リアス式読書日記(仮)

本好きのマヨネぽん酢が、読んだ本の感想をのらりくらりと書きます。よろしく!

『クラゲの海に浮かぶ舟』北野勇作

2005年07月05日 | SF(国内)
■詳細
出版社:徳間デュアル文庫
発行年月:2001年9月
価格:620円
ジャンル:SF

■感想
北野勇作の傾向がだいたい読めてきたぞ。

その1、主人公の記憶があいまい。
その2、バイオテクノロジーの産物で、妙な生き物とか機械とかが出てくる。
その3、夢で見たような不条理な情景の連続。
その4、それでいて不思議な懐かしさと、切なさがある。

この『クラゲの海に浮かぶ舟』も、そんな北野勇作の不思議な味をそなえた長編小説。
あいまいな記憶の断片が徐々につながっていくような感覚などは、ハヤカワJコレクションで出た『どーなつ』によく似ている。どちらかといえば、『クラゲの海に浮かぶ舟』の方が分かりやすいかもしれないけど、両方とも面白い作品だと思う。

この作品の一番の読み所は、〈ぼく〉、〈君〉、〈機一郎〉という3人の登場人物の関係。
途中までつながりがよく分からなかったり、途中で誰が誰だか分からなくなったりしてとても楽しかった。

それにしても、北野勇作は何を読んでも面白い。
もはや北野勇作なしでは生きられないかも。

■満足度
(7)

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4 コメント

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どーなつ (てくり)
2005-07-25 11:06:04
ご存知かも知れませんが、「どーなつ」が

文庫になりました。

書店で発見して、思わず購入してしまいました。

作品を読む順番が知りたくて、解説を読んだら

「かめくん」が完全にネタバレしてました。。。

ま、読み終わってるから良かったんですが。



結局、「どーなつ」を読む前に読んでおいたほうが

いい作品って、この「クラゲ…」ぐらいでしょうか。

「昔、火星のあった場所」「ザリガニマン」は、品切れだし。

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どっちが先でも、 (マヨネ)
2005-07-26 05:57:10
大丈夫だと思いますよ。

年代で行けば『クラゲ』が先ですが、あまり気にしなくてもよいとは思います。



『どーなつ』が文庫になったのは、本屋でみて知りました。

ほかにも野尻抱介の『太陽の簒奪者』とか、牧野修の『傀儡后』とか、まえにJコレクションで出たやつが文庫になっているみたいですね。

この勢いで飛浩隆の『グラン・ヴァカンス』も文庫になってほしいです。単行本のほうで持っているのですが、それでも買います。



ちなみに私はいま『ザリガニマン』を読んでいるんですよ。これはこれでさくさくと読めて面白い作品です。
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Book Baton (くろにゃんこ)
2005-07-27 07:35:33
北野勇作は読んでみたいと思いつつ、なかなか手にとる機会のない作家さんなのです。

面白そうですよね。



ところでBook Batonが回ってきたので、受け取ってください!

無理にやることはないんだけど、記事のネタだと思って。

よろしくおいねがいしま~す。
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こんにちは。 (マヨネ)
2005-07-29 16:03:51
おお、うわさのBook Batonですね。

喜んで受け取らせていただきます。

でも、思い入れのある本を5冊に絞るのは難しそうですね。
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