのがうれしいところ。
たとえば、〈アゾット〉は21のエリアに分かれていて、そのエリアごとに〈ムーン・シャイナー〉とよばれる独自の蒸留酒をつくっている……、という設定なのだけど、その蒸留酒にそれぞれ貼られた素敵なラベルがすべて本の挿絵になっているわけ。
ほかにも、作中に出てくるパンフレットやらカードやらの図案がたくさん描かれていて、実に5ページに1ページくらいの割合で挿し絵なんじゃないかと思うほど(数えたわけじゃないので正確には分からないけど)。
また、ストーリーも仕掛けに満ちており、なかなかに深みがある。じつに贅沢な文庫本といえるんじゃないかな。

■満足度
(6)

『宇宙消失』グレッグ・イーガン

2005年04月13日 | SF(海外)
■詳細
出版社:創元SF文庫
原題:Quarantine
訳者:山岸真
発行年月:1999年8月
価格:735円
ジャンル:SF

■感想
――2034年、地球の夜空から星々が消えた。

と、見開きページにある書き出しは刺激的な一文ではじまる。そしてさらにこう続く。

――冥王星軌道の倍の大きさをもつ、完璧な暗黒の球体が、一瞬にして太陽系を包みこんだのだ。世界各地をパニックが襲った。球体は〈バブル〉と呼ばれ、その正体について様々な憶測が乱れ飛んだが、ひとつとして確実なものはない。やがて人々は日常生活をとりもどし、宇宙を失ったまま33年が過ぎた――。

もう、この〈バブル〉という特大スケールの設定だけで興味をひきつけるには十分なのだけど。
しかしながら、『宇宙消失』のメインテーマは〈バブル〉ではないのだ。さらに途方もないアイデアがこの作品の核になっている。
具体的にそのアイデアの焦点となるのが、量子力学における観測問題。
量子論なんて難しそうで敬遠したくもなるけれど、この作品はじっくり読めば分かるようになってると思う。それに巻末には、作中のアイデアに関する詳細な解説もついているし。

さて、物語の舞台は〈バブル〉が形成されてから33年後。
主人公のニックは、病院の一室からとつじょとして消えた女性の捜索依頼をうけた。その女性は、完全に密室と思われた病院の管理体制をすりぬけて、どこかへ消えてしまったのだ。
ニックは誘拐事件と判断し、その線から捜査をこころみる。
女性を追っていくうちに、彼は国際的な研究機関がからんだ陰謀にまきこまれ、次第にそれは世界のありかたすら揺るがす事態へと発展していく。

と、最初のほうは女性の失踪事件を追っていく、ミステリ的な展開。
そこから、とんでもない量子論的大発見につながっていって、さらには〈バブル〉までつながっていく。
物語の面白さ、SF的なアイデアの驚き、どちらも素晴らしい。もちろん、イーガン作品の特徴として、アイデンティティの問題も盛りこまれている。

これ以上は望むものがないような、完璧なSF小説じゃないかな。

■満足度
(8)

『北野勇作どうぶつ図鑑』北野勇作

2005年04月08日 | SF(国内)
■詳細
出版社:ハヤカワ文庫JA
発行年月:2003年4月~6月
分冊:全6巻
価格:各441円
ジャンル:SF

■感想
「おりがみ付コンパクト文庫」という画期的なスタイルでびっくりぎょうてんの、北野勇作の短編集。
ぜんぶで6冊の文庫本からなりたっていて、そのなかには短編20本、ショートショート12本、どうぶつおりがみ6枚が収録されている。
おりがみはキリトリ線にそって切りとって、巻末の折りかたにしたがって折っていくとできあがる……はず(図書館で借りた本だから、折らなかったんだよね、ざんねん)。

北野勇作の小説がどんなかというと、なかなか妙な小説なんだな、これが。
なにか得体のしれないものがでてきたり、どこかで得体のしれないことが起こってるんだけど、それがなんなのかよく分からないんだから。
そんななんだかよく分からないものが、なんだかよく分からないまま話が進んでいくんだけど、いつのまにか、なんかよく分からんけどきっとこんな感じだろ、と、なぜかやたらと納得できるんだよね。いや、なかなか妙な話だよこれは。

さらに、得体のしれないお話なのに、やたらとほのぼのとしてるんだよね。
これも、考えてみたら妙な話だよなあ。言ってみれば、あきらかに非日常的な世界なのに、妙に日常感があるんだもんなあ。不思議なもんだ。

とにかく、北野勇作の小説は文章も読みやすいし、動物もたくさん出てきてなかなかお手軽なんじゃないかな。
しかもこの本にはおりがみもついてるし。
短編もSFっぽいもの、ホラーっぽいもの、幻想小説っぽいものとバラエティにとんでいるし。
北野勇作ファンのヒトにもそうでないヒトにもぜひ読んでみてほしい本だなあと、思ったりするんだよね。

■満足度
(8)

SF作家、出身地の謎

2005年04月06日 | Weblog
日本のSF小説を読んでいて、ずっとミステリーに感じていたことがあります。
それは、なぜかやたらと関西出身の作家が多いこと。
本を読むとき著者紹介のところにも目を通すのですが、SFだと決まって出身地が関西なんですよね。
例を挙げると、

小松左京  大阪府
筒井康隆  大阪府
眉村卓   大阪府
大原まり子 大阪府
牧野修   大阪府
田中啓文  大阪府
かんべむさし 兵庫県
堀晃    兵庫県
谷甲州   兵庫県
北野勇作  兵庫県
菅浩江   京都府
小林泰三  京都府
藤田雅矢  京都府
山本弘   京都府

そして、さらに西へ行くと、

山尾悠子  岡山県
飛浩隆   島根県
梶尾真治  熊本県

こうなってくると、逆に関東出身のSF作家を探すほうが難しいくらいです。
となると、SF小説に地方性があるのだろうか、なんて疑いたくなりますね。
たとえば、同じ英語圏でも、イギリスの小説とアメリカの小説とではかなり雰囲気が違いますし。そういった意味では、小説には地域性があるわけです。
そうなると日本のSFって、実は関西系のノリなんですかね。関東人の私には、そこんとこよく分からないな~。

あるいは単純に、作家に影響を与えた創作サークルや、創作講座なんかが関西圏に多かったんでしょうか。これは意外と説得力があるかも。何しろこれだけ関西人だらけなのだから、自然と人的ネットワークが出来そうなものじゃないですか。
まあ、国産小説を読むときに作家の出身地なんて気にしませんから、別にどうだっていいか。

しかし、それにしても関西出身者だらけだなぁ……。
東京出身のSF作家って、光瀬龍と星新一くらい? ちょっと寂しい……。



かんべむさし 兵庫県

なーんて自信たっぷりに書きましたが、じつはかんべむさし氏の本当の出身地は石川県であるとのコメントをいただきました。
どうもスイマセン。