リアス式読書日記(仮)

本好きのマヨネぽん酢が、読んだ本の感想をのらりくらりと書きます。よろしく!

トラックバック練習板にて あなたは犬系?猫系?それとも珍獣系?

2005年01月30日 | Weblog
最近ゲームのことばっかり書いていて、このままではゲームのブログになってしまいそうです。それでは困るので、「トラックバック練習板」のお題に挑戦。
今週は、あなたは犬系?猫系?それとも珍獣系?です。

好みではなくて、自分ならどっち系に分類されるか、ということみたいですね。
う~ん。
犬みたいな義理堅さはないし、猫みたいな奔放さにも欠ける。となると、消去法で珍獣系に分類されますね。
となると、どんな珍獣かってことですね。う~ん。

そうだ。ウミイグアナなんか、いいね。
陸で競争に敗れて海に安住の地を求めたという、そこはかとなく漂う人生負けちゃいました感に共感できるんだ。
あいつらが海に潜るときの、あの必死さったらないです。どこからみても海に不似合いなごつごつした爬虫類が、しっぽで波をかき分けて泳いで、海底の岩にへばりついて海草をちびちび食べている、と。
あの孤高のしぶとさ。
しぶとい。しぶとすぎる。
私も、あれくらいしぶとく生きたいですね。

GT4 お気に入りのジャンピング・スポット

2005年01月27日 | ゲーム
ちょくちょく『グランツーリスモ4』をやっていますよ。
最近はもっぱら、車を飛ばすことにこっています。ゲームの本来の主旨からは、遠ざかりつつあるのです。

ところで。
いろいろなコースを走ってみて、車が飛びそうなところを探すのは、なかなか面白いです。
この写真ではインフィニオン・レースウェイで、シトロエン 2CV タイプA ’54を飛ばしてみました。
この車はスピードが出ないので、まさか飛ぶとは思っていなかったのですが……。

場所は、スタート直後の左コーナーを曲がったところの上り坂。その坂の左側の芝に、コースアウトしながら突っ込みます。写真の右下の、砂煙の立っているところですね。
この場所は、絵になるジャンプが撮れるので好きなのです。

『ムントゥリャサ通りで』ミルチャ・エリアーデ

2005年01月23日 | 幻想文学・ファンタジイ
■詳細
出版社:法政大学出版局
訳者:直野敦
発行年月:1977年2月
価格:1029円
ジャンル:幻想文学

■感想
エリアーデは、ストーリーテラーだ。
とにかく話が上手いのだ。ストーリーを語るテクニックで、小説をぐいぐいと読ませてしまう。

例えば、時間軸をずらす手法。話が時間どおりに順を追って進んでいくのではなく、現在の話と過去の話を織り交ぜて物語を進めていく。
『ムントゥリャサ通りで』の場合は、秘密警察から尋問を受けるひとりの老人が、過去に起きたある少年の失踪事件の顛末について供述する、というスタイルでストーリーが進んでいく。
そうして、まるで過去の小さな断片をつなぎ合わせるようにして、見事にひとつの物語を構築してしまう。

また、多くの登場人物を描き分ける手際の鮮やかさ。
老人の話にはたくさんの人物たちが出てくる。しかも、老人の話が脇道にそれるたび、一見して不必要に思えるような人物が話に加わってくる。そして、それらの人物も話が進むうちに重要性を帯びてくるのだ。
このあたりはまるで現代の小説の手法を先取りしているようで、読んでいてまるで古さを感じさせなかった。

もちろん有名な幻想小説だけあって、作品の随所に幻想的なイメージが散りばめられている。特に前半で出てくる少年の失踪にまつわる秘儀的な示唆には、思わず引き込まれてしまう魅力があった。

ストーリー展開に息を呑みながら、幻想的な雰囲気に浸る――というのが正しいこの小説の楽しみ方なのではと思う。

■満足度
(7)

GT4で写真を撮りました その3

2005年01月22日 | ゲーム
この車はホンダのS2000。クリックで拡大します。
背景に見えるのはブルックリン橋。マンハッタンは目と鼻の先です。
時代が時代なら、この場所からもトレードセンターが見えたかもしれません。

さて、ゲームばっかりやってないで本を読まなきゃね。
本を読まなきゃね。

『ふたりジャネット』テリー・ビッスン

2005年01月20日 | SF(海外)
■詳細
出版社:河出書房新社/奇想コレクション
編訳者:中村融
発行年月:2004年2月
価格:1995円
ジャンル:アメリカ文学/SF

■収録作品
「熊が火を発見する」
「アンを押してください」
「未来からきたふたり組」
「英国航行中」
「ふたりジャネット」
「冥界飛行士」
「穴のなかの穴」
「宇宙のはずれ」
「時間どおりに協会へ」

■感想
熊が火を発見したり、ブリテン島がひょっこりひょうたん島になってしまう……。

と、うわさでは聞いていた。
実際、そのとおりだった。
でも、それだけってわけじゃない。

短篇のラインナップはバラエティにとんでいて、前半の五篇が現代的な小説、後半の四篇がSFという感じだった。
どの作品も軽快で小気味のいい語り口と、どことなくほのぼのとした雰囲気がほどよくマッチしている。これこそアメリカの小説、というような読み味。

いくつか感想を。

「英国航行中」
ブリテン島がなぜか動き出して、大西洋を航行し始めてしまう!
意味が分からない。さっぱりだ。
ただ、イギリス国民とアメリカ国民の微妙な温度差みたいなものが、上手く表現できているんじゃないかと思う。
ちなみに主人公の老人はフォックス氏という。ファーストネームはアンソニーだ。
彼の愛犬の名前もアンソニー。
アンソニー・フォックスと、アンソニー・ドッグだ。いいコンビだってことだね。

「冥界飛行士」
これは臨死体験をテーマにしたSF。
ほのぼのとした短篇が多いなか、これだけ異様で不気味な雰囲気を放っている。短篇集全体でみれば、それが上手くアクセントになってるんじゃないかと思う。
あの世の情景が、絵的にインパクトがあってよかった。

〈万能中国人ウィルスン・ウー〉シリーズ
「穴のなかの穴」「宇宙のはずれ」「時間どおりに教会へ」は、共通の登場人物が出てくるシリーズもの。

内容は、人生ドロップアウト気味の弁護士アーヴィンと、なんでもできる天才的な中国人ウィルスン・ウーの凸凹コンビが活躍する話だ。コメディタッチで、SF的なアイデアもたいへん面白い作品になっている。
時間とか空間とかをテーマに扱っている点は、SFとしても正統派といえる。けれども難しいところは一切なく、むしろさくさくと読めるほどだった。
三作ともそうなのだけど、時空に起きつつある異変を日常的な問題に結び付けてしまうストーリーの巧みさは見事。

■満足度
(7)

GT4で写真を撮りました その2

2005年01月14日 | ゲーム
東京では、明日の朝方に雪が降るかもしれないそうです。
今年はぜったい去年より寒いです。なんか、自転車乗るのがためらわれます。

『グランツーリスモ4』で撮った写真をまた貼っておこう。
楽しいんだよね。ゲームばっかりやっていると、本を読む時間が減っちゃって困るんだけど。睡眠時間も大幅に減って困るんだけど。
これはマツダのクサビというコンセプトカー。
始めはこれに乗っていたのですが、いい加減コンセプトカーで荒っぽい運転をするのもどうかと思い、ようやく中古のランサーエヴォリューションⅣに乗り換えました。
コンセプトカーは、やっぱりガレージに大切にしまっておくべきですかね。

面白いと信じて疑わないSF

2005年01月14日 | Weblog
テーマサロンに面白いSFがあったらおしえてくださいというのがありました! これはトラックバックしとかないとね。
もしかしたらすでにご存知のものもあるかもしれませんが、私が面白いなと思った海外のSF小説を何冊かあげてみます。まずは古典的なものから。

『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス
この小説の舞台ははるか未来で、地球にはへんてこりんな植物たちが生い茂っています。なんかもう、人間よりも、植物のほうが強いみたいで。動物と植物の立場が入れかわっちゃってるわけですね。絵的にすごくシュールで、インパクトのある映像が頭の中にうかんでくる小説です。
でも、逆にシュールすぎて好き嫌いが分かれるかもしれません。

『幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク
これは有名なのでご存知かもしれません。映画でも知られる『2001年宇宙の旅』と、この『幼年期の終わり』がアーサー・C・クラークの代名詞といえるんじゃないでしょうか。
『幼年期の終わり』は人類よりも進んだ文明をもった異星人が地球にやってくるお話です。その人たちが、人類の文明をもっと高いところへ導いていこうとするんです。スケールの大きい話なのです。

『竜の卵』ロバート・L・フォワード
これは中性子星に住む、体長数ミリメートルのちっこい知的生物と人類とのコンタクトを描いた小説です。作者がバリバリの科学者なので、内容もバリバリのハードSFでちょっと科学描写が難しいのですが、ストーリーがとても面白いので不思議と読み進められます。
このちっこい生物(チーラといいます)の誕生から、彼らの文明が発達していく過程が描かれるのですが、読んでいる間にだんだんチーラたちに感情移入してきて、最後には涙なしでは読めませんでした。

――それから、日本の小説からも古典的なものを一冊。

『果しなき流れの果に』小松左京
時間的・空間的にものすごくスケールの大きな小説です。
まず目次を見ると、結末(エピローグ)がふたつ出てくるという不可思議な体裁をとっていることに気がつきます。時間軸を自在に行き来するこの小説にとっては、物語の結末がひとつでないとしても問題はないんですね。
クラークの『幼年期の終わり』と同じようなテーマを問うた作品だと思うのですが、個人的には『幼年期~』よりも『果しなき~』のほうが深いんじゃないかと思います。