リアス式読書日記(仮)

本好きのマヨネぽん酢が、読んだ本の感想をのらりくらりと書きます。よろしく!

『人面町四丁目』北野勇作

2005年05月24日 | エンターテイメント小説全般
■詳細
出版社:角川ホラー文庫
発行年月:2004年7月
価格:580円
ジャンル:SF/ホラー

■感想
角川ホラー文庫から出ているけど、たぶんホラーじゃないんじゃないかなあ、なんて思いつつ読み始めたのだけど……。

この小説はタイトルにあるとおり、〈人面町〉という町を舞台にした連作短編集。
主人公の売れない作家が、奥さんの実家がある〈人面町〉という町で暮らしているのだ。
この〈人面町〉というのがヘンテコな町で、なんでもむかしは人面工場がたくさんあって、〈人面〉が大量生産されていたらしい。〈人面〉っていうのはなんだかよく分からないけど、いまでも工場はたくさん残っている。
そんなヘンテコな町だから、作家の日常も不可解なことだらけなのだった。

けっこうシュールな描写もでてくるけど、やっぱりホラーではないなあ。少なくとも、怖くてトイレにいけなくなるような本ではない。まあ、ホラーじゃないなら何なのかときかれても、困るけれど。
いずれにしろ、読んでいて不思議と懐かしさを覚える心地よい作品だった。

■満足度
(7)

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2 コメント

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夢で見た情景 (てくり)
2005-06-05 21:59:01
北野勇作の描く下町風景って、妙に懐かしい感じがします。

今では曖昧な記憶になってしまった子どもの頃の下町風景、

または繰り返し夢に出てくる風景、

そんなものに似ています。



主人公の曖昧な記憶も、そんな感じで懐かしいです。

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うまく言えないのですが、 (マヨネ)
2005-06-06 21:28:29
読むたびにますます北野勇作ファンになってしまいます。

『人形町~』は、まえに読んだ『どーなつ』という作品に雰囲気が近かったです。『どーなつ』も連作短編でしたし。



私はこの主人公のキャラが好きですね。

なんとなくでズルズルいってしまう、という性格がいいです。
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