鳥とパイプと日本酒のおっさんメモ

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Rattray - Red Rapparee (British Collection) 再喫と再評価

2021年09月04日 | パイプタバコ
2021年 9月

今回は Rattray - Red Rapparee (British Collection)

このブレンドは よく知られているラットレーの名品であり ラタキアものとしては
Black Mallory とともに双璧をなしています
ラットレーですから日本でも販売されていてこの私も以前はどちらも 札幌のたばこらんど山岸さんから
買って喫ったものです
第一印象から美味いタバコだと思ったわけですが より印象に残った方はブラックマロリーの方で
そのなんとも言われん甘さとラタキア感が気に入ったものです
こちらのレッドの方はよりスパイシーな感じが強く当時はブラックの方が喫いやすいのかな…と感じていました。

しかし ブラックマロリーの方が真っ黒でラタキアが多いのかと当初は思ったものですが どうもそうではなく ラタキアが多いのはこちらのRed の方だと説明を受けます
色が黒いのはブラックキャベンディッシュの量が多いのだと思った次第…。

しかし実際にラタキアをしっかり感じたのはブラックマロリーの方ですが
どうやらそれには訳がありそうです

今回はそんなことを含めての再検証となりますが 改めてじっくりと味わった感想は
悪いところのない実に美味いブレンドだと感じ入りましたし 以前わからなかったことが少しわかったような気がします そんなことを含めての再喫となりました


ラットレーの主だったブレンド(というかアロマティック以外の評価の高いブレンドは)以下のようになります
① Rattray - Hal O' the Wynd (British Collection)
② Rattray - Old Gowrie (British Collection)
③ Rattray - Brown Clunee (British Collection)
④ Rattray - Marlin Flake (British Collection)
⑤ Rattray - Stirling Flake (Flake Collection)
⑥ Rattray - Red Rapparee (British Collection)
⑦ Rattray - Black Mallory (British Collection)

下の2つがラタキアものとなりますが ラタキア入りではこのほかに
⑧ Rattray - 7 Reserve
⑨ Rattray - Highland Targe
こちらがあって ⑨は以前喫ったことはありますが⑧はありません しかしこれらのブレンドは
⑥、⑦に比べ評価も低く面白みに欠ける印象がありますので まあいいかということになります

①~⑦までが主だったラットレーを代表する美味いブレンドかと思いますが SPDC では品切れが多く
日本で買うのが良いのかなとは思います


さて当ブレンドも ブラックマロリーもハイランドタージもすべて Scottish というくくりになっているのですが それはバージニア あるいはブラックキャベンディッシュが多いということかと思うのですが

そういうことがメインの理由ではなく ラットレーそのものの立地がスコットランドになりますので
そういった意味合いから Scottish を強調した結果かと感じますし バージニアの製法上の違いからも
そういった分類にしているのかと思いました


その事は あのGreg Pease さんのブレンドでもある Drucquer & Sons - Blairgowrie においても
Scottish の分類がなされておるのですが その理由としても
ブレアゴウリーそのものがスコットランドのラットレー由来の街なのでバージニアが強調されたブレンドになっており 製法的にも加圧加熱されたダークバージニアというものなのかなと思いました

それを考えるとブラックマロリーの方は ダークバージニアとブラックキャベンディッシュの強調された English
当ブレンドの方は バージニアが多めで オリエントもしっかり効いている Balkan 

と言った方がよりわかりやすいのかな と思いました



当ブレンドは Red Rapparee という名前がついていますが
Red の方は当ブレンドの味の色合いを暗示していて レッドバージニアを強く意味しているかと思われます
その事は 兄弟ブレンドでもあるBlack Mallory の黒いイメージと対をなします

そして Rapparee(ラパリー) というのは アイルランドの反逆の反徒のことを指すようで(1688~1691)
その乱が収まったのち山賊のように街道に潜んでで旅人から金銭を略奪して生き延びた人たちのことを言うようです





見た感じラタキアはさほど多いようにも見えず 旧ダンヒルのMM965 を思わせるようなブレンドになっております

葉組の方は
Black Cavendish, Latakia, Oriental/Turkish, Virginia なので
やはりMM965 によく似ておるようです
しかし喫った感じはかなり違う印象を持ちました



さて 再喫の
感想 となります

先に述べたようにこのブレンド Scottish ということになっておりますが
それはしっかりバージニアが効いているからそのような分類になっているのですが
このブレンドにはオリエントもかなり効いていますことより
別の分類法によれば バージニアとオリエントが幅を利かせるBalkan と言えるかと思います
ラタキアもある程度効いているのですが Greg Pease さんの分類法ではそういうことになるのかとおもいます
その点では 同じScottish のくくりである Black Mallory なのですが こちらのブレンドはオリエントの効きがあまり感じられないため バージニアがやはり多めのEnglish であると言えるようです

この辺りの分類は あくまでバージニアを中心に見立てての分類法になりますが
内容的には ラタキアーオリエントーバージニア の3つの葉っぱの組み合わせによる分類法よりも
ラタキアーオリエント による分類の方がわかりやすいとも言えそうです その際にバージニアに関しては サブ的な意味合いが強くなります

私は そちらのわかりやすい方を支持しますので 当ブレンドはバージニアが多めのBalkan と言った方が良いと思いました(単なる分類法の違いとなります)


点火とともにやって来るのは
まずはラタキアということになります ウッディでスモーキーなラタキアがまずこのブレンドを印象付けるのですが さして強いわけでもなく すぐにバージニアの甘さがやってく来ます
軽いシトラスとグラスの風味も感じますが それよりもレッドの落ち着いた甘さと
ブラックキャベンディッシュのまろみのある黒砂糖のような甘さを感じますね

それと同時に感じるのはオリエントの清涼感のあるウッジーな香りとなります
これがこのブレンドの大きな特徴であり ブラックマロリーにはない香りとなります
ラタキアが少ないように感じるのは このオリエントによるマスキング作用かと思われます



ラタキアと合わさってこの香りがこのブレンド全体を包み込んでゆくのですが
この独特のオリエントの香りは以前喫ったときははよくわからなかったのですが
Presbyterian Mixture に使用されているような
マケドニアのオリエントを思い起こさせます
高く突き抜けるような清涼感があるのですが これがこのブレンドの大きな特徴と思います

ちょっとペリクのような清涼感にも感じますがペリクとは違うようです

レッドバージニアと BC のまろ味を含んだ甘さに このオリエントの清涼感が合わさり
それをラタキアが後ろから支える構図になりますが 実に素晴らしい喫い味となります

特にこのオリエントが素晴らしいと思うのですが
ターキッシュも入っているのかな   と思われます
レッドバージニアも複数入っていると思われ 通常のレッドと コールハスお得意のダークバージニアの存在も感じるところとなります

ターキッシュと被る部分があるのですが 中盤よりパフったときに感じる
クルミのような香ばしさと 全体を通して感じられる酸味がIzmir のターキッシュを
また小麦テイストの発酵した独特の香りと味わいがダークバージニアの存在を感じさせます
このダークバージニアの質が賛否を分けそうですが 悪くはありません
ただそのバージニアにさらなる質を求めるのは酷な話でしょうか(私的感想)




コールハスのダーク系の落ち着いたバージニアの甘さに突き抜けるようなオリエントがこのブレンドをリードしてゆくのですが それをしっかり落ち着かせるのがラタキアになり
実にバランスの良い 飽きの来ない喫い味を楽しめます


再喫してみて分かったのはこのオリエントの素晴らしい哭きとバージニアの旨さになるでしょうか
ラタキアとのバランスの良さも感じられます

よく出来た旨いブレンドだと思います お勧めいたします

素朴なラタキアとこってりした甘さを味わいたいならば Black Mallory ですが
バージニアとオリエント ラタキアの三位一体の素晴らしい味わいはこちらになります
また複雑さもこちらの方があるようです

ラットレーのラタキアブレンドは 当ブレンドが一番で Black Mallory と双璧をなしますね
どちらもお勧めですがその時に気分で…ということになりそうです

当ブレンドのオリエントは Presbyterian に似ていますが バージニアはより甘くラタキアも少し強く
どちらかと言えばこちらの方がスムースに喫えそうです


バージニアのしっかり味わえるバルカンですが
オリエントの清涼感が病みつきになるブレンドかと思います


GLP のバルカンとは違いますが いつ喫っても美味いよく出来たバルカンかと思います
コールハスのバルカンでは最高峰かと思いました

そんな感想になります
それでは また

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