( leave things ) up in the air

30代後半・既婚・ゲイ。仕事も家庭も人生も全てが中途半端な僕のろくでなしな日々。

はじめての裏切り1:プールにて

2005-05-12 | Weblog
その頃、僕は休日にプールに泳ぎに行くことが多かった。
それもインターネットでゲイが集まるところに。

小さいときから華奢で運動もぱっとしない僕が、なぜか水泳だけは人並み以上にできたから、プールで日焼けして、カラダも鍛えて、という流れにのり易かったということもある。

そんなことでとある掲示板の書き込みを見ては出会いを期待することもあった。
実際はなかなかそんなことはなかったけれど。

結婚することが決まって、どうしても結婚前にゲイのひとと知り合いたくなってしまった。
それで、掲示板に書き込みをしてしまった。
まあ、いいさ。なにもなければないで。
そんな軽い気持ちだった。

いつものように半分は日焼け、半分は本気でガシガシ泳ぎをしていると、いつもと違う視線を感じる。見られてる気がする。気のせいか?いや、気のせいじゃない。
視線はプールを挟んだ向こう側から。かなり鍛えてそうなちょっと年上の感じだろうか。
じーっと僕のほうを見ている。僕も彼を見る。目をそらさない。ガンをつけてるっていう感じじゃない。これは!

暑くなって僕はプールに入って泳ぐ。泳ぎながらないあたまで考える。どうすべきか。

プールから上がるとさっきの彼が僕のすぐ後方に場所を移している。
僕が彼を見る。彼も僕をじっと見詰める。目をそらさない。
間違いない。きっと彼もゲイ。
いかにも有酸素系スポーツをやってそうなカラダつき。りりしい顔立ち。坊主頭でいかにもホモっぽいのが気になるけど、いいな、こんなカラダに僕もなりたい、と思った。

しばらくは目が合ってもそらさない、そんな状況だったが僕は予定があって帰る時間になってしまった。仕方なく、更衣室に向かった。後ろ髪をひかれる想いでちらっと後ろをみると、彼も着た。あ。
でも更衣室には来なかった。気のせいか。更衣室から出ると彼がいた。あ。声をかければよかったけど、引っ込み思案の僕にそんな勇気はない。
まあいいや。ちょっとどきどきしただけでも楽しかった。

ところがその夜、インターネットで掲示板を見ると彼としか思えない書き込みがあった。しかも僕のことを書いているとしか思えない内容で。(つづく)