昨日から引き続いて みなさんの句を紹介させていただきます
狐火や友の目元は父譲り みほめろさん
久しぶりに友に会った。友の目元は友の父によく似ている。友の父とは生前に何度かお会いしているが 印象的だった目が 今、目の前にいる友の目を見て急に思い出された。なぜ今思い出したのか…狐火の力だろうか・・・友と話しているのに なぜかその父を思い出してしまった不思議な感覚を句にあらわしているのかなと思いました。
狐火やおんなごころの表裏 案山子さん
女心の機微は不可思議で理解できない。表と裏では大違いで それに私はいつも翻弄されてしまう。正体のわからぬ狐火・・女心も正体はつかめぬまま それでも惹かれていく女であることよ。
女の心をすべて理解したなんて思ってしまったら最後…騙されてしまいます。
狐火や妣に伝えてあの話 季切少楽さん
「妣」は亡くなったお母さんを表す漢字。「はは・なきはは」と読むのだそうです。俳句をしていると 今まで知らなかった文字や言葉の意味を知ることができます。この字は知りませんでした!
狐火の妖の力を使ってでも、亡き母に伝えたいことがある。何をつたえたかったのでしょうか・・・
自然と人間がもっと親密だったころには 黄泉の国とのやり取りは今よりもっと身近だったかもしれないとそんな想像も浮かびました。
狐火は青妻の肌は白し 研知句詩さん
私の妻の肌は白く、青い狐火のしたであればますます白く浮かび上がるだろう。白い白い妻の背よ。妖艶な感じ・・・
狐火や伊邪那美命の念かな 千鳥城さん
古事記に出てくる日本創設の神、伊邪那美の命。志なかばで黄泉の国への旅立ったその無念の思いを 火にあらわしたのでしょうか・・・
今回は勉強会を通しての投句となりましたが、自分の句を推敲するよいチャンスとなりました。またほかの皆さんの作品から刺激を受け 新たなチャレンジをすることもできました。今回はそのチャレンジは失敗に終わったようですが 俳句との向き合い方が勉強会を通じて深くなったことは間違いありません。そして、何より 面白かった!!
俳句部のみなさん、ありがとうございました。また次回も楽しみにしています。