『いいかよく聞け、五郎左よ!』 -もう一つの信長公記-

『信長公記』と『源平盛衰記』の関連は?信長の忠臣“丹羽五郎左衛門長秀”と京童代表“細川藤孝”の働きは?

信長から細川藤孝への手紙:41織田信長黒印状 天正九年七月廿八日

2021-03-10 00:00:00 | 信長から細川藤孝への手紙(永青文庫所蔵)
【注意事項】

1)本記事は、吉川弘文館刊「永青文庫叢書

細川家文書中世編」を参照しています。

2)現代語訳は純野の“意訳”ですので、訳

し間違いがあるかもしれません。

3)カッコ内は、現代語に直した場合意味が

通じない可能性のある部分に純野が追記した

文言です。

4)現代の歴史書物と異なる表記がある場合

はなるべく原文のままとしました。

5)下線部がある場合は原文で"虫食い空欄”

となっている部分ですので完全に純野の推察

です。


41織田信長黒印状 天正九年七月廿八日

 両方の便りを見させていただいた。八朔の

祝儀として帷(かたびら)二つ、袷(あわせ)

一つが到来した。遠路はるばる懇志を送るこ

とは容易ではないと思われ、かたがた入悦至

極である。次に丹州(丹後国)方面の賊船の

活動に対し、(貴方で)松井(康之)を添え

て(軍勢を)差し遣わせたとの由、もっとも

しかるべき判断である。そのほかのことは、

今度見参したときにお伝えすることにしよう。


天正九年七月廿八日 信長(黒印)

 長岡兵部大輔(藤孝)殿

   ※天正九年=1581年


**純野のつぶやき**

「八朔」というのは、旧暦八月一日のことで、

この日に武家や公家の間で日頃お世話になっ

ている(頼み合っている)人にその恩を感謝

する意味で贈り物をする習慣があったそうで

す。“両通”と書かれているのは、書状にある

通り長岡藤孝から信長公への“八朔のお祝いの

送り状”と“丹後方面の活動連絡”と思われます。

 前回の書状は三月五日付けでしたから、こ

の書状は四か月半後のものであり、この間に

以下の出来事がありました。

・3月ごろ

前年8月、丹後に封ぜられていた長岡藤孝・

忠興・昌興が、青竜寺城を信長に返上

3月25日 信長が、矢部家定・猪子高就を城

代として派遣し、長岡藤孝が丹後の知行地の

検地を指示。

・3月25日

徳川家康、高天神城を攻陥。

・4月10日

信長公、竹生島参詣のエピソード。片道十五

里あるところから安土の女房たちは「信長公

は長浜で宿泊するだろう」とたかをくくって

いたところ、当日戻ってきてしまった。勝手

な桑実寺への外出で安土城を開けた女房たち

とそれをかばったの長老が成敗された。

・4月21日

安土で相撲の興行

・5月10日

槇尾寺での検知拒否騒動の後、織田信澄・蜂

屋頼隆・堀秀政・宮内卿法印・惟住長秀が、

槇尾寺を焼き尽くす。

・6月5日

北条氏政、信長に馬三匹を進上。取次ぎは徳

川家康方の滝川一益。

・6月25日

羽柴秀吉、因幡国へ乱入。吉川経家の籠もる

鳥取城を攻囲開始。

・7月15日

信長、安土城天主と惣見寺に提燈をつりさげ、

馬廻り衆には船の上で松明をともさせ、盂蘭

盆会の興行。

・7月17日

信長、信忠へ秘蔵の「雲雀毛の馬」を下す。

使いは寺田善右衛門。

・7月21日

秋田の屋形下国(安東愛季)から、黄鷹・白

鳥が進上される。

うち一つは巣入りの鷹で、信長は愛蔵する。

お礼に小袖・緞子が送られる。使いの小野木

には黄金2枚が下される。

・7月25日

信長、安土で三人の子息に脇差を授ける。

*信忠には正宗

*信雄には北野藤四郎

*信孝にはしのぎ藤四郎

・8月1日

安土で馬揃えの興行

 信長公も最近は軍に出ることはなく、イベ

ントばかりやったり、来客の応対をしたり、

かなりヒマそうです。その間に家臣団は、

⇒丹羽長秀

 信長公の暗殺部隊あるいはや特殊任務のチ

 ームとしての活動

⇒長岡藤孝

 丹後国の領知活動

⇒徳川家康

 北条氏家を信長に会わせるなど相模方面と

 の連携により甲信の武田家への圧力を強化

⇒羽柴秀吉

 因幡国への乱入開始

など絶好調です!惟任光秀は丹後の国にいる

はずですが、この頃どういう活動していたの

かがわかりません。本能寺の変まであと1年・・

以上


⇒ポチッとお願いします!
にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村
<震災前の熊本城を西側駐車場から>

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 行道念仏(ぎゃうだうねんぶつ) | トップ | 行人(ぎゃうにん) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

信長から細川藤孝への手紙(永青文庫所蔵)」カテゴリの最新記事