攻殻機動隊で脳がネットに繋がり、車を遠隔運転するなんて芸当をいとも簡単にやっていましたが、決して夢ではなくなってきました。
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Brain-machine interfaces」Nature Web Focus
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神経:思考を行動に転ずる Neuroscience: Converting thoughts into action」Nature
442, 141-142 (2006)
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神経:四肢麻痺患者によるプロテーゼ装置のニューロン集団活動を介した制御 Neuronal ensemble control of prosthetic devices by a human with tetraplegia」Nature
442, 164-171 (2006)
Full Text (FREE ACCESS)
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脳内チップで直接機器操作に成功」ITmedia News
Natureがフォーカスするほどの画期的といってよい技術革新じゃないかと勝手に思っています。脳に100本(うち96本が利用可能)の電極アレイチップを脳の運動皮質と呼ばれる部位に埋め込み、電気信号を外部とやりとりすることでマウス操作やロボットアームのコントロールが可能になったとのこと。しかも被験者は25歳男性の四肢麻痺患者で麻痺してから何年も経っているにもかかわらず、この運動皮質を利用して外部デバイスの操作が可能だったそうです。これはつまり、脳にシグナルを送り込むだけではなく、脳からのシグナルを取り出してコンピュータを介して様々なデバイスの操作が可能であるということです。それはロボットアームに限ったことではないでしょう。訓練にどれくらいの時間が必要なのか分かりませんが、少なくともヒトが持つ神経ネットワークを介さずに各種デバイスを動作させることが出来るということは、真っ先に義手・義足への応用が考えられるのではないでしょうか?
義手・義足もロボティクス技術の発達によりかなりの性能を発揮するようになっていますし、四肢神経のシグナルを感知して動作させるようなことも研究されているようですが、運動神経が未発達なうちに失った四肢の場合にはそれも難しいことが想定されます。しかし、脳とデバイスが直接やりとりできるのであれば、改めて脳をトレーニングし直すことで義手・義足を操作できるはず。
それ以上に、脳を訓練することで様々なデバイスを体躯に頼ることなく動作させることも可能になるのかも知れません。思いつきで一番ありがたそうなのは、脳で直接文字入力。これが出来たらかなり便利そうです。あとはお絵かきかな。
ちなみにNatureのWeb Focusですが、ビデオストリーミングとかいろいろとあって結構詳しく情報を得ることが出来ると思います。但し、全部英語ですけどね
。一番衝撃的なのは、Free Accessになっている論文のSupplementary Notesにあるムービーです。実際に脳でポインタやゲーム、ロボットアームを操作しているところが見られます。ご興味のある方、一度是非ご覧くださいませ
。
# 各ページ全てが職場だから繋がるのか、アクセスフリー状態なのかいまいち不明…
2006-07-17 16:02:05
やっぱり職場だから繋がるページだらけだったようですね
。
「『
Brain-machine interfaces』Nature Web Focus」には繋がるようですので、そこから貼られているリンク先で必要なページがあればメールでお知らせください。PDFでお送りします。
# 「日本語に訳して」ってのは勘弁してください