入部希望を気持ちよく認めてくださった俳句部のみなさんの俳句です。読ませていただいた感想を書かせていただこうと思います。見当はずれな読みをしていることもあるかと思いますが、そういう時はごめんなさい。作者のみなさんの本意などコメントしていただけると嬉しいなと思います。
まず「人」 やはり素敵!
墓堀りに先祖の骨や実紫 ツユマメ
「墓堀り」 「骨」と ちょっと恐ろし気な言葉が続きましたが 「実紫」ととりあわせることによって 懐かしい 慕わしい 存在に変わってくるように思います。今の自分とつながっている 先祖の骨・・地中から掘り出され 手に取った時には優しい乳白色のかけらとなり 血が通っていた時のようなあたたかさまで感じてしまった そんな様子が思い浮かびました
地球ごとでんぐり返し実紫 ツユマメ末っ子
ちいさくてかわいい実紫の実 ころころ転がっていく様を見ているうちに
大きな大きな地球まで ころがしてしまったのね !すごいなあ 末っ子君。地球は広くて大きいけれど 君はしっかりと地球人なんだね!
飛び石のくぼみが拾う実紫 maco
小さくて丸い実紫は ころころところがりだして 地面に落ちると ころころと転がりひとところにじっとしていることがない そんな実紫の動きをとめたのが 庭石のくぼみであった その動きをとめたことを「拾う」となんとも優しい言葉で表しているのがとても素敵だなあと思います。
実は自分のボツ句の一句は 実紫が転がることを題材としました 転がることを動きが止まることによって表現しているところも新鮮に感じました
「並」 こちらも素敵がいっぱい
尼寺を飲み込んでゐる実紫 ⑦パパ
実紫といえば「紫式部」とも ・・・源氏物語の世界がうかびあがります。源氏物語の中には 出家した女性がたくさんでてきます。秘めた恋を隠し通すために出家した藤壺をはじめ、女三宮や浮舟・・・自分の望んだ幸せを得ることなく出家した女たち・・・それを昔から実紫は見守ってきたのでしょうね
風抜けて不法投棄と実紫 Dr.でぶ
胸が痛みます 美しく色づいた実紫のかたわらに 数多くの不法投棄された大量のごみ・・・人間の身勝手と 自然の強さ美しさ それを横目で見るように風が吹き抜けていく
髪を切り初めましての実紫 かたちゃん
髪を切りすぎてしまった鏡に映る自分は はじめて会った人みたいでなんだか照れくさい 実紫っていう植物もいままで知らなかったけど初めて知りました 初めましての気分で 実紫と 髪の短い自分を見つめている そんな光景を思い浮かべました
みほちゃんも残さず食べてね実紫 みほめろ
おままごとしているときの様子の句かな 実は私のボツ句もままごとを題材にしたのでそうかなって思いました・・・実紫のかわいい実をごはんのかわりにして小さなお茶碗にもったものを 「全部食べてね」って 差し出しているところかなと思います 実紫はままごとにはぴったりですものね
・・・・・明日に続く